死因究明検討会16(1) |
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投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年11月10日 19:19 |
普通でない、としか言いようのない会議だった。
・全日本病院協会の徳田禎久常任理事
・全国医学部長病院長会議の嘉山孝正・大学病院の医療事故対策に関する委員会委員長(山形大学医学部長)
・医療過誤原告の会、宮脇正和会長
の3人からのヒアリングして質疑応答という流れだったのだが
長引いて、皆さんたくさん喋ったので
時系列に順々ではなく、普通でなかったところを先にご報告してしまおう。
皆さん薄々想像はついているだろう。
主役は、この人しかいない。嘉山先生である。
まず陳述から
「検討会の意義については徳田先生からもお話があった通り。このような検討会があって様々な議論が行われたことは、医療に対する不信感を拭う一つの場になったのでないか、とありがたく思っている。大学病院というのは最もハイリスクの医療を行っており、その勤務医と共に日本の医療レベルを支えている。その我々も、国民の目線、患者の目線から見て事故調がどういう意味を持つか検討を進めてきた。
99年の横浜市立大学での患者さん取り違え事件以来、全国の国立大学医学部附属病院が真っ先にこの問題に取り組み種々の制度整備も進めてきた。事故調査も、かなり厳密にやっている。その立場からすると、前田座長に申し上げたいのは、このような法案ができたら、かえって迷惑である。かえって事故調査できなくなる。なぜならば徳田先生も仰っていたが、この法案には患者さんの救済と事故調査の異なるジャンルのものが一緒くたにされている。これは分けるべきだ。サイエンティフィックな根拠については資料2からずっと見ていただきたい。この場では、今、大学病院で何をしているか説明する。
まず資料の2ー4から。これは残念ながら朝日新聞しか報道してくれなかったのだが、あるレベル以上の事故は公表することになったというもの。情報は、たとえば手術中のことなら、看護部からも上がってくるし、麻酔科からも上がってくるし、当該診療科からも上がってくるという風になっていて、山形大では24時間以内に病院長まで報告しないと隠蔽と見なすということになっている。某大新聞の論説委員が大学病院は悪いことばっかりやっていると言っているが、このように患者さんご遺族が一番知りたいと言っている事故調査の真実はもう出ている。
2ー2ー1は航空機の条約で、2ー2ー2が日本学術会議の提言、2ー2ー3はWHOのドラフト。要するに何が言いたいかというと、事故調査は、現場の当事者が調査する者を信用して真実を言ってくれるかどうかにかかっている。この法案の事故調が通ると、全容が出てこなくなる。ブレームフリーでなくなるからだ。先ほど患者さんの目線、国民の目線と言った。患者さん国民が注目することは二つあると思う。一つは情報がきちんと開示されているか、もう一つはそれに則って再発防止策をきちんとやっているのか。今日は高本委員が欠席で残念だ。前々回か高本委員がWHOのドラフトについて色々と述べられたが、あれは引用した趣旨が全然違う。刑事処分の話が、WHOのドラフトに入ってこなかったのは、その部分が採用されなかったからに過ぎない。高本先生が言っていたことは科学的にも根拠がない。それか佐原さんは、まだドラフトで決定でないとよく仰るが、ドラフトがなければ決定もないのであって、WHOが出している以上尊重すべきだろう。そうでなければハンムラビ法典と同じような後出しじゃんけんによって、医療が大きく損なわれていくことは間違いない。
