議事録ジャーナリズム

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年10月30日 15:42

このブログでは、裁判とか検討会とかの逐語的報告をよくやっている。
マスメディアの人たちからは、いずれ議事録が公表されるのに何の意味があるんだ、と
キワモノ扱いされているようだけれど
公表される議事録が議論そのままの再現でないことはよくあるし
ある程度リテラシーの高い人にとっては
変に一部だけ抽出したり解説を加えて報じられるより有用でないかと
ひそかに「議事録ジャーナリズム」と自称している。


その思いを強くする記事が、おなじみCBニュースに出た。
産科の無過失補償、中医協で初めて議論
文句なしに面白いので騙されたと思って読んでみてほしい。


この回は特に白熱したようで一般化はできないかもしれないが
しかし自分のやっていることも間違いではないな、と思わせていただいた。


議事録ジャーナリズムの難点は
とにかくメモを書くにも記事に起こすのにも時間がかかること。
肩が凝って仕方ないので国会中継みたいに動画で流してくれると助かるんだけど。
この時代なら大した費用ではないはずだ。
経済対策の一環として、大臣、いかがですか? 

<<前の記事:斜陽    声明文:次の記事>>

コメント

川口様

>変に一部だけ抽出したり解説を加えて報じられるより有用でないかと
(中略)
>しかし自分のやっていることも間違いではないな、と思わせていただいた。

>議事録ジャーナリズムの難点は
>とにかくメモを書くにも記事に起こすのにも時間がかかること。


仰るとおりですね。大変ですが頑張ってください。

また、CBニュースの白熱した議論も読ませていただきました。発言者についてですが、個人名+職名、職名のみ、所属部局名(個人を特定できないもの)と同じ役所側の発言でも、扱いに3段階の差があるようですが、何か意図があるのでしょうか?(川口様に質問している趣旨ではなく、単なる自発的な疑問)

妙なドグマに囚われず、正常分娩と予防接種を保険診療の対象にして、できるだけ制度を複雑にしない方が世の中のためになると個人的には思っています。

ただ衆参のねじれ状態が続き解散や与野党逆転もあるのだかないのだか読めない状況下で、こういった重要な制度設計に関わる議論や努力がいとも簡単に吹き飛んでしまうのではないかという可能性に常に曝されている現状は皆にとって不幸な気がします。

 KHPN様、こんにちは。

> 皆にとって不幸な気がします。

 政治と党派的主張は密接不可分なものですから、これは避けようがありません。事は国家の在り方の根幹に関わる議論です。

 むしろ健全な議論であるか否かは、事実に立脚しているのか、誰のどういう根拠による意思決定なのかが明確であるところに判断の基準があるべきかと思います。

 逆に、国家の在り方が政権によって大きく変わったときにも、これらの行政の審議会・検討会の類が相変わらずこれまでの方針に固執するとしたら、その方が遙かに不健全でしょう。

 そうは思われませんか。

>KHPN先生、中村利仁先生
コメントありがとうございました。
絶対的な正しさというものは世の中にない
というのが良心的な立場のような気もしておりまして
そうすると手続きというか方法論しか拠って立つものはないのかもしれませんね。

コメントを投稿


上の画像に表示されているセキュリティコード(6桁の半角数字)を入力してください。