福島県立大野病院事件・最終弁論公判(1)

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年05月16日 19:45

詳細はいつものように周産期医療の崩壊をくいとめる会サイトを
ご覧ください。


本論は次エントリーに書くとして
まずは、結審直前の被告人・加藤克彦医師の最終陳述。



 Aさん(亡くなった方)に対して信頼して受診していただいたのに、お亡くなりになるという最悪の結果になりましたことに、本当に申し訳なく思っております。
 初めて病院を受診された時から、お見送りさせていただいた時の、いろいろな場面が現在も頭に浮かんで離れません。あの状況でもっと良い方法がなかったのかとの思いに、いつも考えがいきますが、どうしても思い浮かばずにいます。
 ご家族の方に分かっていただきたいと思っているのですが、なかなか受け入れていただくことは、難しいと考えております。亡くなられたという事実は変えようもない結果ですので、私も私なりに非常に重い事実として受け止めています。ご家族の皆様には大変つらい思いをさせてしまい、まことに申し訳ありません。
 今回できる限りのことは一生懸命行いました。精一杯できるだけのことを行いましたが悪い結果になり、一医師として非常に悲しく悔しい思いをしております。
 私は、真摯な気持ち、態度で、医療、産婦人科医療の現場におりました。再び医師として働かせていただけるのであれば、また地域医療の一端を担いたいと考えております。
 裁判所に対しましては、私の話に耳を傾けてくださいまして、また真剣に審理してくださったことに深く感謝しております。
 改めまして、Aさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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コメント

なんですか、この泣いてしまいそうになる素晴らしい語りは。

もう、こんなすてきな言葉を言える時代は、二度と来ないかも知れません。

加藤医師の誠実さが本当に伝わります。このようなまじめな医師が罰を受けるのでしょうか?
なんともやりきれません。

ただひとこと。

『加藤先生、また現場にもどってきてください』

 医者馬鹿としか言えない加藤先生の言葉に泣けてきます。ただ、泣けます。
 本当に医師ってお人好しで、性善説で仕事をしていると痛感します。

>医者馬鹿としか言えない加藤先生の言葉に泣けてきます

私も泣けました。
どこまでお人良しなの、とまた泣けました。
語弊があるけど、私なら絶対に福島で働かない。
産科医は捨てて婦人科医として、他県で働くと思う。
ころごりだと思う。
(実際には循環器内科医だけど)。

このような試練は加藤先生だからこそ耐えられるのでしょう。
神様は試練に絶えられる人に、試練をお与えになります。
この事件が切っ掛けで、いままで見過ごされてきた医療安全のシステムや医療の問題点や医師の立場が、明確になりました。

先生はこんな厳しい試練のあとでも、今後も産婦人科医として世の中のお役に立ちたいと強く願っておられるわけで、
先生には、是非、臨床に戻ってきて頂きたいです。

私は、病院に勤務するコメディカルですが、加藤先生のお言葉に涙してしまいました。このような先生を臨床現場からいなくさせてしまっていいのでしょうか?何か間違っていると思います。

誠実な医師だというのは言葉の節々から伺える。しかし、いくら大いなる誠意があっても実力不足で「過失」で人を死なせることがある事を見落としてはならない。

十分な輸血の準備もせず、子宮全摘に直ちに移行できなかった同医師に対する裁判判決は不服です。

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