妊娠の心得

投稿者: | 投稿日時: 2009年03月05日 08:38

ロハス・メディカル1月号の「お産危機3・妊娠の心得」はお読みになりましたか?

原案は、岡山県で産婦人科医をなさっている宋美玄先生がご自身のブログ上で公開された『妊娠の心得11ヵ条』です。この心得に共感したくい止める会の先生方が、より多くの人に知ってもらいたいと、すこしだけアレンジしてロハス・メディカルに寄稿したものでした。

まずは11か条の心得を引用。

1.セックスをしたら妊娠します。
2.「この男の子供を産むためなら死んでもいい!」と思うような男の子供しか妊娠してはいけません。
3.妊娠しただけでは喜ばない。安易に他人に言わない。
4.神様から授かったら、それがどんな赤ちゃんでも、あなたの赤ちゃんです。
5.産む、産まないは自分たち夫婦で決めましょう。
6.かかりつけ医をもちましょう。
7.赤ちゃんは全ての運命をあなたに預けていることを忘れないで。
8.赤ちゃんが完全に元気であるか分かる方法はありません。
9.出産は出来うる限り安全な場所でしましょう。
10.下から産んでも、お腹から産んでも、あなたはお母さん。
11.妊娠・出産は一つとして同じものはありません。


宗先生は、岡山県の川崎医科大学附属病院で産婦人科医長をなさっています(各項目の詳細は、宋先生のブログ「LUPOの地球ぶらぶら紀行」にも解説があります)。妊婦の高齢化などで出産リスクが高いケースも増えているにもかかわらず、医療の進歩が過信され、妊娠・出産が甘く見られていることに対して警鐘を鳴らしているのです。

宗先生がとくに気になっているのは、「とびこみ出産」の増加だといいます。奈良県で2007年8月、救急車で搬送された妊婦が受け入れ先の病院がなかなか決まらずに死産したケースは、妊娠7か月でかかりつけ医がいませんでした。とびこみ出産では感染症やさまざまな情報がなく、それだけ病院側も慎重にならざるを得ません。定期的な受診は妊婦として自分と子どもに対する責任でもあるのです。

もちろん、かかりつけ医がいても、どうにもならないケースもあります。医療が進歩してもなお、それだけ出産は危険を伴う一大事業ということです。宗先生は、一人でも多くの人にその自覚あるいは覚悟を持ってほしいというわけです。


以前にもお話しましたが、くい止める会の事務局メンバーも2006年頃から、周産期医療の現場あちらこちらからの悲鳴を耳にしていました。福島県立大野病院事件の前から、多くの問題や事件が頻発していたのです。そして情報収集をし、医療側の内部からの改革や行政への働きかけについて研究を始め、現在につながっています。いっぽう同時に、周産期医療の根本的な建て直しには、妊産婦の意識が変わらないことにはどうしようもない部分も見えてきたのです。


そこでくい止める会では現在、この心得をより親しみやすい形で、より多くの人に届けられないか、検討を開始しているようです。それについてはまた続報もお伝えできたらと思いますので、乞うご期待!です。

<<前の記事:インターネットのちから。    「とりあえず謝」らなかった佐藤教授。:次の記事>>

コメント

 一応、訂正なのですが先生のお名前が間違っております。“宗”ではなく“宋”先生です。上げ足を取るつもりはないのですが、検索などでこれではヒットしないと思いまして。。。

 余計なことかもしれず、申し訳ありません。

>匿名ですが。さま

ご指摘いただきありがとうございました。大変失礼いたしました。訂正させていただきました。

ありがとうございます!
絵本も楽しみです~

>LUPO先生、

コメントいただいてしまって恐縮です。きちんとしたご挨拶もなく、ブログ等をご紹介させていただき失礼いたしておりました。出産を経験したものとして、先生の妊娠の心得には共感すること、改めて考えさせられること、多々ありました。これからも折に触れ訪問させていただいて勉強させていただきたいと思います。宜しくお願いいたします。

コメントを投稿


上の画像に表示されているセキュリティコード(6桁の半角数字)を入力してください。