新型インフル 「ハイリスク群の命に集中を」 尾身・専門家委員長 コメント欄

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2009年06月09日 11:37

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 新型インフルエンザに関して、政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂・自治医... 続きを読む

コメント

>「今後は、糖尿病や喘息などの基礎疾患を持つ人や妊婦などが重症化して死亡するのを避けるという一点に集中すべき」
 国としてどう対応していくか、の筆頭にこの文言が出ることに違和感を感じます。これはトリアージ (wikipedia:人材・資源の制約の著しい災害医療において、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること。) のことを言っているのだと思います。非常に大切なことですが、トリアージは現場医師の裁量の範囲であり国が口出しすべき内容ではないのではないでしょうか。

>水際対策に一定の効果があった。
 どんな施策にも一定の効果など存在するでしょうから、苦しい詭弁に聞こえます。施策決定に際し、予測される効果を定量的・科学的に検証しているのであれば、その根拠を示して欲しいと思います。今回の一連の騒動で問題となっているのは、「他の数ある打ち手の中で、検疫という施策のプライオリティは適切であったか」ということでしょう。グローバルスタンダードに従う必要は必ずしもありませんが、従わないのなら従わない根拠を示して欲しいということです。
 「後から」批判することはいくらでも可能で一見非生産的に思えますが、それでも批判する意味があるとすれば、次に適切な施策決定を行うためのフィードバックを行い、振り返りの材料とすることだと思います。
但し今回に関して言えば、検疫開始直後よりその適切さについて内外から疑問が出ていましたが完全に封殺されており、施策決定プロセスに関して不透明さがあったとの批判は免れえないのではないでしょうか。

地方国立大学医学生様

この記事で考えていただきたいことは、医師として患者にどう接するべきか、あるいは国民として自己の体調不良に対してどうふるまうべきか、ということです。

重症患者を助ける医師になるのか、軽症者を助ける医師になるのか、必要な知識も技量も全く異なります。言い換えれば、非常に狭い分野を専門とし医療資源の大量投入を行って1人の命を救う医療か、できるだけ少ない医療資源で国民の健康管理を行う100人を対象とした医療を行うのかという選択です。日本では前者が重視され、後者は軽んじられる傾向がありますが、どちらも非常に重要な分野です。前者を専門医療と呼ぶことが多いのですが、実は後者も専門医療です。

私はより多くの国民を対象とした医療がどのような事態でも重要だと思っています。たとえ強毒型のインフルエンザが国民の10%の健康を損なう事態になっても、国民の2%が入院する事態になっても、私は多くの国民の健康を含めて基本的人権が守られるように努力すべきと思っています。もう少し具体的にいえば、国民が社会的活動を維持しながら、健康に過ごし、インフルエンザ以外の病態に対しても決して手を抜かず医療を提供できるように頑張りたいと思います。

私の考え方では、尾身先生はご自分の信念に従って少数者対象医療をされればよいと思いますが、多数者医療のことを考えている者が、「それだけじゃないよ」というべきであり、そういう意見を持つものが集まって本当に日本にとって必要な方策を提案することでしょう。

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