育児中の思わぬ伏兵、鼻水と鼻くそ

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2017年05月09日 14:45

病児保育について書くつもりが思わぬ方向に話が逸れたので、このまま投稿することにした。

子どもを持つ前には、まさかこんなことに悩み、多くの手間を取られることになるとは想像だにしなかった。

そんな思いもよらなかった伏兵が「鼻水」と「鼻くそ」だ。

これは多分、母親あるあるだと思う。

【伏兵①鼻水 × 電動鼻水吸い取り器】

昨年は実家のある兵庫県豊岡市で療養をしていて、息子はそこで保育園に通い始めた。

私も通っていた保育園で、先生方もとても優しく、私の体調についても色々心配してくださったりして有り難かった。お陰で私もゆっくり体を休めることができたので、今でもとても感謝している。

息子は初めて通う保育園で、しょっちゅう風邪をもらってくるようになり、頻繁に発熱、鼻水などを繰り返した。

特に鼻水が多くて、出ていないときの方が少ないのではなかったかと思う。

鼻水はほったらかしていると呼吸しづらそうで、ご飯も食べにくそうだし、寝苦しそうになる。おまけに中耳炎になりやすくなるとも聞いた(子どもの顔は小さく未発達のため鼻と耳管が近く、雑菌が耳に入りやすいと)。

もちろん1歳の子どもは自分で鼻をかむことなどできない。最初はティッシュでふき取っていたが、奥の方の鼻水はほぼとれない。

そこでドラッグストアなどで売っている鼻水吸い取り器を使っていた。チューブの先を子どもの鼻に入れ、大人が別のチューブから息を吸い込むことで、鼻水をボトルの中に落とす、というタイプのもの。

ところがこれ、使うとほぼ9割の確率で、私が風邪を引いた。

多分、私がチューブから息を吸い込むときに子どもの鼻水の中のウィルスや雑菌が、私の喉に直接付着したことが原因じゃないかと思う。

推測でしかないが、風邪の引き始めは喉にウィルスが侵入することから、とも聞いているので、あながち間違ってないのではないかと思う(ショッピングサイトでも同じように風邪をひいたというレビューが何件もあった)。

子どもは常にずるずると鼻水を出しているので、一日に何度も吸い取る。すると必ずその晩辺りから喉が痛くなり、喉が腫れて風邪をひくのだ。当時体力のなかった私は特に抵抗力も弱く、やられやすかったのだと思う。おまけに当時は風邪から副鼻腔炎に発展することがしょっちゅうで、かなりしんどかった。

そのお陰で鼻水を吸うことが怖くなり、ほったらかしていたら案の定子どもが中耳炎になってしまった。

ある日突然、子どもの耳からドロリとした青緑色の謎の液体が流れ出したときの恐怖は今でも覚えている(子どもはわりとあっけらかんとしていて元気だったが)。

「うわっ・・・!!!(引きつり顔)」と呟いたことも覚えている。

慌てていつも開いている「子育てハッピーアドバイス小児科の巻」(子どもが病気! 親ができることは?参照)を開くと、同じようなことが書いてあり、中耳炎になってしまったんだろうなと思った。

そして初めての耳鼻科に行ったのだが、耳の中をカメラで見せてもらえるようになっていて、ドロドロの謎の液体が膿であることも分かったし、溜まりまくっていた耳垢もとってもらえた(乳幼児の耳掃除はなかなか上手にできないので、耳鼻科でとってもらうのが一番だなとその時感じた)。

そして鼻水をとることの大切さを痛感したわけだが、子どもの鼻水を吸うたびにこちらが風邪をひいていては身が持たない。

そう思って色々検索していると、電動の鼻水吸い取り器というものがあるのを知った。

鼻水ごときにそこまで!? と思ったし、値段も約15,000円となかなかお高い。

しかしその鼻水吸い取り器は育児雑誌でも紹介されていたり、いちいち鼻水を吸い取るのが大変な母親に大変好評らしい。

かなり悩んだ。「鼻水ごときに電動の器械買っていいのか? しかも1万円超すし。昔の人はみんなそんなの使わずにやってたんだし、あまりに大袈裟なんじゃないか・・・。でもこれで風邪をもらうリスクは軽減できる・・・子どもも中耳炎になるリスクは減るし、これを買えばお互いいいことばかりなんじゃ・・・。でも15,000円だよ!?」

とほぼ10日ほど悩んだ。

それでも答えが出ず、夫にまで相談した。夫は「それで光汰(こうた、息子の名前)も中耳炎にならずに毎日簡単に鼻水もとれて、母ちゃん(と私は呼ばれている)も風邪ひかずに済むんだったらいいんじゃないのか」とあっさりとポジティブな答えを出してくれたので、買うことを決めた。

結果、買って大正解だった。

それまでは自分の顔を真っ赤にしながら何度も息を吸い込んで鼻水を取り、しかしいまいちとれたかどうか分からず、息の吸い過ぎで目の前がチカチカしたりしていた。自分のうがいもしなければいけなかったし、その上晩から喉が怪しくなり・・・というパターンだった。

ところが、やはり電動は凄い。細かい部品を洗ったり組み合わせたりが多少面倒ではあるものの、スイッチ一つでブイーーンと音を立てて、一気に鼻水を吸い取ってくれる。その速さと確実さといったら!!!

