パイロット版「いのちの授業」

投稿者: 川口利 | 投稿日時: 2012年06月12日 19:40

昨日は、「いのちの授業」を始めるようになった経緯を書かせていただきました。
パイロット版授業を平成22年11月に実施したわけですが、どのような内容の授業であったのか。少しだけそれについて書いておきたいと思います。
この授業については、ロハス・メディカル2011年1月号でも6ページにわたって紹介されましたので、該当号をお持ちの方は、そちらもご覧ください。


まず、授業の形式ですが、広義にはティーム・ティーチングということになります。進行は私が担当しましたが、ポイントとなる箇所では医師側講師と患者側講師に話をしていただきました。

全体は4部構成とし、
<起>今「いのち」があることは?
<承>病気になるということは?
<転>病気になってしまったら?
<結>「いのち」を守るためには?
というサブタイトルのもと進めることとしました。

他の講演会などと大きく異なる点として、私たち3人はステージ上には立たず、床面で話をするということ、生徒さんたちは前を向いて座るのではなく、ステージに向かってコの字型に座り、私たちが生徒さんたちの間に入っていかれるようにするということがあります。生徒さんたちにマイクを向けて意見を発表してもらうような場面も設定してありましたので、できるだけ近い距離で話すことを心がけたのです。

パワーポイントのスライドを使い、生徒さんたちには手作りのワークシートを渡し、話を聴きながら必要な事柄を記入してもらうようにし、後で見返した時に何を学んだかが分かるようにとの工夫をしたつもりでした。しかし、記入しなければならないという先入観を与えてしまったようで、スライドの切り換えが早過ぎて全部書けなかった等の感想も寄せられました。実施後の総括を経て、平成23年度実施に際しては、ワークシートは使わず、話を聴いてもらうこと、挙手により意思表示をしたり、意見を発表したり、講師への質問をしたりするなど、積極的に参加してもらうことに的をしぼりました。

授業冒頭部縮小.jpg


パイロット版の内容ですが、

<起>の部分では、今「いのち」があることは当然のことではないことを理解してもらうため、日本での乳幼児死亡率(生まれた子供1,000人に対して5歳の誕生日を迎えるまでに何人亡くなるか)を他の先進国・開発途上国・最貧国でのそれと比較したり、乳幼児が死亡する原因としての下痢の割合を比較したり、日本ではかかる可能性の少ない病気で亡くなる可能性を比較したりするなど、可能な限り具体的な数字を見せながら、私と医師側講師の掛け合いにより進行し、パートのまとめとして自分が「いのち」について感じていることを書いてもらい、数人の生徒さんに発表してもらいました。

<承>の部分では「がん」に焦点をあて、日本のがん死亡率の実態を示すなどしながら、「がん」を取り上げる理由と、「がん」に対する治療の考え方を医師側講師に説明していただきました。その後で、がん患者である患者側講師に自分の病気のことや、病気を乗り越えるためにどのような行動をとってきたのか、病気と闘う中でどのようなことを考えてきたのか、「いのち」があることに対してどのようなことを感じているか等を話していただきました。

<転>の部分では、医療に対する理解を深めてもらうために、医師の仕事や医師以外の医療従事者の仕事を簡単に医師側講師に説明していただいた後に、自分が患者になったらどのように受診するべきなのか、自分の役割・医療従事者の役割・家族の役割・友人の役割などについて医師側講師と患者側講師それぞれに考えを話していただき、勉強してもらいました。

<結>の部分では、病気にならないための予防法について理解してもらった後で、今生きていることに何を感じるかをもう一度考えてもらいました。今感じたり思ったりしていることをしっかりと心に留めて、自分を大切にしながら、困難にぶつかっても決してあきらめずに生きていきましょう、という結びになりました。

平成23年度にスタートした本番では、パイロット版を元に改良を加え実施しましたので、その辺りはまた別の機会に触れたいと思います。

<<前の記事:はじめまして!    高すぎるポリオ不活化ワクチン 国は言い値になすすべなし?:次の記事>>

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://lohasmedical.jp/mt/trackback/3006

コメントを投稿


上の画像に表示されているセキュリティコード(6桁の半角数字)を入力してください。