ブルーカード

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年07月09日 15:29

ロハス・メディカルも首都圏のみで発行しているので
えらそうなことは言えないが、東京独り勝ちと言われて久しい。
地方の場合、人が少ないというハンディは確実にあるので
東京と同じことをしていては東京に勝てない理屈だ。


本日は長野発祥の面白い取り組みを一つご紹介したい。


ご紹介したいのはブルーカード
地域の共通ポイントカードである。
長野のほか、愛媛、岐阜、山形でサービスを行っているという。


これはコロンブスの卵ではないだろうか。
恥ずかしながら
同業他社に対する消費者囲い込みというサービスの性格上
店ごとにポイントカードが存在して当然と思いこんできた。
だが、消費者からすると不便この上ない話で
どこの店でも同じカードが使えて
ポイントをどの店でも使える方がよいに決まっている。
最近では電子マネーが共通に使える店舗と特典を競っているが
これもいくつかの陣営に分かれていて
どこでも使えるという訳にはいかない。


店側からしても
自分だけポイントサービスをしていれば差別化の武器になるだろうが
どこの店でもやっているとなると
運営コストが余計にかかるのでポイントシステムは負担のはずだ。


ブルーカードに関して
うまいこと考えたなあと思うのは
同業他地域に顧客を逃がさないよう囲い込みをかけている点である。
地域内に激しい競合がない地方の「弱点」を逆手に取っている。
システムのンフラを共用しているので小さな事業者も参加できる。


はてさてこの絵を描いた知恵者は誰だろう
と運営する会社のことを少しwebで調べたら
ストアコンソーシアムジャパン」というのにブチ当たった。
しかし、なんとこの会社倒産したらしい


普段はいちいち引用しないのだが
相手が倒産しているので
参照先がいつ読めなくなるか分からない。
ちょっと丁寧に載せておく。


採用方針・概要

「ストアコンソーシアム」

 社名の通り、当社は加盟各社の協業化(コンソーシアム化)を目指し、単独では実現することが難しかった加盟各社の集積情報をもとに、販促・戦略の総合提案及び実施支援を行なう事業体です。このあり方は、VC(ボランタリーチェーン)的発想の新しい企業グループ作りを、長期的なスタンスで実現していくものであります。
 消費者志向が多様化する中で、企業1社で顧客を固定化し、事業拡大することは困難であり、地域別・業種別コンソーシアムの形成と活用は今後の企業活動に不可欠なものになります。
 加盟法人・消費者・コンソーシアム・当社それぞれがWinWinとなる方法論を見出し、そのための手法・機能を提供する。この非常に難しい命題に常に可能性を模索できる創造性と、その実現に向けた長期的継続性が当社スタッフに最も必要な資質と言えます。
 またこうした新しい切り口での事業展開において、IT/システム分野だけの知識・経験、マーケティング分野だけのノウハウは、それ単独でなんの力も生みません。システム マーケティング を複合的に捉え、それを各加盟法人と共に実施支援(アウトソーシング)できる(しようとする)人材像を、我々ストアコンソーシアムは求めています。
 まだ設立5期のベンチャービジネスのように捉えられることがあります。しかしながら当社は、各加盟法人の顧客台帳を預託され、その運用を代行するというベンチャーでは収まらないポジションを担っています。各法人との長期的・絶対的信頼関係を構築・維持する責任感と行動力を長期にわたり発揮できる そんな方々の積極的なご応募をお待ちしています。
 

ストアコンソーシアムジャパン株式会社
代表取締役社長  斉藤 隆秀


続いて倒産の情報。


最新の倒産情報07/7/5 京都府 日晶建設工業(株)  事業停止→破産手続開始申立へ

07/7/8 宮城県 (株)菅原建設  弁護士一任、事業停止

07/7/2 北海道 (有)アーバンエステート  事業停止

07/7/2 東京都 (株)げんこつ屋  事業停止、弁護士一任

07/7/4 愛知県 (株)芝建  民事再生手続開始申立

07/7/5 岩手県 おりお(株)  弁護士一任

07/7/4 香川県 (株)山本建設  事業停止→破産手続開始申立へ

07/6/29 東京都 ストアコンソーシアムジャパン(株)  破産手続開始決定


いったいどういうことだ? とさらに調べると
こんなことがあったらしい。

全国書店新聞 5月11日号記事 2003/05/11記事一覧 全国書店新聞一覧 【 会員制カード発行で「再販崩す考えない」 】

出版物小売業公正取引協議会は5月1日午後3時から書店会館で、三省堂書店とストアコンソーシアムジャパン(SCJ)との共同運用による会員制カード「CLUB SANSEIDO」発行についての説明を受けた。