子どもはそもそも鼻にチューブを突っ込まれてじっとさせられるのが嫌なので、電動だろうが手動だろうが嫌がるから仕方ないのだが、嫌がらせた上に肝心の鼻水が取れなくてお互い疲れて終わることのあった今までと違い、確実に取れる。その意味で罪悪感も減った(嫌がるのに抱き込んでじっとさせることに申し訳ない、という思いがあった)。

私も鼻水を吸い取ることに抵抗がなくなり、子どもの鼻水が多い時は朝夕寝る前、外出から戻った時とかにしっかり吸い取るようにした。

すると、子どもの風邪もあまり長期化しなくなったような気がした。

私も風邪をひくことがなくなったので、万々歳。

特に夜中、鼻づまりで寝苦しそうなときはしょっちゅう泣いて起きるので、そういう時にすぐに使えるのが有難い。

今では、一泊出かけるときでも必ず鼻水吸い取り器をもっていくほど重宝している。

鼻水ごときにそんな重装備にするか、と笑われてもいい。コスパも十分見合っていると思えるほど、我が家では助かっているし、子どももあれ以来中耳炎にはならずに済んでいる。文明の利器に感謝。

ふと、昔の母親たちはどうしていたんだろうとよく思う。鼻水ぐらいとほったらかしていたのか、手拭いでふき取っていたのか、中耳炎になっても治るまでそのままだったのか・・・。

ほっといていいものなら構わないけど、中耳炎を繰り返したり、今後の耳の聞こえに影響したりすると怖いなと思う。

私の母に聞いてみたが、「そんなの忘れた」と。

鼻水、かなり大変だと思うのだけど本当にどうしていたんだろう。


【伏兵②鼻くそ × ベビー用綿棒】

子どもが生まれたての1か月の頃は、子どもの鼻の穴が小さすぎて、鼻くそが鼻の穴に詰まって、子どもがフガフガと苦しそうにしていることがよくあった。

呼吸するたびにブーブーと豚のような音を立て、それがずっとだから、どうにかしてやらないとと思ったものだ。

その頃はベビー用の小さい綿棒で嫌がる子どもの顔を押さえて、鼻腔内を傷つけないようにそ~っと鼻くそを取った。

これがなかなか難しく、下手すると鼻くそをさらに奥に押し込んでしまうことになる。そうなったらもっと呼吸が苦しくなる。

だから、うまくひっかき出せるようにとるのだが、強くすると鼻腔を傷つけるので、細心の注意を払う。

そうやって取れた時の達成感といったら、大きな仕事をやり終えた時ほどのものだった(決して大袈裟ではない)。

ちなみにその時に撮った鼻くその写真を嬉しさのあまり夫にメールしたりしていた(「よく頑張ったね」という返事をくれていた夫には感謝)。

その頃、鼻くその鼻づまりが頻繁だったのでどうしたらいいだろうと同じ月齢の子どもを持つママ友にメールで尋ねたりしていた。彼女も同じように四苦八苦していて、色々アドバイスをくれて助かったし、悩みを共有できて嬉しかった。

この時期、鼻くそにはかなり悩まされ、沐浴後(お湯の蒸気で多少取れやすくなるので)に綿棒で鼻くそと格闘するのが日課であり、結構負担だった。

鼻くそごとき、と思われるかもしれないが、初めての子を持つ母親にとっては真剣な悩みで、一大事だった。

それで鼻が詰まって呼吸困難になったらどうしよう、息ができなくなって窒息したら・・・とそこまで考えてしまうのだから。

しかし子どもの成長と共に鼻も大きくなり、2,3か月もするとそんな悩みはなくなったように思う。

最近では、私の指先程度なら子どもの鼻の穴に入るようになったので、鼻くそもとれやすいし、よほど大きな鼻くそでなければ、呼吸が苦しそうになることはない。

育児の中では、その時はかなり深刻に悩み奮闘して、それなりに対処法も身に着いたりするののだが、2,3か月ぐらいするといつの間にかその悩みがなくなり、また別の悩みに代わっている、ということが多い気がする。

だから過ぎてみれば「あの時は大変だったな」なんだけど、渦中にいる時は目が吊り上がるほどに必死だし、とにかく誰か助けてほしいと孤独を感じている(ちなみに最近の悩みは夜中に起こされて睡眠不足になること)。

だから、「子どもは何とかなるから大丈夫だよ」なんて上から目線のアドバイスを言われても、まったく響かないどころかますます孤独に追い込まれる。

そうじゃない、共感してほしいのだ。

今大変であることに。

今がとてもつらくて、しんどくて、どうしようもないほど追い込まれていることに。

大変だよね、しんどいよねって、分かってもらいたい。

それでも、目の前の小さな命を育てているのは自分だから、ここから逃げるわけにはいかないし、大変さをしのぐ愛おしさと、可愛らしさがある。だから頑張るしかないのだけど、でもやっぱり大変で、しんどいのだと。

子どもは可愛いけど大変で、大変だけど可愛いくて。

こういうところが、育児の大変さなのかもしれない、と思う。

きっと、どの母親も同じような思いなのではないかと思いを巡らせる。


それにしても、育児する中で鼻水、鼻くそにここまで大きく手間取られるとは、妊娠中には思いもしなかった。

きっとこれからも、こういう思わぬ伏兵がたくさん潜んでいるのだろうな…と思う。そうなったらまた書いてやろうとも思う。


この投稿は一人の母親として書く主観的なブログであり、記事ではありません。たまにどぎつい感情表現、雑な文章もありますので、それでもいいという方はご覧いただければ幸いです。

<<前の記事:現場を知ってる    育児中の思わぬ伏兵、爪切り:次の記事>>