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それゆけ!現場リポート①


市町村ごとに大格差

飛渡ケアマネジャー 私からは重度の認知症の方の件です。介護保険は家族が仕事を持っていても仕事を辞めることなく、慣れた家で認知症の方も生活できるための制度ですが、ショートステイを利用したら、「この人は1泊が限度です」と受けていただけないこともあるんです。入院しても数カ月という縛りがあるので、家族も仕事をしないと保険料も利用料も払えないのに、どうしたらいいのかということです。
長尾 認知症対応の社会資源があまりにも貧弱だね。
飛渡 そうです。もう一つ、ケアマネジャーの業務が広がって、自立支援もプランの中に入ってきてます。障害者自立支援法で市町村がやっている地域生活支援事業があります。あの判定が市町村によって大きな格差があるんです。同じ状態の方でも市によって判断が違って、受けられるサービスが違います。
梅村 それはどこで決めてるんですか。
飛渡 障害福祉課に申請に行き、違いが分かりました。
長尾 自治体によって縦割りが激しくて、全然違う国みたいになってて。ましてや都道府県が変わったら全然違う。
梅村 例えば最近、地方分権をすればバラ色みたいに言われています。地域のことは地域で決めると。でもそれを突きつめていったら、あらゆる分野でこれが起きるということです。こういう格差がこれからどんどん起きてきます。でも逆に国が全部やったら窮屈な制度ができてきます。難しいなと思います。でもどこかで必ず活かせるようにします。

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