疑義照会

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2017年02月24日 00:00

薬事日報の報道によれば、さいたま赤十字病院とさいたま市薬剤師会との間で、▽成分名が同一の銘柄変更(変更不可の処方を除く)▽内用薬の剤形の変更▽内用薬における別規格製剤がある場合の処方規格の変更▽無料で行う半錠、粉砕あるいは混合▽無料で行う一包化▽貼付剤や軟膏類の包装・規格変更▽その他合意事項――の7項目に関しては、疑義照会しなくても、薬剤師の照会に対して処方医の同意を得られたと見なす運用を4月から始めるそうだ。


照会しても医師が捕まらなくて、お客さんを待たせてしまうという声があったそうだ。これによって照会が半分に減る見通しとのこと。


たしかに、そんなことをいちいち確認するのは、お互いに時間のムダだろう。ただ、すべき照会をしてない、ということもあるんでないか。


母の通院に同行している兄によると、直近の通院で、処方された薬がクリニック門前の薬局になく、取り寄せる間かなり待たされたという。


ところが、その処方そのものが、医師によるオーダー間違いだったらしい。渡される段になってから「今回から○○のお薬が追加になってますね」「えー、そんなはずありません。●●の薬と聞いてます」というやりとりがあって、そのクリニックでよく処方されてる薬(薬局にも常備されてる薬)のはずだったことが分かったという。


取り寄せる前に「今回から○○のお薬が増えたんですね」と一言確認してたら、すぐ疑義照会に至ったんじゃなかろうか。


この話には後日談があって、増えた分でない元々から処方されてた薬は5mg錠だったのに、家に帰って来て飲ませようとしたら、20mg錠だったらしい。「殺すつもりか」と兄は怒っていた。

<<前の記事:臨床試験結果が本当に信用できるのは最近10年のこと    ウンコだったのか:次の記事>>