この日、三省堂書店から森常務、SCJから斉藤社長、川野副社長の両氏が出席。

協議会からは萬田会長、下向副会長、影山専務理事、岡本顧問ほかが出席した。

説明のなかで、森常務は「同システムの導入は顧客データの蓄積、客注処理の効率化が目的で、ポイントの提供で再販を崩す考え方はまったくない」と述べ、SCJの川野副社長は「顧客台帳づくり、サービス提供の原資はSCJが負担する。

アウトサイダーの立場にあり、再販契約や公正競争規約には抵触しないと考えている」と発言した。

これに対して、影山専務理事は「今回の企画運用は共同の行為であり、ポイントシステムの3点、追加企画のプレゼントとの交換などで、このサービスは景品類の提供に該当する」との判断を示した。

また、景品規約の最高額については許容の範囲内となっているが、景品提供の期間制限は年2回、60日以内となっており、その範囲を守ってもらうよう再考を求めた。


ストアコンソーシアムジャパンが当初描いたビジネスは
こんなこと のようだ。

<導入事例> 【ストアコンソーシアムジャパン株式会社様】 OCAとのコラボレーションにより、 ASPによる書店向け業務支援システムの円滑な運用を実現。 顧客と商品を最適に結ぶインフラとして、流通業に必要な店舗・チェーン本部システムを、すべて「インターネットシステム」で提供しているストアコンソーシアムジャパン様。 同社は、書店運営に必要な業務システム一式をASPで加盟書店に提供し、各書店及び店舗の顧客管理から在庫管理まで一貫したサービスを行っています。 この度OCAは、同社の業務システムの一部であるインターネットPOSシステム(Custom2)について、製品調達・キッティング・設置・コールセンタ・オンサイト保守・部材管理のサービスをトータルに提供させていただいています。

【自社開発のインターネットPOSシステムを自社運用するには、コスト面で大きな課題が…。】

ストアコンソーシアムジャパン株式会社
代表取締役社長
斉藤 隆秀 氏 当社のビジネス形態はいわゆる“ASP”型と称されるタイプです。インターネットを活用し当社構築のデータセンターとお客様を結び、様々なサービスをご提供しています。 当社のお客様、流通業を営まれている各種業態の事業会社様に最適なソリューション、ローコスト・オペレーション、精度の高い管理機能をご提供することにより、最終的にはエンドユーザーである生活者に最適なサービス、情報、商品を提供するお手伝いをさせていただいています。

これを実現するために当社はPOSシステム、顧客管理、単品在庫管理、受発注機能などを開発いたしました。 問題はネットを介したとしても必然的に発生する各種機器の保守・運用です。 万が一のトラブルに対して、全国にいらっしゃるお客様をいかに迅速にサポートし、お客様業務遂行の妨げにならないことが求められます。 しかし、24時間365日の対応を求められる業務を完全に自社内で完結させることは、お客様のコスト増を招きかねません。

これを解決するために当社が選択したのが、保守・運用業務のアウトソーシングでした。 そこで、全国にネットワークを構築し、保守・運用業務において高い評価と実績を持つ沖電気カスタマアドテック(OCA)との協業が最適なパッケージとなったのです。

OCAの全国をカバーするサービスネットワークと、保守・運用サービスにおける実績を高く評価。
お客様にご導入いただいた当社のサービスを効率的に、かつ安定してご利用いただくためには、万が一のトラブルにいかに短時間で対応できるかにつきると考えています。 そのために必要なものは、全国津々浦々に張り巡らされた保守ネットワークと、お客様からの第一報に対して常に対応可能なコールセンターに集約されると考えました。

