腰痛は30年来の“勘違い”のせいだった!

投稿者: 堀米香奈子 | 投稿日時: 2017年06月02日 05:06

4月末頃にぎっくり腰を発症し、ほぼ寝たきりで数日を過ごしました。その後もなぜか痛む部位が次々に移動して、2週間以上家から一歩も出られず、受診もままなりませんでした。約1カ月たってようやく整形外科に出向き、自分が普段の「姿勢」をいかに軽く考えていたか、気づかされたのでした。


なぜ痛む部位が移動したのか


症状をざっくり振り返ると、最初のきっかけは、自転車に乗ろうとした時に、腰がすこしグキっとしたことでした。違和感が残ったものの、予定をこなすのに頭がいっぱいで、だましだまし1日過ごすうちに、夜になると痛みが激しくなり、翌朝はベッドから起き上がることもできなくなっていました。一気に来た感覚ではなかったので、ぎっくり腰かどうか確信は持てませんでしたが、同じようなことが数年前にスキーへ行った翌日に起き、2~3日で回復したので、経過をちょっと甘く見ていました。


ところが数日後、痛みは続きつつも家の中は歩けるようになっていたこともあり、外出の必要に迫られて10分程度の距離を歩いたのが良くなかったようです。それまで腰の左側が痛みの中心だったのに、どんどん右側に痛みが出てきて、翌朝には、再びベッドから起きられなくなってしまいました。そしてそれ以後、1~数日ごとに痛む場所が、どんどん移動していくようになり、2週間以上、外出できませんでした。


いずれにしても、基本的に座っているのはつらく、ベッドもNG。なぜか立っている方がまだ楽なのですが、ずっと立っていても下手に動くと激痛が走るため、立ってじっとしていると体の他の部位が疲労してきます。仕方がないので床の上に寝ていましたが、ただ寝ていて痛むので、片足ずつソファーと椅子にそれぞれ乗っけておく、というなんともみっともない状態で悶々としていました。それでも疲労から5分と同じ姿勢でいることができず、ちょっと動くだけで痛みます。深く息を吸い込むだけでも腰に響いて、八方塞がりとはこういうのをいうのだな、と妙に納得したものです。


発症から約1か月後、痛みはあったもののだいぶ歩けるようになったので、受診して整形外科医へ。そこで見せてもらったのが、全身に張りめぐらされた神経の図です。
全身神経.jpg
gooヘルスケア


当たり前ですが、腰のあたりから出た神経が、左右に拡がり、さらには足の方までつながっています。その図の通りに医師が、腰からの神経に沿って脇腹や腰の下方、さらには腿の裏側、ふくらはぎまで、「ここはどうですか?」と順々に押していくと、それらの部位がことごとく痛むのです。ふくらはぎの方まで痛むとは、自覚もありませんでした。神経のつながりをここまで自分の体で実感する機会などなかったので、痛みもそっちのけでとても興味深く思いました。


「どうして痛む部位が移っていくんでしょうか」と聞くと、「こうして神経がつながっているから、痛みが伝わってしまう。痛みを感じると、筋肉は緊張して強張り、さらに神経を刺激してしまうんです」とのこと。よく痛みは放置しないで、早めにとった方がよい、と言われますが、それはこうした理由なんですね。悪循環の典型例だった、というわけです。


原因は「反り腰」という「間違った良い姿勢」


「どうしてこんなことになったんでしょうか」と聞いてみると、医師から「ちゃんとした姿勢で座ってみてください」「ちゃんとした姿勢で座ってみてください」との指示。そこで背筋を伸ばして立ってみたり、椅子に座ってみたりしたところ、「はい、その姿勢がいけないんです」と言われてしまいました。自分としては、背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、きちんとまっすぐ座っているつもりなのに、それが原因と言われてただただびっくりしてしまいました。腰痛は、姿勢が悪いから起きるもの、と思っていたからです。


私の姿勢は「反り腰」というもの。自分が普通の姿勢、良い姿勢だと思っていた姿勢は、実は背中が普通以上に反り返ってしまった、間違った姿勢だったのです。
反り腰.jpg
ライズ整体院


