日本医師会は公益法人になれない?

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年09月27日 08:51

昨日のMRICで、また小松秀樹先生の日医関連文書が流れてきました。
日本医師連盟が自民党候補の推薦を決めた経緯を見ると
日本医師会は公益法人の適格を自ら失ったと解釈することができるようです。
勉強になります。転載します。


(昨日書いたようにお墨付きをもらわないでも公益を追求することはできる。
 だから、それだけで大騒ぎする必要はないかもしれない。
 でももし日医が「なんちゃって」の方だとすると、お墨付きがなくなれば
 過去の執行部も含めて致命傷になりかねない)


                          2008年9月26日発行
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Medical Research Information Center (MRIC) メルマガ臨時 vol 134 

 ■□ 日本医師連盟と公益法人制度改革についての確認しておくべき事項□■

                 虎の門病院 泌尿器科 小松秀樹 
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 現在、日本医師会は公益法人制度改革に伴う新組織への移行を準備している。
日本医師連盟は日本医師会と役員が重なっている。日本医師会-日本医師連盟の
活動は、公益法人制度改革を前提にしているはずである。これを踏まえた上で、
下記事項を確認しておきたい。

日本医師連盟

1 日本医師連盟委員長は日本医師会の唐沢会長、副委員長は日本医師会の3名の
副会長に代議員会議長、代議員会副議長を加えた5名である。26名の常任執行委
員は日本医師会の13名の理事、10名の常任理事、3名の監事よりなる。日本医師
会役員としてホームページで紹介されている32名は、日本医師連盟の委員長、副
委員長、常任執行委員、合計32名と完全に一致している。日本医師会役員ならば、
日本医師連盟の常任執行委員以上の役員であり、後者ならば、日本医師会役員で
ある。両者は数学的に同値である。

2 日本医師連盟の活動拠点は日本医師会館に置かれている。

3 日本医師会は07年5月、公益社団法人を目指す方針を決めた。しかし、公益法
人制度改革担当の羽生田常任理事の08年5月29日のスライドや、08年7月5日の日
本医事新報のニュースを読む限り、従来の組織形態と活動を可能な限り存続させ
るという方針を採っている。

4 m3ニュースによると、日本医師連盟の常任執行委員の羽生田俊氏(日本医師
会常任理事)と、副委員長の宝住与一氏(日本医師会副会長)は08年9月18日、
緊急記者会見を開き、08年秋に予想される総選挙で自民党を推薦する旨を表明し
た。

5 記者会見の場所は日本医師会館だった。

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律

(目的)

第一条
 この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公
益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要となっていることにかんが
み、当該事業を適性に実施し得る公益法人を認定する制度を設けるとともに、公
益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を定め、もって公益
の増進及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。

(定義)

第二条

四 公益目的事業 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種
類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。
(公益認定の基準)

第五条

十一 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるもの
を除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあ
るものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を越え
ないものであること。監事についても、同様とする。


 公益法人制度改革関連3法に関する衆議院の付帯決議

 「公益性の認定を行う公益認定等委員会の運営に関しては、その重要性にかん
がみ、中立性・独立性に配意するとともに、専門的知見に基づく判断を可能とす
るよう、その構成等に万全を期すること。また、事務局については、委員会を適
切に補佐し、認定の審査及び事後の監督に遺漏なきよう、その体制の整備に努め
ること。ただし、主務官庁による許可主義を廃止した今回の改正の趣旨にかんが
み、公益性の認定に際してはその影響力の排除に留意すること。

 なお、現行の公益法人が新制度下で公益法人に移行するに際して、これまでの
活動実績を積極的に評価するなどの配慮を行うこと。」


 公益法人制度改革関連3法に関する参議院の付帯決議

 「3 公益認定の制度を統一的で透明性の高いものとするために、都道府県に
対して情報提供等を行い、全国を通じて適切な公益認定が行われるようにするこ
と。なお、現行の公益法人が新制度下で公益法人に移行するに際しては、これま
での活動実績を適切に評価するなどの配慮を行うこと。」

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