日焼け止め-SPFやPAはあてにならない?

投稿者: | 投稿日時: 2009年07月25日 03:50

前回、紫外線が人体に与えるダメージについて書きましたが、そうなると問題はどうやって紫外線を少しでもカットするか、ということですよね。もちろん方法はいろいろありますが、この時期、多くの人が利用するのが、日焼け止め用の乳液やローションです。


いろいろな商品が出回っていますが、選ぶときのポイントや注意点等について考えてみることにしました。

ちなみに、一般に日焼け止めと呼ばれるものは、「化粧品」に属するものと、「医薬部外品」の一種である「薬用化粧品」に属する場合とがあります。いずれも怪我や病気に用いる薬と同様、その製造や輸入、販売をするには薬事法で定められた基準を満たし、許可を受ける必要があります。(医薬部外品と化粧品の違いについてはこちら


いずれにしても一般的には日焼けを防止する効果のある乳液やローションといった商品は、「日焼け止め化粧品」と呼ばれています。これについて詳しく解説されている東京都福祉保健局のウェブサイトを見つけました。

●日焼け止め化粧品の選び方
東京都福祉保健局 健康安全部 健康安全課 食品医薬品情報係


その中での要チェックポイントは、ざっと以下のような感じです。詳しくは上記サイトを確認してください。UVAとUVBについては、前回のエントリーをどうぞ。


●日焼け止め成分には、紫外線散乱剤(紫外線を反射する)と紫外線吸収剤(紫外線を肌の表面で吸収する)がある。後者が含まれているものといないものがある。
●UVAによる日焼けを防止する効果の目安は、PA(Protection Grade of UVA)。しかし効果を実感しにくく、長期的な悪影響の数値化は困難なため、以下のように分かれている。
PA+   → UVA防止効果がある
PA++  → UVA防止効果がかなりある
PA+++ → UVA防止効果が非常にある
●UVB防止効果の程度はSPF(Sun Protection Factor)とよばれる2~50の数値で表される。上限は50+。
●PAとSPFは、化粧品を1c㎡あたり2mg皮膚に塗ったときの効果を示している。
●日常生活と、炎天下でのスポーツやレジャーで、PAとSPFを考慮して使い分ける。汗や水にぬれる場合はウォータープルーフタイプを使用。いずれにしてもこまめに塗りなおすこと。
●購入したらまずパッチテストを行うとよい。さらに自分の肌の性質(赤くなりやすい、黒くなりやすい)などに応じ手使い分けることも必要。
●重ね塗りしても、PAやSPFの効果が単純に加算されるものではないが、効果が高まるのは事実。
●外出等から帰ったら、洗顔してしっかり落とすことが肌のために大事。とくにウォータープルーフの場合はクレンジング剤を使ってしっかりと。


上記の内容の中で特に気にかかった点がいくつかあります。


まず、PAやSPFという数字を過信してはならないだろう、ということ。汗などで流れてしまったり、体質によって効果は違うことはもちろん、そもそもSPFやPA等の示している値も怪しいものです。SPFは30以上になるとあまり差がないという話も聞きます。PAにいたっては、基準自体がもとより曖昧なものなんですね。しかも、肌1c㎡あたり2mgも塗れば、肌が真っ白です(上記サイトにも写真がありますのでご覧ください)。恥ずかしくてそんなに塗れません。というわけで、とにかくこまめに塗りなおすほかないようです


さらに、効果もさることながら、日焼け止め化粧品そのものが肌に及ぼす影響も気がかりです。特に顔に使うことも多いものですから、パッチテストはしたほうがよさそうですね。肌の弱い人などは、とくに気をつける必要がありそうです。というのも、アレルギーなどの肌トラブルの報告も少なくないようなのです。

例)日焼け止め化粧品によるアレルギーに注意!
(群馬県生活文化部消費生活課)


この例の場合は、原因は紫外線吸収剤にあったようです。表示が義務付けられていない成分らしいので、消費者としては購入時の判断も難しいですよね。最近では、入っている、入っていないを明記した商品もあるようですから、肌の弱い人は特にそういう点に留意して、できるかぎり慎重に商品を選ぶほうがよさそうです。そして、使用後は必ずしっかり洗顔して落とすこと。肌の弱いひとだけでなく、日焼け止めが肌に残っていると、かえってシミや小ジワなど肌のトラブルにつながることもあるようなのです


日焼け止めそのものの肌への影響は、PAやSPFの値が上がるほどに、強い刺激と考えてよいそうです。そんなこんなを考えると、日焼け止めの使い方や使い分けにも工夫が必要みたいですね。それに、先に日焼け止め効果の維持にはとにかくこまめに塗りなおすしかない、と書きましたが、字際のところ塗りなおすのはかなり手間ですよね。女性などお化粧をして外出した場合、お化粧の上からまた塗るわけにもいきません。となるとやはり役立ってくるのが、日傘や防止、その他UVカット加工の施された衣料品や小物です。ただ、これについても効果のほどが気になります。次回、それについて調べてみたいと思います。

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コメント

炎天下で長時間過ごすことがたまにあり、そのような時は必ず日焼け止めを使っています。塗り方が難しく、多すぎると顔全体が白みがかってしまうし、そうかといって少なすぎると効果が弱かったり・・・あと以前はウォータープルーフタイプを使っていましたが、落とすのが一苦労(専用のクレンジング剤は使っておりませんでした)といった問題があったので今は通常のものを使用しています。ただ汗をかいた顔に塗り直すことほど不快なことはなく、暑さと過ごす時間に比例し効果が激減するといった問題も・・・これを機に自分に合った正しい日焼け止めの使い方を再考してみようと思います。

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