もちろん、保守ネットワークを効率的に機能させるノウハウも言うまでもないでしょう。 これらは一朝一夕に構築できるものではなく、長年の実績からしか生まれないものです。 そうした高度な期待のもと当社が選択した手段が、全国にネットワークを構築し、保守・運用業務において高い評価と実績を持つOCAとの協業でした。

各書店業務から、顧客管理、在庫管理までのトータルなサービスをASPで提供。
書店業界向けの当社システムを例にご紹介します。
書店様において必要となるあらゆるサービスをご提供している当社ですが、安定した稼動が最も求められるのがPOSシステムです。その保守・運用管理がひとつのキーポイントになっています。

OCAの迅速できめ細かなサポートはお客様からも高い評価。
また、当社もコア・コンピタンスに集中できる環境を実現。
POSをはじめとする各業務システムは24時間365日の対応が求められます。アウトソーシング以前はすべて自社内スタッフによる対応を行っていました。
クライアントからのファーストコールから社内でインバウンド。
オンサイト保守時、手取り足取りの技術支援を電話対応。
しかし、クライアント数の増加とともに社員のシフトを組んでの対応にも自ずと限界が訪れました。
OCAへのアウトソーシングにより、
クライアントからのファーストコールはOCAコールセンターでインバウンド
コールセンタースタッフにスキルトランスファを実施させていただきすべてのシステムのファーストコールを担っていただいております。スタッフの方のスキルレベルがとても高く、臨機応変な対応をしていただくので弊社は主サーバー側の保守に徹することができ大変助かっております。
また、お客様へのCE派遣についても、コールセンター主導でディレクションしていただくことで迅速な対応が可能となりました。
オンサイトの対応はコールセンター主導型のディレクション
コールセンターからのCEの方への技術支援についても、標準化された最適な情報を発することで、混乱無く全国各地での対応に大きな効果を発揮していただいています。これらにより、POS本体の障害など、緊急性の高い対応についてもクライアント様がストレスを感じることはほとんどありません。

24時間対応の必要なインターネットタイプのシステム運用ですが、OCAにアウトソーシングすることで、クライアント様からの“信頼”をいただけるサービス提供が実現しました。そして、私たちはお客様の求める業務システムの開発・提供に専念することが可能となりました。

当社のASPサービスの拡大とともに、今後もOCAとの良好なコラボレーションに一層の期待。
当社のサービスはPOSシステムのご提供に留まりません。また、ここでご紹介した書店業様以外の様々な流通業の皆様にもサービスをご提供しています。
つまり、現時点におけるOCAと当社の関係はさらに拡大するだけではなく、また新しい業界向けあるいは新しいサービス提供に伴う、新たな保守・運用体制を構築していくことになると考えています。

そこでは、これまで以上にOCAの豊富なノウハウ、より機動的な運用態勢が望まれることとなります。
OCAとの協業を通して、当社もお客様からのさらに固い信頼を得られるべく成長を目指してまいりたいと考えています。

会社概要
社名 ストアコンソーシアムジャパン株式会社
設立 2001年3月
所在地 東京都新宿区新宿6-7-1
資本金 4億3,750万円
代表 代表取締役社長 斉藤 隆秀
売上高 2004年度 4億8,600万円 (連結時)
グループ会社 (株)信州コミュニケーションズ
協力会社 セイコーエプソン株式会社、株式会社電算、
株式会社沖電気カスタマアドテック


単行本を発行するようになって
書籍流通の訳の分からない仕組みに面食らうことが多いが
その構造に風穴を開けようとして
しかし「業界の秩序を乱す」と後ろからも弾が飛んできたりして
夢を果たせぬまま散ったというところだろうか。


おそらく本業で展望が開けずなんとか活路を見出そうとして
目をつけたのがブルーカードだったのだろう。
会社はなくなっても地元の人に支えられたカードは生き残りそうだ。
そのうち首都圏にも入ってくるかもしれない。


つわものどもが夢のあと、という言葉が思い浮かんだ。

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コメント

地域共通カードをテーマに取り上げていただきありがとうございます。
ストアコンソーシアムジャパン社が倒産以前より、同事業は弊社により運営されており、現在も同事業の拡大に努めております。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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