産後鬱――ちなみに2人目だと?

投稿者: | 投稿日時: 2010年01月26日 15:36

日に日に大きくなるお腹を抱えて過ごしていると、やはり産後のことを漠然と考えすにはいられません。今回は里帰り出産をしないと決めたので、上の子の精神的ケアもさることながら、夫の帰りが基本的に非常に遅い生活を考えると、私自身も体力・気力共にどうなることやら、やっぱり不安です。


近年、産後うつや育児中のママの精神的サポートについてはだいぶ話題にもなり、自治体によっては独自の対応をしているところも増えつつあるようですが・・・。

まず、ざっと振り返ってみても、産後~育児中の欝やメンタルヘルス、それに対する取り組み等に関する報道は、この1月だけでも相当な数あります。中でもダイレクトに取り上げているものを紹介すると、

●<共に生きたい>(3)産後うつから救う 同志が連携 どこでも相談
(2010年1月4日 東京新聞)

●大津市:母親の精神的孤立防げ 乳児いる全家庭訪問、保育士らが悩み相談 /滋賀
(2010年1月4日 毎日新聞)

●子育て支援センター好評…佐賀
(2010年1月13日 読売新聞)

●病院に“フリー助産師” 妊娠から退院後まで 科を超えかかわる
(2010年1月21日 中日新聞)


といったところです。それぞれ概要は、最初のものが自助グループに関するもの、次は保育士・児童相談員を派遣する市の取り組み、3つめは市の開設した子育て支援センターについて、そして最後は病院主導の助産師さんによる訪問型サポートの紹介、となっています。


ぱっと見て私がもっとも心強そうだと感じたのが、最後の、助産師さんが入院中から産後まで一貫してサポートをしてくれるというもの。理由は、記事の中でもインタビューを受けた産婦さんが答えているように「病棟が変わっても、子どもと自分のことを知っている人がいると安心できる」という点につきます。これまでも保健師さんが新生児訪問をはじめ、自宅を訪れて相談に乗ってくれるという公的サービスは行われてきましたが、たいてい、大きな問題が発生していないと判断されてしまえばその場限りのちょっとおしゃべり程度のことで終わってしまうものでした。しかし、赤ちゃんにはそもそも大きな個人差があるので、ちょっとだけ状況を説明し、そのときの様子を見てもらうだけで、本当に問題が解決するような気がしないというのが本音でした。それに対し、入院中から退院後まで継続的に母子のことを見てもらい、相談できる人がいるというのはとても大きなことです。


今思えば、前回のお産では私にとってはその役割は主に実家の母親が果たしていてくれたと思います。確かに私の母が子育てをしたのは今から30年ほども前のことですから、彼女自身が言うように、多くのことを忘れてしまっていたようですし、また今とは「常識」とされる内容も違っていたようです。それでもやっぱり経験者。そして一番身近な協力者。さらに我がことのようにいろいろなことを一緒に心配し、相談に乗ってくれる相手でした。滞在中は(特に私の場合、子供が保育園に入る前に仕事に復帰し始めたため、実は実家に長期間お世話になってしまったので)多くの苦労と迷惑をかけましたが、物理的に助かったのはもちろん、「ひとりじゃない」という感覚があったことは、精神的に安定につながっていたのだと、いまさらながら自覚し、感謝するのです。


一方、今度のお産では、先にも書いたように里帰りをしません。一番の理由は、3歳になったばかりの長男の今の生活をできるだけ大きく変えたくない、という考えからです。ようやくここ最近、「保育園に行かない」とごねることも大分減ってきて、慣れるのにほぼ2年もかかっってしまったというのにまた1ヶ月近く休ませたりしたら、振り出しに戻ってしまう気がするのです。しかも、実家にいれば私と赤ちゃん以外にも人が何人もいてかまってもらえることでしょうが、その後また結局自宅に戻ってこなければなりません。となると、パパには朝「いってらっしゃい」と言ってからは長男はもう翌朝まで会えないことも多いので(当初はさすがに起きている間に帰ってきてくれるでしょうか?)、要は赤ちゃんと私と3人で大半を過ごすことになります。それまで何人もの人がいてかわるがわるかまってもらったり気がまぎれていたのが、急にさびしくなってしまいます。そのギャップがかえってよくないのでは?と思ってしまうのです。だったら最初から、そういう状況に慣れてもらうしかないのかな、と。もちろん、私自身としても本当は実家にお世話になるほうがずーっと楽には違いないのですが・・・。


そんな我が家の状況からすると、私にとっても産後のメンタルヘルスは前回以上に他人事とは思えません。しかも上記のように報道で様々な行政や民間のサービスが紹介されてはいても、まだわからないのは、「2人目」という状況で自分がどうなるかということ。上の子供のメンタルヘルスもあわせ、2人の子供の間で自分自身、どう格闘していことになるのでしょうか。初めての出産で、身近な人の助けがなくて精神的に参ってしまう、という話はよく聞くのですが、2人目以降の場合、より多忙になってスケジュール管理や体力面、上の子の心配も加わって大変だ、ということは皆が口をそろえて言うのですが、一方、ママ自身のメンタル面についてはあまり伝わってきません。あまりに多忙で滅入っている暇もない、ということでしょうか。あるいは上の子供の子が精神的に不安定だと、やっぱり母親は自然とあるいは意識的にしっかりするものなのでしょうか。それとも、1人目の育児を経て、より「母は強く」なっているものなのでしょうか・・・。


医学的には、産後欝はホルモンバランスの崩れも一因とされているようですから、2人目でも十分可能性はあるようです。また、2人目ということで1人目のときよりも自力でがんばりすぎたり、ムリをしがちになることで、発症してしまう人もいるのだとか。しかしいろいろ見てみると、多くのママは「2人目だと無駄な心配が減るし、要領もよくなるから、ママ自身の心にも余裕というかゆとりが出る」という意見。それに、上の子の反応に関しては、「ママのほうが心配しすぎていると、上の子にも不安が伝わる」のだそうです。私の場合は、1人目のときと違って実働の面であるいは精神的に頼れる人が常にすぐ近くにいるわけではない、というのが不安材料なわけですが、変に気負ったり、おきてもいないことを心配するのは駄目、ということなんでしょうね。もっとどっしり構えてなくては。いつもの暢気さをこういうところで発揮すべきなんでしょう。


まあ、そんな疑問や不安を漠然と抱いていられるのもあとわずかです。聞くところによると、産後うつなどは、出産後3ヶ月~半年に急増するのだとか。そのころの自分がどうなっているかはわかりませんが、できたらここで近況報告的なエントリーをアップしたいなあと思っています。元気にアップできるような状況だといいな、と祈りつつ・・・。

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