質問攻撃 |
|
投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2008年11月04日 11:52 |
一年生で熱心な女子学生がいて、1時間目の開始前早くに待機していて質問を受けます。
『(介護保険の)償還払い制度って何?』
『一部負担金と、自己負担金の違いがわからん』
(これじゃ、わからんところばかりで検定試験)『受からんよぉ、、、』
と嘆くのですが、
勉強しているからわからない箇所が増すのであって、
“貴女のような人は必ず合格◎”と胸の中で呟きながら、
償還払いはまだ授業で説明してなかったからわからなくて当然、
保険外併用療養費と特定療養費の廃止、混合診療、高度先進医療、高額療養費、高額医療費、、、とどんどん際限なくなり、授業前の数分程度では説明しきれず、
また、この内容をクラス全体にも説明すべきか、きっと一年生の大部分にとっては難しすぎる、、
どこまで、個別にどのような対応がベストなのか悩みます。
別の時間に、三年生から
『全人的医療って何ですか?全人的は辞書にのってなかった』
と聞かれ、思わず「それって教科書に出てきた言葉だっけ?」と聞き返してしまいました。
「演習問題の選択肢の一つに出てきたよ」
そうだっけ?ごめんなさい。即答できない私は、「ちょっと時間もらえるかな?」
調べてみると、『全人的医療』という言葉は、一言二言で定義できる代物ではなく、奥が深くて、多角的な解釈があるということがわかりました。
緩和ケアで使われることが圧倒的に多いようですが、医学部の講義名に使われているカリキュラムもありました。
私が最も理解しやすかったのは、
英語のholismに基づいた医療、holistic medicineを全人的医療の訳にしていた説明。
Totalとか、Comprehensiveではなく、
Holistic医学は、人間を臓器の集合ではなく、心、霊気、身体の総合体として捉える。
部分の和を越えた全体に行う施療を、専門医学だけにとらわれず古代中国や古代インド医学や気などに求めるというものだそうです。
臓器の総和を越えた、心、気、精神、社会的な存在をもった『人間』に対する医療。
さて、そんな意味で出題されていたのか、、、、な。
以下出題文章一部抜粋 *( )が解答すべき箇所
診療情報管理の目的は、(学問的)使用を前提としたり、入院診療録・外来診療録の相違を述べては問題である。診療録の(中央管理)の最大の目的は、(患者中心)医療の達成にある。第一の利点は(総合的)診療を可能とし患者の現在の疾患の状況を(全人的)に把握できることである。以下略(社団法人日本病院会 診療情報管理士 教育問題集 2007 第6章 問20より)
勉強させてもらっているのは、私の方だとつくづく痛感しています。
<<前の記事:嘆くより、自分たちで何とかしよう 中原利郎先生の民事訴訟、上告したそうです:次の記事>>
コメント
重箱の隅をつつくというか、社会でどのくらいお役にたつのでしょうかね?
そんな嫌味を言い出せば学校で教える事、医学部で習う事全てに当てはまりますが。無関心よりは筋がありそうですな。
ひとやすみ様
コメントありがとうございます。
確かに現場で役立つことではないかもしれませんが、自分は知識なくして医療現場に入って、戸惑い、結局邪魔でしかなく立ち去らざるを得なくなった?人間なので、もっと勉強しておくべきだった、違った行動がとれたのでは?遅まきながら反省することばかりです。
やる気なく足を引っ張られるよりは、重箱の隅をつついてもらう方が有り難いと考えるようにしています。