子どものかかりつけ医を探せ! ~吹田編④

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2017年04月19日 16:27

■子どものかかりつけ医を探せ! シリーズ 吹田編   

子どもが2か月になると、ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、ロタの4種類の予防接種が可能になる。これらは4つの同時接種が可能なので、そうしてもらいたいと思っていた(そのわけはこちら)。

どこで受けるか悩んだが、子育てサロンで聞いた「近くだと何かあった時に駆け込める」という話が印象的で、近い方がいいかなと思うようになった。特に初めての予防接種だし、私も分からないことだらけだったので、何かあればすぐに行けるというのは大切なような気がした。

自宅から歩いて数分のところに、内科と小児科を標榜しているクリニックがあった。HPを見たところ、予防接種だけでなく乳児検診もやっているし、「お子さんのことで何かおかしいと感じたらすぐに来てください」と、早期発見早期治療を心掛けていると書かれていた。地域に根差した医療を長く続けてきたという言葉も印象的で良心的な雰囲気を感じたし、院長が女性だったのも母親としては心強く感じた。また、口コミサイトを見てみると、院長の評判についてもいい書き込みが数件あった。

ほかに一般内科は数件あったが、HPがなかったことや、小児については予防接種だけのようなところが多かったので、除外した。歩いて20分ぐらいのところに人気の小児科があったが、かなり人気でいつも混んでいると保健師が話していたので、遠くて混んでいるならやめておこうかなと思った。

結局、その歩いてすぐのところにある、内科・小児科のクリニックに決めた(ややこしいのでAクリニックと呼ぶ)。


ここで私がAクリニックに決めたポイントを、決め手となった順番に振り返ってみる。

①子育てサロンでの母親の意見。特に「近くだと何かあった時に駆け込める」という話は、2か月の幼子を初めて育てている身としては心強く感じられた。

②自宅からの近さ。

③HPの文言。特に小児科についての早期発見早期治療に関するくだり、「お子さんのことで何かおかしいと感じたらすぐに来てください」という文言は私にとって心強く感じられた。

(追記)④院長が女医であること。母親の大変さなども分かってもらえるのではという期待があり、同じ女性ということで心強く感じた。

⑤口コミサイトのポジティブな書き込み。

⑥HPの「地域に根差した医療」という文言。これは記者をやっていてよく見聞きする言葉なので、なんとなく良心的な雰囲気があるように感じられた。


振り返ると、記者としてのこれまでの知見はたいして関係なかった気がする。同じ立場である母親の意見に強く左右されたようだ。産後はずっと自宅に子どもと二人で過ごしていたので、サロンで過ごした時間が強烈に印象に残ったということもあったかもしれない。やはり生の声の影響は大きい。

(追記)決め手となったポイントを書いてから気付いたのだが、「心強く感じられた」という言葉が3つも上がっている。当時の私は、里帰り出産もせずに自宅のマンションでどう扱ってよいのか全く分からない赤ちゃんと二人きりという、精神的にかなり追い詰められた状況だった。赤ちゃんを前に、常に「これでいいのか」と不安でたまらず、小さいことでパニックを起こしてしまうほど精神的に参っていたため、何よりも「安心」がほしかったのだと思う。だから、同じ立場の子育て中の母親の言葉であったり、院長が女医であることが「心強さ」につながり、決定に大きな影響を与えたのだと思う。言い換えれば、ワンオペ育児に不安を抱えた一人の母親が、「心強さ、安心」という基準で医療機関を選んだということだ。

これが別の人なら、選ぶ基準は様々だろう。例えば「最先端医療機器の有無」、「有名な医師」、「ホスピタリティ」、「職場からのアクセス」、「面倒なことを言われず短時間で薬がもらえる」、「プライバシーへの配慮」などなど。ただ、これらはその人のその時のメンタリティや置かれている環境、何よりかかる病気の内容によって変わると思う。かかりつけ医を選ぶとは、個人によって実に様々な要因があってなされている行為だと思う。国は簡単にかかりつけ医と言うが、医療機関の広告規制が敷かれている中、この複雑なマッチングがうまくいくことがどれほどあるのだろう? 

私の場合はこうした流れでAクリニックに決めたわけだが、当日そこで衝撃を受けることになる。


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