これは大変だ

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2010年01月21日 08:03

今朝のMRICで以下のようなものが配信されてきました。
(ロハス・メディカル2月号ではMRICから広告もいただいています)

医師への不当な行政処分を阻止すべき —長妻厚労大臣への要望提出のお願いー 井上清成(弁護士)

思い起こせば、このブログを本格的に始めたのは福島県立大野病院事件の公判傍聴記を書いたことからです。『周産期医療の崩壊をくい止める会』の公判逐語録と合わせ、福島地検の立証がいかに杜撰か、世に知らしめることに貢献したと自負しています。

ただ、最初から傍聴記をあのスタイルで書こうと考え付いていたわけではなく、実は手本がありました。

第一回公判で関係者全員が抽選に外れ途方にくれていた時に、自らも刑事被告人というつらい立場に置かれていた佐藤一樹医師が抽選に当たって、検察のデタラメぶりを自らのブログに記してくださったのです。それを見て、「なるほど、これを手本にすればいいのか」と思ったのでした(当時は佐藤医師と面識がありませんでした)。あの事件で有罪判決が出たらもうお産は取り扱わないつもりだったという産科医も多いやに聞いております。つまり、全国の産科崩壊をくいとめることに大きな役割を果たしたのが佐藤医師だったのです。

佐藤医師自身も2審で無罪が確定し、よかったなと思っていたところに、こんなことが起きているようです。あまりにもヒドイと言わざるを得ません。ことは緊急を要するので、皆様も身の回りの方々にお知らせいただき、行動をいただけますと幸いです。

以下、MRICの文章より引用します。

【要旨】  2010年1月19日、エムスリー「医療維新」に、「根拠ない、医師への不当な行政処分に異議あり」(厚労省が「刑事無罪」が確定した女子医大事件医師への処分を検討)、「『厚労官僚の火遊び』を許すなー虎の門病院・小松氏」(佐藤医師への「弁明の聴取」が先例になれば、医療体制は崩壊)という2つの記事が掲載されました。医師法・行政手続法に基づく「弁明の聴取」が行われるということは、医師への医業停止処分か戒告処分という行政処分が行われるということです。「弁明の聴取」は来週早々にも予定されているとのことです。それが実施されて行政処分がされれば、昨年末にやっと独立開業したばかりの佐藤医師はどうなってしまうのでしょう。報道によれば、その「弁明の聴取」はある一人の厚労官僚の独走の結果である恐れがあります。筆者自身は、冤罪被害にあった佐藤医師が再び冤罪に問われてはならないと思い、厚労官僚の独走の有無を内部調査するよう、長妻厚労大臣に宛てFAXで1月19日夜に下記の要望書を提出しました。官僚主導によって医師への無限定な支配統制がなされてはなりません。医師への不当な行政処分を阻止するため、多くの方々が長妻厚労大臣に要望を提出していただくことを期待しております。ご参考までにサンプルを下記に添付しておりますので、よろしければお使いいただいて、要望書を提出してください。

