「認知症の私と輝く大賞」 2月27日、お越しください~ハート・リング通信㉖
ハート・リング運動専務理事 早田雅美
国は昨年1月に「新オレンジプラン」という国家戦略を発表し、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現をめざす、と発表しました。「認知症にやさしい社会」にしよう、というものです。
でも、それは具体的にはどういうこと? 誰が何をしたら近づけるの? それを皆で考え、皆で選び表彰し、地域に還元しよう、という取り組みがスタートしました。
認知症になったご本人や、認知症に関わる様々な団体が委員として参加し立ち上げた「認知症の私と輝く大賞」がそれ。厚生労働省の調査研究事業です。
実は、私たちハート・リング運動も、その企画から深く関わってきました。
これまで、認知症は社会の大きな誤解の中に置かれていました。「認知症になると何も分からなくなる。何も感じなくなる。認知症は恥ずかしい病気」という誤解です。専門医は「これらはすべて誤解です」と言います。
認知症という生活障害を持ってしまっても、意思を持ち、夢を持ち、自分の好みやペースに従って、充実した人生を送っている方の話を最近多く聞けるようになってきました。そうした方の多くは、お世話される人、お世話してあげる人という関係を抜け出して、周囲や地域の人たちと良きパートナーとしてお互いを尊重し合って、充実した暮らしを実現している場合が多いようです。
「輝く大賞」では、まず今年全国から認知症の方が輝いていると思われる取り組み5事例が紹介されます。さらに大学の研究者によって、地域の取り組みをどういう視点で評価したらよいかという「評価指標」についての研究も発表される予定です。認知症の方を中心として自分らしさを保っていきいき暮らす(=輝く)事例のまとまった紹介は本邦初。小さな取り組みでも、それが紹介されることで、同じような活動が全国に広がり、やがて「認知症にやさしい社会」が作られてゆく。そんな成果を期待したいと思います。
当日は、認知症にやさしい社会を考えるパネルディスカッション、認知症の方による楽器演奏や合唱なども予定されています。入場は無料ですので、関心をお持ちの方は、お申し込みの上、ぜひご来場ください。