一病~リウマチ~息災徒然ノート 10

投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2007年08月17日 23:19

復帰1

三ヶ月間、全てのリウマチ薬を切っても、
リウマチは姿を潜め、痛くなりませんでした。

1996年2月初め、
職場に復帰しました。

上司と人事部の配慮で、
最初の2週間は午前10時から午後3時までの時短勤務でした。

さらに、
所長秘書業務を担ってくれていたエリさんのほかに、
東京大学生産技術研究所で長年技官として、
上司の秘書業務を兼務していた女性が、
定年退職を目前に控え週に2日、
東京からつくばまで自動車通勤して
テンポラリーに手伝ってくれることになりました。

私が一人前の仕事ができないことで、
まわりに迷惑をかけることは辛かったけれど、
学会事務局・大学関係の業務は完璧にカバーされ、何より心強いサポートでした。

ところが、
私は職務も負担も激減したにもかかわらず、
フルタイムに戻った2月下旬ごろには
リウマチが再燃しました。

『もう絶対にMTXは使えない』と鈴木先生
(病棟の主治医は久野先生でしたが、
退院後は再び鈴木先生の外来に通っていました)
のご判断で

金製剤注射(シオゾール)

を打ち始めました。

この注射は、
二週間に一度、臀部に皮下注射するのですが、
効果が表れるのに数ヶ月かかると聞いていました。

ところが、
効果が出る前に、二度打っただけで、
背中をはじめ体中に薬疹が出ました。
掻き毟って下着が血で真っ赤になりました。

すぐに中止して、MTX以外のリウマチ薬、

アザルフィジン・リマチル

など次々に服用して試すのですが、
どのお薬も全く効かないのです。

ロキソニン1日3錠と
プレドニン(ステロイド、副腎皮質ホルモン)5㎎
は飲み続けましたが、
どうにもこうにも痛い、
とにかく朝、
激しく痛むのです。

日常生活においては、
朝、起き上がれないばかりか、
洋服の着替えができない、
カーテンが痛くて引けない、
スライド式の冷蔵庫の引き出しが開かない、
足首が痛くて靴がはけない、
指の関節が腫れ上がり、指輪が入らない、
髪の毛が自分で結えない、、、
風呂場で足が上がらず自分で湯船につかれない、
当然、体も洗えない、
回転式のドアノブが回せない、
水道の蛇口が動かない、
雑巾が絞れない、
アイロンが重くてかけられない、

ついには、
トイレで自分の下着が下ろせない、、

挙げればきりがない程、
凄惨を極める状況でした。

ロキソニンを飲んで、
何とか車を運転して仕事に行こうとしても
車のドアが重くて開けられない、
(私はその頃、軽自動車で通勤していました、ドアはとても軽いのです)

会社に到着しても
二階のオフィスまで階段が交互に上がることができず、
手すりに掴まりながら、這うように一足ずつです。

仕事をしようにも

手首が痛くて、パソコンが打てない、
ミネラルウォーターなどペットボトルのキャップが開けられない、
パンチで穴あけできない、
ホッチキスがとめられない、、、


小学生でもできることが、できないのです。

歯軋りするほどに悔しかった、、、
何とかしようと焦るほど、
ただ痛くて、
自分の努力ではどうすることもできない無念に打ちのめされました。

人の世話になり、厄介な存在になってしか生きていけないのか、
それならば、生きていたくない、何の希望も無いではないか、


私は、じくじくと絶望していました。

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