【長妻大臣へ提出した要望書】
厚生労働大臣 長妻 昭 殿
FAX03−5342−6552
井上法律事務所 所長
弁護士 井上 清成

佐藤一樹医師に対する医師法・行政手続法に基づく
強制的な「弁明の聴取」手続の実施延期等を求める要望書

 平成22年1月19日付けのエムスリー「医療維新」での「根拠ない、医師への不当な行政処分に異議あり」という報道記事によれば、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科元助手の佐藤一樹医師が、厚生労働省による医師法に基づく行政処分を前提とした行政手続法所定の弁明の聴取手続の対象とされていて、近く強制的な弁明の聴取手続が実施される、とのことです。佐藤一樹医師は、かつて人工心肺装置の操作に過誤があったとして刑法第211条第1項所定の業務上過失致死罪で刑事起訴されて被告人となったものの、東京地方裁判所で無罪判決、東京高等裁判所でも無罪判決を得、検察が上告を断念して無罪が確定した冤罪被害者です。しかるに、やはり同日付けエムスリー「医療維新」での「厚労官僚の火遊びを許すな」という記事によれば、厚生労働省医政局医事課の杉野剛課長が医師資質向上対策室の反対を強引に押し切り、一定の行政処分を目指した強制的な弁明の聴取手続を進めようとしているとのことです。しかしながら、この他部署の反対を押し切ったという強制手続の強行は、もしもその事実上・法令上の根拠付けが十分でなかったものであるとしたならば、刑法第193条に定める公務員職権濫用罪(公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、2年以下の懲役又は禁錮に処する)に該当する恐れすらあります。
 長妻昭厚生労働大臣におかれましては、まず第一に、佐藤一樹医師に対する弁明の聴取手続を延期し、第二に、弁明の聴取手続実施の事実上・法令上の根拠の有無・程度、ならびに、場合によれば佐藤一樹医師への公務員職権濫用罪にも該当しかねない杉野剛課長による強制実施の判断・指示の有無、さらに、もしも真実であるならばそこに隠された意図及び背景事情を調査し、第三に、それら調査結果を踏まえた適切な措置を採られることを、ここに要望いたします。

 佐藤一樹医師の基本的人権侵害に関する緊急重大事ですので、甚だ失礼ながら、直接に本書1枚をFAXさせていただきました。よろしくお取扱いのほど、お願い申し上げます。
(なお、私は、弁護士ではありますが、佐藤一樹医師の代理人ではありませんし、本件につき佐藤一樹医師とも東京女子医科大学とも利害関係を有していない第三者です。念のため、申し添えます。)

【一般の方が長妻大臣へ要望書を出す場合の例】

佐藤一樹医師に対する医師法・行政手続法に基づく強制的な「弁明の聴取」手続の実施延期等を求める要望書

 平成22年1月19日付けのエムスリー「医療維新」での「根拠ない、医師への不当な行政処分に異議あり」という報道記事によれば、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科元助手の佐藤一樹医師が、厚生労働省による医師法に基づく行政処分を前提とした行政手続法所定の弁明の聴取手続の対象とされていて、近く強制的な弁明の聴取手続が実施される、とのことです。佐藤一樹医師は、かつて人工心肺装置の操作に過誤があったとして刑法第211条第1項所定の業務上過失致死罪で刑事起訴されて被告人となったものの、東京地方裁判所で無罪判決、東京高等裁判所でも無罪判決を得、検察が上告を断念して無罪が確定した冤罪被害者です。しかるに、やはり同日付けエムスリー「医療維新」での「厚労官僚の火遊びを許すな」という記事によれば、厚生労働省医政局医事課の杉野剛課長が医師資質向上対策室の反対を強引に押し切り、一定の行政処分を目指した強制的な弁明の聴取手続を進めようとしているとのことです。しかしながら、この他部署の反対を押し切ったという強制手続の強行は、もしもその事実上・法令上の根拠付けが十分でなかったものであるとしたならば、刑法第193条に定める公務員職権濫用罪(公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、2年以下の懲役又は禁錮に処する)に該当する恐れすらあります。
 長妻昭厚生労働大臣におかれましては、まず第一に、佐藤一樹医師に対する弁明の聴取手続を延期し、第二に、弁明の聴取手続実施の事実上・法令上の根拠の有無・程度、ならびに、場合によれば佐藤一樹医師への公務員職権濫用罪にも該当しかねない杉野剛課長による強制実施の判断・指示の有無、さらに、もしも真実であるならばそこに隠された意図及び背景事情を調査し、第三に、それら調査結果を踏まえた適切な措置を採られることを、ここに要望いたします。

 佐藤一樹医師の基本的人権侵害に関する緊急重大事ですので、甚だ失礼ながら、直接に本書1枚をFAXさせていただきました。よろしくお取扱いのほど、お願い申し上げます。

住所                       

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井上弁護士の書かれた全文の主旨が法の正義にのっとっていると考えますので、この文面のまま私の意見としてFax要望書を提出します。

しかし考えてみれば厚労省大臣室へのFAX要望より首相官邸へのメール要望のほうが、受信障害を起こさないので要望者の総数が正確に反映されるのではないでしょうか?

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