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レビーフォーラム2016が都内で開催されました~ハート・リング通信㉟

ハート・リング運動専務理事 早田雅美
アルツハイマー型認知症に次いで患者数が多く、最近では「第二の認知症」とも呼ばれているレビー小体型認知症に対する理解を深めるためのフォーラムが、11月はじめに都内で開催されました。
 「レビー小体」とは、神経細胞に出来る特殊なタンパク質です。レビー小体が脳の大脳皮質(思考する際に中枢的な役割を持っている場所)や、脳幹(呼吸や血液の循環に関わる部分)にたくさん集まり、その場所で、神経細胞が傷害され減少してしまいます。その結果、認知症の症状が起こります。同じようにレビー小体を原因とする代表的疾患として、パーキンソン病があります。

 今から40年前の1976年に、この認知症を世界で初めて報告したのが、ハート・リング運動設立者の一人でもある小阪憲司・横浜市立大学名誉教授です。ちなみにアルツハイマー病が発見されたのは、1906年です。

 フォーラムの尾崎純郎事務局長の説明によれば「レビー小体型認知症は、アルツハイマー型と違う特徴がいくつかあります。まず『幻視』です。そこに実際いない人や動物・虫などが、ありありと動いて見えます。たとえば、『居間に知らないお客さんが上がり込んでいる』『テレビの横をヘビが這っている』『ご飯の上で羽虫がたくさん動き回っている』などといったものです。次に、転びやすくなったり、動きが鈍くなったりする『パーキンソン症状』です。3つめに『認知機能の変動』があります。これは、頭がボーッとした状態とシャープな状態が、波のように変動するものです。この他にも、特徴的な症状として、『立ちくらみ』や『夜中の大きな寝言』『うつ症状』『薬に対する過敏性』などが挙げられ、アルツハイマー型と異なり、初期・軽度では記憶障害の軽い人が多くいます」とのことです。

 実際私が介護している母親も「レビー小体型認知症」と診断を受けてから今年で8年経ちました。妻が盛り付けた食事の中に「虫がいっぱいいる」と言い出して大喧嘩になったリ、元気そうであるのに玄関ドアや窓を開けたまま外出して妻や家族とトラブルになったりを繰り返していました。「レビー小体」がなせる業であるにもかかわらず、家族に責められ続けた時間は、母にとっては気の毒でした。

 尾崎事務局長は、言います。「レビー小体型認知症は、早期発見・早期診断・早期治療がその後を大きく左右します。正しい診断と適切な薬の処方などによって、症状を軽減させたり、その後の病気の進行を遅らせたりすることもできるからです。レビー小体型認知症をよく知っている医師、レビー小体型認知症の介護に長けた介護職が傍にいれば、患者さんや家族の暮らしはとても豊かになります」

 ご家族に思い当たることを感じた方は、レビー小体型認知症に詳しい医師にご相談されることをお勧めします。

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