根本的に法案の構成が全く間違っている。前々回(ママ)か座長がいみじくも患者さんの応報感情に言及したけれど、座長は刑法の権威だが本当に刑法はそういうものなのかということで、資料の2ー5ー1で、私ことし神戸であった日本法社会学会に行ってきたので、その時に愛媛大の小佐井先生という方が発表した資料をつけた。たしかに私も自分の身内に何かあったら感情が動いて悲しみや怨みが出ることは間違いない。ただし、それと事故調査とは切り離さなければならない。最近のわが国の風、空気は被害者の感情に配慮することが主流のようだが、小佐井先生には、今日の場でこのように提出することをご了解いただいている。私が書き込んじゃったのであれだが、これは何かというと、交通事故の賠償で、東名で後ろからトラックに突っ込まれてお子さん2人を亡くした方の訴えに対して、東京地裁は平成15年に、被害者のことを忘れないよう15年間毎年の命日に分割して賠償金を払えという命令を出している。マスメディアは名判決だと報じた。では、これがずっと踏襲されているのかというと、実はそのような判決が出たのは同じ請求をした13件のうち3件だけで、あとの10件では否定されて一括払いが命令されている。これは何かというと、近代法では復讐はやっちゃいかんということ。当たり前だ。患者さんの気持ちは分かる。しかし事故調査とは切り離さないで厳しく処罰するというのをやると、かえってきちんと患者さんのためになる事故調査ができない。応報の感情を含んでいる法文であることは座長も自ら明らかにされている通りだ。一時の風や空気に流されて、ハンムラビ法典のようなものを作ってしまったら、近代文明社会でない社会が生じてしまう。
国家的なことを決める時に、民主党の足立議員と鈴木先生の案も出ているのに、大綱案と民主党案でm3の橋本編集長がどちらがよいか統計を取ったら大綱案より民主党案の方が賛成が多かった。座長にお願いしたいのは、ガス抜きの参考人では困る。今日わたしは手術を休んできたんだから、まじめに取り上げてほしい。徳田先生も北海道から出てきている。臨床研修制度が始まる時に、当時の中島医事課長にパンドラの箱を開けるようなもんだから絶対に地域医療が崩壊すると言って、それでもやるというから責任は誰が取るんだと言ったけど、誰も取ってない。前回の検討会でも現場の参考人がまじめに意見を述べているはずで、そういうものを論破できるならいいが、単に聴き置くだけなら国民が納得しない。資料2ー1ー2は国民年金法の条文で、たった1条で1兆円のグリーンピアとかが作られちゃったということを示している。民主主義国家なのだから民主党案についても議論すべきでないか。私は自民党でも民主党でも共産党でも公明党でもないけれど、たしかに与党は自民党だけれど、この委員会は国民のために議論しているはずで、これだけの賛成を得ているものを議論しないというのはおかしくないか。あとで不作為の罪にこの委員会がならないようにしてほしい。卒後研修もあれだけの反対があったのに一気にやって医療を崩壊させた。もちろん以前から医師不足はあったのだけれど、あれがなければ少なくとも科の偏在はなかっただろう。私は神奈川県の出身で、中学生のころに京浜工業地帯の煙突の群れを見て、これで日本はいいのだろうかと思った。思ったけれど、大人や国家がちゃんとしてくれているんだろうと考えていた。ところが、その後に川崎喘息が起き光化学スモッグが起きた。何のことはない、ちゃんとしてなかった。熊本県の公害もそう。いろいろな思惑の人間たちがチッソの廃液が原因と認めるのを5年遅らせた。その5年の間に患者さんが増えてしまって、住民はアンハッピーになったし、チッソも大きなダメージを負った。
理念からやる法案というのは、たいてい一面は正しい。でも法案によって社会そのものが動いちゃうということを考慮しないといけない。大店法も東京、大阪、愛知ぐらいでは良かったのかもしれないが、あれを入れた結果、ほとんどの県庁所在地が壊滅した。経済だけを考えればあの法律は正しかったのだろう。しかし、それで社会が壊れている。社会のために経済があるはずなのに、おかしな話だ。今回の法案も医療の萎縮を招くのは明らか。性善説とか性悪説とか言っているけれど、どちらであってもきちんと機能する法文にしてほしい。
厚生労働省がやっていることは、薬害にしても年金の問題にしても問題が止まらない。農政の問題についても触れると、昔で言う所の浪花一番の米問屋が役人と手を組んで毒を売った。そんな日本ではなかったはずだ。法案をつくった時に社会がどう動くかまで考えてくれないと、国民は右往左往するだけだ」
徳田常任理事、宮脇会長のプレゼンは(2)で、ご報告することにして
質疑応答のところから。
