逆鱗(ゲキリン)~不在のポスト~その2

投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2006年09月23日 20:47

院長は私にだけは連絡を取りませんでした。
明らかに避けていました。
院長室から電話しても出ないし、他の人を入院先に呼んでも、院長室にいた私にだけは連絡がありませんでした。

ミスターMさんから、私は院長室の電話もとらなくていいと言われました。

だた、曲がりなりにも私は入院直前まで院長のスケジュール管理をしていたわけで、
ミスターMさんから、

「院長の所に行くから、連絡事項をメモにしてください」

と唐突に言われて、何をどこまで書くべきかもわからず、
取り急ぎその日の予定を知らせてどう対応するか、
その選択肢などを箇条書きにしたメモを渡しました。

それを、ミスターMさんが院長のところに持参するのですが、院長から返事や指示は一切ありませんでした。

ところが、突然院長は、

入院から6日目に(知らなかったのは私だけだったのですが)院長室に姿を現し、
総務課全員と、局長(医療法人の財務を担当していました)や元秘書など総勢10名近くを院長室に集合させました。

ここで院長は、その会議の初めから終わりまで、
いかに私が院長の感覚に無神経で、病院の中で役に立たない存在か、
こんこんと説明しつづけました。

私がどさくさにミスターMさんに渡したメモを、そこにいる全員の前でぐしゃぐしゃにしながら、

「この内容を見ても俺のことが何もわかっていないのがよくわかる。
この程度の仕事しかできない奴は、いない方がましだ」

と破り捨てました。

「あんたがいると邪魔で仕方ない。俺が身体を壊して病気になってしまう」

立場が違う総務課の若い新人女性職員の名前をあげて、

「○○の方が、今の俺にはよっぽど役にたつ」

と言い捨てました。

直接関係のない人が大勢いる前で、まるで吊るし上げ、言葉の強打に、
私はただ呆然としていました。

何を言われているのか、よくわかっていなかったのかもしれません。
だから涙も出ませんでした。

その日から、私は総務人事担当に異動になりました。

数週間前、出張のついでに、同行した私の実家に立ち寄って微笑みながら母とお喋りしていた院長とはまるで別人格の院長がそこにいました。

つまりそういう形で私は、病院に採用後三ヶ月と少し過ごした院長室を追い出されたのでした。

次回に続きます。

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コメント

この院長は多少分裂気味なのですね!?
頭の良い人間には時にこの様な人がおりますからね。
しかし包容力が欠けている。多分、そうした環境を経験しないで、知識と頭の良さだけで大人になってしまわれた様な気が致します。
それにしても、テンガロン娘、よくぞ辛抱しましたね。
偏った知識や教育は第三者を不幸にするものだと感じます。
精神的ストレスは健康を害しますから心しなくてはなりませんね。
苦しみを克服するには二つの方法がありますね、
堪え忍ぶか、そこから離脱することです。
可愛さ余って憎さ百倍の部分も有る様な気が致します!!、、、。

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