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臨床試験結果が本当に信用できるのは最近10年のこと

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2017年02月23日 00:00

既に『ロハス・メディカル』誌上では半年以上前に書いたことながら、この話をする度に、皆さんに驚かれるので、備忘録も兼ねて再度記しておきたい。


2007年にFDA法が改正されるまで、製薬企業がお金を出した臨床試験は、結果を公表されない(恐らくポジティブでなかったんでしょう)ことが珍しくなく、下手をすると試験の存在そのものが握りつぶされている可能性もあって、それはつまり、それまでに承認された医薬品の、承認の根拠となった臨床試験結果は都合の良いものだけをパッチワークしていた可能性を否定できない、という話だ。


何か文献を示してほしいと質問されたこともあり、ただ英語のものを改めて探すのはホネなので、何か日本語で参考になりそうなものはないかと探してみたら、さすが薬害オンブズパーソン会議、2008年早々に記事を書いていた


そもそも製薬会社の臨床試験(治験)そのものが、ポジティブな結果を得られるよう「スーパー患者」を選抜して行われていることによって、実臨床で使うと能書きほどの効果を得られないというのは広く知られている。まして、それらが都合の良い結果だけ抜き出していたとしたら、薬になるべきでなかったものまで承認されてしまっていた可能性を否定できない。


薬価制度改革をする際には、そういう薬になれなかったはずのものを承認取り消しにするとか、少なくとも保険適用から外していくことも必要だと思っている。でも、そういう話をすると、冒頭に書いたように、前提の話の方に驚かれてしまうわけだ。

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