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エイジフリー社会をめざす 国民ブランドのパナソニック~ハート・リング通信㉗

ハート・リング運動専務理事 早田雅美

 テレビやエアコン、カメラ、パソコン、住宅、システムキッチンなどなど、パナソニック製品のお世話になっていないという家庭は珍しいでしょう。
 そのパナソニックでは、1998年から「パナソニックのエイジフリー」という介護・福祉関連事業を展開しています。今回その斉藤裕之・事業推進部長にお話をお聴きできました。

 「日本ではバリアフリーという言葉が一般的でした。そうした環境からの視点だけではなく、超高齢社会を迎えた日本に今求められていることは、世代によって様々に直面する体の変化や、暮らし方の変化を充分に検証した上で、そこからどうしても発生してくる問題を取り除いていくこと、それが"エイジフリー"なのです」

 事業では今年2月現在で、各種のデイサービス、訪問介護や訪問入浴、ケアマネジメント、ショートステイなど主に在宅向けの介護サービスが全国に123拠点。サービス付高齢者向け住宅24拠点、介護付有料老人ホーム3拠点の他、全国に介護ショップ118店舗を展開しています。また、認知症への対応機器として、ベット上の「生体センシング見守りシステム」、室内の「スマートエアコン見守りシステム」、玄関前の「顔認証システム」の他、その高齢者の人生を写真で回想する「自分史回想アルバム」なども開発中だそうです。

 「横断歩道の信号機は、人が秒速1mで歩くものとして設定されているのをご存じですか? ご高齢の方、障害を持つ方など秒速1mで歩ききれない人はたくさんいます。認知症も含めてですが、私は人が老いを迎えて、できたことができなくなっていくことは、恥ずかしいことではなく、自然なことだと思っています。私たちの考え方の基本は、単にモノづくりをするのではなく、高齢者やそのご家族に合ったサービスや製品を企業の総合力で提供していくことなのです」

 斉藤部長の幅広く深い知見と温厚な人柄にとても感動しましたが、安心の国民ブランドとも言える企業が介護や福祉分野に本格的に乗り出していることにもチカラ強さを感じました。

 「もっとこんなサービスがあったらよいのに」、「こんな製品はできないものか」、そんな市民ニーズと企業を結ぶことも、私たちハート・リング運動の大切な役割だと改めて感じました。

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