本来の正しい姿勢は、壁に背を付けて立った時に、壁にほぼぴったりと背骨がお尻の方までくっつけられます。ところが私は、腰の位置が壁から離れて浮いている状態にしかなりません。壁と腰の間に握り拳が一つ入るくらい空いてしまうのです。同様に、仰向けに寝た時には、腰のところが浮いてしまいます。背骨はS字を描いているイメージがありましたし、お尻が大きいせいだから仕方ない、普通だ、くらいに思っていました。ところが、これではS字のカーブがきつすぎるのです(そもそもお尻が後ろに突き出てしまっている、というのも、反り腰の人の特徴なんだとか)。本来S字はごく緩やかであるべきなのですが、反り腰では、腰のところで急カーブを描いているために、そこに負担が集中し、炎症を起こして神経を刺激し、痛みを生じているのでした。


整形外科の医師は、私に欧米の美しいファッションモデルの写真を見せて、「すごく立ち姿が美しく見えますが、この人たちもあなたと同じで、間違った立ち方をしているんですよ」と解説してくれました。どのモデルの女性もスタイルが良く、問題があるとは感じられません。それだけに、衝撃的でした。


どうして「反り腰」になってしまうのか。体に何が起きているのでしょうか。


一つ言えるのは、「お尻や太ももなど、骨盤を後側に倒す筋肉が弱っている」ということだそうです。骨盤が前方に引っ張られ、それに対して体はバランスを取ろうと、体を後ろにそらしてバランスを取ろうとします。その結果、腰の骨のカーブが正常範囲を超えてきつくなってしまうのです。長年、その間違った「よい姿勢」の取り方を続けてきて腰に日常的に負担がかかっているところに、加齢や運動不足で筋肉が弱まってくれば、腰への負担はさらに強まって、いつ腰痛が発生してもおかしくない状態に陥ります。


私は受診前から、腰痛の原因は運動不足と加齢だろうなと予想していました。歳とともに筋肉が衰えてきたことが要因だろうな、と。日頃全然運動をしてないからです。子供が野球を始めてからは、私も試合の手伝いに同行するのに自転車が必要になり、自転車を購入してからは歩く距離も以前より大幅に減っていました。そして実際、ここへきてぎっくり腰になったのは、「骨盤を後側に倒す筋肉」が以前にも増して弱ってきている、ということなのでしょう。


ただ、運動不足や加齢以外に、「良い姿勢」「良い座り方」と思い込んで小学生の頃から意識的にやっていた姿勢に問題のベースがあった、というのは非常にショックです。反り腰は、要するに背中を反らしすぎの状態です。小学校でも、背中を丸めていれば「姿勢が悪い」と注意されるのに、背中を反るほどに伸ばしていても、だれも「そのやり方は間違っている」とは教えてくれません。むしろ、「姿勢が良い」と褒められるくらいです。それが将来、腰痛のベースになるとは、誰も想像していないのではないでしょうか。


実際、30年以上を経て、「正しいと思ってやっていた間違った姿勢」がいつの間にか癖になって、それ以外出来なくなっていた、というのが今の私です。自分としてはただただ普通に立っているつもりなので、「それがいけない」と言われても、今更どう立っていいか分からない。医師の指示を受けて、正しいとされる立ち方をしてみたのですが、腰への負担は確かに軽く感じるものの、全身がすぐ辛くなります。きっと「反り腰」を前提に、筋肉がついてしまい、逆に、「反り腰」でない正しい立ち方をするための筋肉は鍛えられないまま来てしまったからでしょう。


改善のための立ち方、座り方、寝方


私も自覚がなかったのですが、「反り腰」による腰痛かどうか判断するチェックポイントは、以下だそうです。

・腰を反るのがつらい。
・仰向けにねると腰が痛い。膝を立てると楽になる。
・うつ伏せになると腰がいたい。
・横向きに寝るのが楽、横向きしか寝れない。


私は全て当てはまっていました。そういう人は、立つときに、以下のようなことを意識するようにするとよいそうです。(そうはいっても、長年の癖ですから簡単には直せませんが、意識するだけでもかなり違うそうですよ)

