HPVワクチン、勧奨再開に追い風か?

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2016年12月12日 15:27

議員の発議によるがん対策基本法改正案が先週成立したことは、皆さんもご存じと思う。だが、どこがどう改正されたか、ご存じだろうか。


国会のサイトに法案が出ている。注意深く読んでいくと、おや? と思う条文が入っている。


第六条中「影響」の下に「、がんの原因となるおそれのある感染症」を加え、

第十二条中「影響」の下に「、がんの原因となるおそれのある感染症並びに性別、年齢等に係る特定のがん及びその予防等」を加え、


ちょっと分かりづらいかもしれないので、興味のある方は、国会がん患者と家族の会が提供している新旧対照表も見てほしい。


がんの原因となる恐れのある感染症と言えば、肝炎ウイルス、ピロリ菌、T細胞白血病ウイルス、そしてHPVになるだろう。


特に後ろの13条の方は

国及び地方公共団体は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響、がんの原因となるおそれのある感染症並びに性別、年齢等を考慮したがんの予防に関する啓発及び知識の普及その他のがんの予防の推進のために必要な施策を講ずるものとする。

となったわけで、HPVワクチンの接種勧奨は「施策」のど真ん中と言えそうだ。


ワクチン推進派も反対派も気づいてなかったと思われるのだが、法律になった以上、国はそろそろ態度をハッキリさせないといけないかもしれない。

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