罵りあいの部分

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年11月11日 00:33

前々エントリーで書いた「罵りあい」。
ノートを取るのが全く追い付かなかったため
今のうちに文字起こししておかないと再現不能になりそうだ。
順番では、まだ先だが、書いておいて
後で本来の順番に合体し直すことにする。


文字面からは順々に喋ったように見えるかもしれないが
実際には3段落目以降は、2人がほぼ同時に発言し罵りあっている。
誰も割って入れず30秒ほど唖然呆然という感じだった。


木下
「医学部長や大学病院長の中で先生の考えが全てだとすると問題だ。先ほど、座長に対して迷惑だと言ったが、それは言葉として私たちにも向けられたものだと理解した。私も大学にいた。状況は知っている。大学病院で取り組んできたことはあるにしても、過失があるなら責任を問われる。刑法の枠内で我々は仕事をしている。どんなに我々が、何のために医療安全調査委員会というものを設けるのか、刑法、刑事訴訟法は帰られない中で何とか刑事事件で扱われるものを減らそうという明確な目標はそこなんで、その途中で医療の質を上げながら、医療安全の取り組みもするということだ。過失があった時、刑事かどう判断されるのか、大学病院でやるにしても、それが院内事故調査だとすると、報告書をきちっと作ったからそれでよろしいという話にはならない。そうではなくて、我々医療界が一体となって真剣に見て、どうしようもないと見たら通知するということにしてくれたら、それで構わないという風になったんで、それ以外は刑事で扱われないことになるのは、医療界にとって実に意味の大きい話だ。それを迷惑とは、極めて不穏当な発言だ」


嘉山
「ものの見事に仰った。先生、我々の所に説明に来た時に何といったか。刑法とは関係ないと言わなかったか。原因究明する機関なんだ、と。ところが今仰ったのは、完全に責任追及の話になっているではないか」


木下
「そんなこと言ってない」


嘉山
「私がしゃべっているんだ。罰するかどうか...」


木下
「そんなこと一言も言ってない」


嘉山
「静かにしなさい。私たちは現場で事故調査をやってきたんだ。現実に、警察と結び付いたら情報が出てこなくなっちゃう。クレームフリーでやっているからこそ情報が出てくる。だから迷惑だと言った。ちゃんとした調査ができなくなるから。先生は医師会の説明で。。。矛盾しないか。過去に何を言ったか、議事録を読めば出てくるんだぞ」


木下
「法律家に聴いてみればいい。わが国には刑法があるんだ。先生がいくらこれは犯罪でないと言ったところで、刑法がある限り警察は入ってくる」


嘉山
「日本で刑事訴訟になるのがおかしいんで、医療事故の調査と患者さんの応報とを連結してはいけないというのは世界の常識だ」


木下
「常識であろうが...」


嘉山
「日本の医療安全をどういう風にするつもりだ。国民から健全な医療を受ける権利を奪うつもりか」


木下
「院内事故調査でこれは犯罪でないと言ったところで、警察がそれは違うと思えば、院内の判断に何の意味もない。法律の方が上なんだ」


嘉山
「?応報感情で法文をつくったらいかん」


木下
「?いけない」


嘉山
「?」


木下
「全然分かってない」


嘉山
「あたり前のことを言っている。それをやって医療がどうなるのか、お金の予算も決まってないのに」


木下
「この第三者機関を作らないということは、医師法21条が変わらなくても構わないということだな」


嘉山
「この法律が変わると、どこに書いてある」


木下
「書いてある」


嘉山
「どこにある」


木下
「よく読め」


嘉山
「素人が何の説明もなしでも分かるように明文化してくれ」

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コメント

ご苦労様です。
詳細はわかりませんが、拝見するところ

嘉山 委員は
「医師免責を要求する理想主義派」
木下 委員は
「早く法案を成立させたい長いものには巻かれろ派」
なんですかね?

ビジョンを語り、そのための道筋を作れるまとめ役がいないのが難航の原因なんでしょうねえ。

つまり、嘉山委員のような理想主義者をトップに据え、現実に合わせるために司法関係・刑法学者を従えるというのが長い目で見て「国家の将来」に役立つと思いますがねえ。

お疲れ様でした。私もこの会議を公聴しに行きました。
今回の検討会が終わった後、私の隣に座っていた紳士は、
「こりゃ、ちっとも進められんな」と独り言を仰っていました。

お二方の遣り取りは確かに、なかなかのものでしたです。
そして、いずれあるだろう事が今回起こった といった感じを受けました。

しっかし、これだけ紛糾するのも そもそもの叩き台の案が酷すぎるからで、
公聴していて、いったい厚労省は何がしたかったのかしらん と思いましたです。

どうせやるなら、もう一度叩き台の案から作り直した方が遙かにマシなのでは
ないかと思いましたです。
それに、委員の方々の現状認識って、ちと甘くないですかねぇ。

嘉山先生も実際に医療安全に気を配る大学人としての誇りを持って、かつ気が強くてらっしゃるし、木下先生も厚労省の単なる回し者ですから、お二人の間で議論を越えたののしり合いがあっても不思議じゃありませんね。

木下先生の発想と発言のずれまくりぶりは多くのネット記事で知っていましたから、いまさら別段って感じ。そうでしょう、そうでしょう、あんたならって感じ。。
もしも嘉山先生と堤先生がそろって出席されてたら、どうなったんだろうって。

いずれにしても、この会議、まとまりませんね。
にもかかわらず、全国で試案の説明会主催って。
民主党当たりがでてきて、大騒ぎして、政治的決着つけてほしいです。
会議の終焉にむけてね。

どうせなら、WHOのガイドラインができた時の、アメリカと英国の医師代表や、海外の医療安全の専門家を読んで、別の案を作った方が良いと思う。
そもそも厚労省の考え方の基盤が間違い、座長が能無し、メンバーの勉強不足と、3重苦の会議なんだもん。

あの速さのやり取りをここまで正確に起こされている
川口様のスキルにただただ驚嘆し、感服しております。
あらためて拝読することで、はっきりとしていなかった部分が見えてきます。
感謝申し上げます。

川口様のお陰でこんな部分がしっかりと暴露されているので
厚生労働省もさぞお困りのことでしょう。

毎回、素晴らしい傍聴録をありがとうございます。

嘉山先生この件に関してはGJですね
木下理事は厚生労働省のたくらみに乗っかっても法律を作ろうと考えてるようです。拙速に安全調など作らない方がいいです。

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