前田
「反対の意見を聴くのが遅かったのはたしかに仰る通りで不満はあるだろうが、しかし自らそれを踏まえて伺おうということなんでガス抜き云々ということではない。きちんと議論していきたい」
嘉山
「宮脇さんのお話はごもっとも。だが、医療者とノンメディカルとの間の理解が足りないなあとも思う。宮脇さんが受けたことは犯罪だ。カルテ偽造や隠蔽は公文書偽造であり、それと結果が悪いこととは全く別。そこで先ほどは説明しなかったが、実は対案として2ー6を出させていただいている。
現状で医師数が絶対に足りない。それから、この機関に対しての予算も外口医政局長から言ってもらってない。民間なら、プロジェクトを立ち上げる時にはあらかじめ予算規模が示されて、それに見合った計画がつくられる。それがなかったら、計画倒れになる危険性がある。そういった現状で、実現性を加味した提案だ。犯罪であれば、刑事訴訟法に則って警察へ行くのが当然。しかし医療事故の原因、システムエラーを知りたいと思った時には、全員コンセプトの違う問題(?)、東京、愛知、博多、大阪は一医大じゃないが、その他の県は一医大だし、北海道はまとまれるだろう。大学の事故調査委員会を作って機能させれば、宮脇さんの言うようなことに関してはトップに対して厳重にペナルティを設けて、改竄なら犯罪ということで院長、学長までペナルティを食らうようにすれば、ちゃんとなる。
我々自身の体験で言うと、たしかに10年ぐらい前まではカルテ改竄があったかもしれないが最近は聴いたことがない。最近あったという証拠を見せていただきたい。朝日の大熊記者がいつも大学病院は隠蔽体質だと言うけれど、単なる風聞で大学病院を批判するのはやめていただきたい。悪の巣窟のように言われているが、特に私の知る限り、国立大学ではかなり努力もしている。宮脇さんが遭ったのは犯罪、医療事故とは別。分けて話をしないと混乱のもとだ。思考停止するのをやめて、恨みつらみだけでない議論をお願いしたい」
前田
「恨みつらみでも、思考停止になるような話でもない。それぞれの立場として当然のことを言っているだけでないか」
嘉山
「医療の質とか過誤とか言う場合に、私は患者さん側で指していることが本当にそうなのかとは思っている。患者さんが過誤だと思っている中のどれが本当に過誤なのか。医療の質について、本当に皆さんよく分かっているのか。患者さん自身、自分の体や疾患がどの程度困難なものなのか分からないし、難しい手術やったって分からない。もちろんインフォームドコンセントはするんだけれど、それがどの程度難しいのかなんて分からない。非常に簡単な手術でも、ものすごく感謝されることもある。マスコミでも、医療の質なんか分からない。
唯一分かるのがホテルの接遇の部分。看護師が何回巡回に来たとか、主治医がどれぐらい説明してくれたとか、待ち時間が短かったとか、それで患者さんが評価している。もちろん全然関係ないわけではないが、あくまでもシステムでやっているんであって、欧米のように医師をたくさん集めるのでないのに、集めたらアクセスがめちゃくちゃ悪くなるから、フリーアクセスを維持したままで、そんな部分を質という風に勘違いしていないか」
豊田
「嘉山先生は以前から様々な検討会で発表されたり、たくさん資料を出されていて、すごく色々な取組をされている方だと思う。宮脇さんと同じように、こういう先生がいらっしゃるならと心強く思っている。嘉山先生たちが医療安全への取り組みや事故調査をやってないと言うのではなくて、日本の病院は大学病院だけではない、むしろ取り組みたくても取り組めない所がほとんどだと思うので、そういった病院をどういう風に支援されるのか。それが難しいと思うから第三者機関をつくった方がよいのでないかという議論をしている」
嘉山
「それでもって、この対案を示した。大学には医師がたくさんいる。お金が明示されてない中で別に医師を集めるのは無理なので。犯罪行為を見逃すんでないかという懸念については、それに対するペナルティを重くすればいい。ただでさえ現場に医師がいなくて困っているのに、新しい組織をつくったら崩壊ですよ。誰もやらなくなる。その点、大学はいつでも立ち上げられる。本学の場合、他の大学からのメンバーに、中立的弁護士も入れてやっている。外口局長に言いたい。大学病院のこういった取り組みは厚労省が主導でやってきたことなんだから、その延長線上に設計すれば、ほとんどお金かからないのに、なぜこんなものを作ろうとするのか。この法案だけだったら、むしろ健全に医療を受ける方々の権利を奪うことになる。それとも大学でやってきたことが、何か間違っているのか」