・胸を張るというより、体の奥深くにある腹筋に力を入れて、お腹を少しへこませるようにしたうえで、両肩を後ろに少し引くようにする
・天井から糸でまっすぐ引っ張られているようなイメージを持つ


座り方についても、大きな勘違いをしていました。仕事柄、パソコンに向かって座り続ける時間が長くなりがちなのですが、間違った座り方をしてきたことが、今回のぎっくり腰につながっているのは否めません。猫背はいけないと思い、椅子に浅く腰かけて背筋を伸ばすようにしていたのですが、これも医師からNG。正しくは、深く腰かけて、お尻から腰の下方をしっかり背もたれに沿わせる、というものでした。
反り腰 座り方.png
ていね整体院

私も医師の前で言われるようにやってみるのですが、どうもうまく行きません。すると、よい方法を教えてくれました。「足を組んでみてください」と言うのです。脚を組む癖はあり、すんなりできるのですが、「骨盤が歪んで姿勢が歪むからよくない」と思ってきたので、これもとても意外でした。「そんなことありませんよ、両方の尾骶骨の下に手を置いて座り、脚を組んでみてください。両方の手に、均等に体重がかかったままですよね。バランスは全然崩れないですよ」とのこと。実際、両手とも同じ重さを感じますし、腰はとても楽でした。


また、正座も「反り腰」だと間違ったやり方になり、かえってよくなとのこと。正しい姿勢が一番、と思って、あえてローテーブルの前に正座してパソコンを打ったりしていたのは、かえって症状を悪化させていたのです。


さらに、寝方にもコツがありました。やってみたことで、一番良くなかったのが、うつぶせ寝です。ますます腰をそらした状態になるからです。ベッドに寝ていたら悪化したので、それまで1カ月近く私は床で寝ていました。その間、両足を上げてそれぞれ椅子とソファの上に載せていたのは正解だったようですが、やはり体は全然休まりませんでした。ベッドの上で、脚を枕や布団などで高くしてもよかったらしいですが、医師曰く「うまく行きませんよ。動いたらすぐ脚が下に降りてしまうから」とのこと。確かにその経験はあります。もっと良い方法は、「胎児姿勢」と教えてもらいました。仰向けに寝るのは諦め、体の左右どちらかを下にして、膝を曲げてひきつける形です。
反り腰 寝方.jpg
鍼灸いちご治療院
さっそくその晩から試すとなかなか具合が良く、私は1カ月ぶりにベッドで寝られるようになりました。


医師曰く「腰痛が出たら、一番いいのは寝ていることです」とのこと。確かに、正しい姿勢で寝ている限り、痛みは治まってきます。でも、そうばかりはしていられません。仕事では一定以上の時間座っていなければなりませんし、家事は基本的に立ち仕事、力仕事も意外に多いのです。ただ私の場合、痛みで動けない、外出できない、という理由で、受診が遅れ、原因が分からないまま過ごしていたので余計に回復が遅れたと反省しています。座り方、寝方など、もっと工夫できることはありましたし、筋肉の傷みに消炎剤を張ったり塗ったりするだけではなく、やはり腰の炎症を抑えたり、筋肉の強張りを取る内服薬を服用する方が治りは早くなります。


また、「反り腰は女性に多い」とのこと。ハイヒールなどを履くと体重が前にかかりがちになり、バランスを取るために体を後ろにそらそうとするから、という理由らしいです。足の指の付け根にタコができている人も多いようです(私にもあります)。腰痛予備軍はかなり多そうですよね。反り腰に当てはまりそうな人は、立ち方、座り方、寝方を工夫して予防するのがお勧めです。とにかく、ぎっくり腰は辛いです。自力で起き上がれない、動けない。本当に困ります。反省を込めて、私も完全に治すように努め、普段から予防を心がけたいと思います。

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