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特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

高齢化は悪いことではない 2周目の人生も緩やかに現役で

梅村 なるほど。話を医療に戻しますと、医療も本来何のためにやっているのかと実質を見失ってはいけないと思うのです。大切なのは患者をどう健康にするかです。実質の方から考えたら、遠隔診療もそうだし、ITもそうだけど、患者のためにどう使うかを考えるべきです。医療界の重鎮が反対を続ければここ何年かは避けることができるかもしれませんけれど、いずれなくてはならないものになると思いますよ。だったらむしろ医師の視点でITをどう上手く使うか考えていく方が賢いですよね。

江崎 同感です。

梅村 こういう発想が、やはり医療界は弱いと思います。医療に関して様々なステークホルダーが色々なことを主張されています。だけど今言っていることを、次の世代や次の次の世代に対しても同じように言えますかと訊かれたら、僕はなかなか難しいと思っているんですよ。

江崎 我々には、次の世代に渡すこの社会をより良いものにしていく責任があると思っています。昔作られた制度のままでは対応できない問題があっても、その制度に関わっている人たちにとっては居心地が良いことは少なくありません。しかし、制度全体を外から見たら、危機的な状況にあることがよく見えます。まずは、人生90年時代になることを前提に、社会システムを直すと同時に、医療サービスの在り方が変わるべきだと思います。超高齢社会を素晴らしいものにするために、厚労省や医療界の皆さんと一緒に、新しい仕組みを作っていけたらいいなと思っています。

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