豊田
「そういう意識の人ばかりではないのでないか。医療安全の文化が根付いてないと思う。モデル事業のあり様を見ても」
嘉山
「モデル事業は全くの失敗だから参考にならない」
豊田
「協力医がいないと聞いている」
嘉山
「大学病院は医療安全部、主なメンバーは看護師だけれど、それが抜き打ち的に各科を回っている。きちんとやっている。そのやっていることは、医療機能評価機構に全部報告している。厚労省からは1円も出てなくて、年に5千万円や6千万円はかかる話だけれど、責任としてやっている。で、その報告を全部機構に上げているのに、それを厚労省が出してくれないから、こんな誤解を受けることになる。その努力が報道されないから宮脇さんや豊田さんから誤解を受けることになる。繰り返しになるが、豊田さんや宮脇さんがつらい目に遭われたことは理解している。しかし、その怒りと事故調査は分けないとダメだ。事故調査なら大学でやっても十分できる。ビジョン会議のとりまとめに、トップが襟を正せと書きこんだ。トップがちゃんとしてないと隠す。だからトップのペナルティをこの委員会で決めて、それで大学にやらせたらいい。外口局長、いったいいくら付けてくれるんだと聞いてもいつも答えてくれないけれど、これとんでもないお金かかるよ本気でやったら。大学を使えばほとんどかからない。どちらが国民のためか」
堺
「前おきを2つ言って、それから質問したい。第一に医療事故が発生した時に医療機関が行わなければならないことは、最大限の誠意とスピードをもって、患者さん家族そして院内に、どういうことが起きたか知らせることだろう。こういうことができるのは大学病院に頼むというだけでなくて、その医療機関内部の人でないと分からないことも多々あると思う。院内の事故調査への支援を改めて行政に検討お願いしたい。二点目に医療安全の推進こそが我々の願っている骨子であり、第三次試案では医療安全調査中央委員会が対策までつくるということになっているのだが、個人的な感触としては、これを変えることができないものとは思ってない。医療機能評価機構で、この中央委員会の役割を担うような変更はあり得るのでないか。個人的な感触だが。
さて嘉山先生に質問。刑事捜査や刑事裁判にかかわるところに各方面からたくさんの意見が出された。資料2-4-4では山形大での取り組みで事故発生時にどのように警察署へ届け出るか決められている。これが現時点での山形大の方針なのだろう。一方で嘉山試案では医師法21条に関して、医療関連死を異状死に含めないとなっている。若干の違いがあるようだが、この点の説明をお願いしたい」
嘉山
「山形大のマニュアルは拡大解釈された医師法21条、法医学会のガイドラインに則っている。ただし、これがいいと思っているわけではない。ただ法を破るわけにいかないから、こうなっている。でもあれは法医学会が勝手に拡大解釈しただけだと思っている。法医学会にも聴いたが、こんなことになるとは思っていなかったということだった。実は昭和23年に外口局長のすごい先輩の医政局長通達で、医療については異状死の対象から外すというのが出ている。その後、あまりにも目に余る一部の医師がいたために警察が入ってくるようになって、という流れがあるんだと思う。だから昭和23年の局長通達のようにやっていただければということで、この試案になっている。ただし勘違いしてもらったら困るが、犯罪はダメ。カルテ改ざんや事故の隠ぺいは犯罪だから。
事故が起きた時に医療機関がやらなきゃいけないのは、3つある。現場の保存、全力で救命すること、3番目に患者や家族の精神的なケア。この3つがリスクマネージャーの3原則だ。大学病院ではリスクマネジメントの教授ポストができているくらい、啓蒙普及に努めている」
堺
「ほかの参考人もご意見あれば」
徳田
