第14回

投稿者: | 投稿日時: 2006年10月04日 14:32

「ああ、これから手術を受けるのだ・・・」
運ばれてきたストレッチャーから手術台に移されたとき、
急に現実と直面した。

手術室には何人ものスタッフが居て、それぞれがそれぞれの動きをしている。
布一枚をかぶされただけの自分が、突如心細くなった。

麻酔がはじまった。


まだ意識は十分にある。医師たちの会話も聞こえてくる。
若手の麻酔科医が右手首に注射針を入れようとして、なかなかうまく入らない。

「痛いっ。」
どこにさされたのか不明だが、とにかく間違った場所に入れたらしい。
痛さのあまり右腕が上がった。
そのときに腕の筋を痛めて、そのあまりの痛さに手術直前であるという現実を忘れた。
指導医らしい麻酔科医が慌てて交代していたのがなんとも“実験台”っぽく、
ここは大学病院だったと再確認。

背中に入れる麻酔は、怖がる私の体のほうが反射してしまい、
なかなか入っていかない。


手術前の悪戦苦闘をしているうちに、


気がついたら手術は終わっていた。


「時間通り。完璧だね。」
主治医の明るい声が聞こえてきて、
自分の意識が戻ったことに気がつく。

麻酔のときにいためた筋は、まだ痛い。


そして、
次に気がついたときには、すでに回復室に移されたあとだった。

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コメント

何時間くらいかかったのでしょうか。
経過はいかがだったのでしょうか。
続きが、また非常に気になります。

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