感想の重み

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2010年06月04日 08:03

救児の人々」が発売されて、10日ほどが経ちました。

その間、私は書店に平積みしていただくために都内大手書店を営業して回ったり、
(この営業でどんなことをしていたかはまた後日書きます)

取材でお世話になった方々に挨拶に伺ったりと、いろんな方に書籍を知ってもらうための活動を始めていました。

私の方へは、書籍を手に取ってくださった方、PDFを「一気に読破した」などと言って下さる方々が、たくさんの感想を寄せてくださいました。


感想の数もさることながら、その内容の重みに、私自身が圧倒されてしまいました。

「実は私も…」

「家族が…、親戚が…」

「こういうケースの患者さんがいて…」

読んだ瞬間に呼吸が早くなってしまうほどに壮絶な、その方自身のご経験を語ってくださることもあり、姿勢を正さずには読めないものばかりでした。

拝読しながら思ったのは、どんな方でも多かれ少なかれこの書籍に出てきたような、一見「まさか自分には起こらないだろう」と思えるような出来事を、その方なりの形で、考えたり感じたり、ご経験なさっておられる、ということでした。

そしてそれを言う「場」は、生活している中ではなかなかないということも。


この書籍を「他人事」として捉えて読まれた方は、少なくとも私に感想を寄せてくださった方の中には、おられませんでした。

私はプライベートの知人や同郷の友人にも書籍出版を知らせましたが、普段全く医療とは縁のなさそうな知人であっても「他人事じゃない!」と、友達にプレゼントすると言って複数冊購入してくれたりしました。

それだけ、この書籍に掲載されているご家族や医療者の「声」には、様々な方に響く要素があるのだと思わされました。


一方で私自身は、その圧倒的な重みを持った多くの感想を前に、立ちすくむような感覚を覚えていました。

一体どう返事をすればいいのか。

中には私の想像を絶するようなものも含まれていました。

でも、本当に切実な気持ちで感想を送ってくださっているのだから、適当なことなど返したくありません。

しかも、メールで返すならば顔が見えないので、なおさら言葉に気を使います。

今までも、記事を書いてその感想を寄せていただくことは多かったですが、書籍を出版し、それに対する感想としてこんなに重みのあるものが寄せられた経験はありませんでした。

私自身も「自分の魂のような書籍に対して寄せてくださった思いに、ちゃんと応えたい」と思っていました。

一通一通に返信を書いていて、気付いたら朝を迎えていた日も多かったです。


ただ、この思いに捉われ過ぎていたようなところもあり、最近ちょっと自分のバランスを崩しかけていました。

今は少し自分の気持ちを落ち着けて、記者として全体に発信していくことの軸をブレないようにしながら、やっていこうと思っているところです。

そんなわけで、頂いている感想のお返事が滞っていますが、どうぞ大目に見てやっていただけると助かります。

皆様が持っておられる「実は私も・・・」という思いやご経験。

これは、私達がお互いに通じ合っていける、一緒に考えていける可能性ではないかと思いました。

言わないだけで、どんな方でも必ず何か考えたり思ったりしておられると感じました。

「当事者意識」は、一歩踏み出せば得ていけるものではないかなと思っています。

そのきっかけは、やっぱり「人」なのだとも、改めて実感しているところです。

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