「刑事の問題については、全日病としては医療安全とは別建てでとお願いしているので、特に申し上げることはない。現状、私どもの感じているところとしては、責任追及が入っているので別建てでお願いしたい」
宮脇
「被害者からすると、カルテ改竄が裁判などではかなり明らかになっているが、それでも警察には現実的には相手にされない。よほど社会的に問題となったような事例でないと動かない。だから改竄は犯罪なんだからと言われても、実質として機能していない以上、改竄の防止策にはならないと思う。各地の訴訟の実例を見ても、医療機関のそういった振る舞いに歯止めがかかっているとは思っていない。そういったことができないよう三次試案明確にしていただきたい」
永池
「徳田参考人に質問。P5の1の『患者・家族に診療の内容を十分に説明し納得を得る』ということに異論はないのだが、しかし医療者が一生懸命説明をしたとしても患者さんご家族の納得を得られるかは別だと思う。事故直後の、その時点で分かることを最大限説明したとしても、患者さん側の知りたいと思うところが伝えられるとは限らないのでは」
徳田
「ここに書いてあるのは診療前のことであって、死亡事故が発生した後の対応ではない」
永池
「では発生した時のこととして伺う。現代の医学をもっても解剖しなければ十分に分からないような時に納得しない遺族は当然いる。協会の中の看護倫理委員会にも、一生懸命説明をしたけれど納得してもらえなかったというような報告がいくつか来ているので。嘉山参考人にも伺いたい。大学病院が調査委員会として機能した時に、解剖したとしても分からないことは出てくるのでないか。そういう時に遺族が納得するか。宮脇参考人には、大学病院が調査委員会の機能を果たして納得いかない内容の報告が出てきた時に納得はいくか(ママ)、大学病院が調査委員会の機能を果たすことについてどう思うか」
徳田
「看護協会の結果に関しては原本を見ていないので、どういう説明をしたのか分からない限り、それに関しての見解は述べられない。私どもの5つの項目のキーポイントは診療記録の電子化であって、これを行えば途中段階での改竄は起こらない前提となることがお分かりいただけるはずだ。そういったものを示しながら説明して、そういうことをしてもなお分からないということに関しては考えないといけないが、看護協会の結果はそういうものでないと思う」
嘉山
「失礼ながら永池委員の意見は自然科学をやっている人のものとは思えない。分からないことがあるなんて当たり前のことなんで、分からないことがあるから我々も日々研究しているんだし、たとえ人類としては分かっていることであっても宇宙船の仕組みなんかどんなに説明されても分かるはずない。だから患者さんご家族がどれだけ説明しても理解できないということは起こり得る。もっと身近な例で言えば、我々が判決文を読んでも、きちんとは分からない。要するに、100%分かれと言う方がおかしい。どうやったら分かることができるかと言うけれど、説明する方と受ける側との間に信頼関係がある場合は、理解度が上がる。上がるというより、分かったような気になる度合いが上がる。医療に関して言えば、6年間医学部で勉強して医師になっている人間とそうでない人とで理解度が違うのは当たり前。今不幸なのは、不信感があるために理解度が下がってしまうこと。早稲田の和田先生がやっているような間を取り持って理解度を上げていく取り組みがとても大事だ。我々が一つひとつ順番に情報を丁寧に説明していくことによって、理解したような感じがする、そこをめざすしかない。信頼を築くことこそが一番大事だ」
宮脇
「10月2日に日弁連から発表された院内調査委員会についてのアンケート調査によれば、これは300床以上の病院の25%から回答を得たそうで全部で1900件の委員会が設置されていたが。大学病院の関係者で委員会を設置してのが6割で、しかし4割は患者からの聞き取りもやっていない。現在のこの状況で納得しろと言われても納得できない」
嘉山
「今のお話、患者さん家族の気持ちをsatisfyすることに焦点が当たっているということがよく分かる。しかし、それは医療事故を調査するのとは別の方策で行うべきだ」
そして、ここで木下委員と嘉山参考人の罵り合いになった。
稿を改める。