薬のネット販売について

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年11月17日 23:45

第7回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会
の報告をできないまま、はや1週間。
書くとしたらここしかないと思っていたことについて
薬害被害者たちが行動を起こしたようです。
言うだけでなく行動に移した点、敬意を表したいと思います。


ただし、その行動がどれほど実効性のあるものなのかは
よくよく吟味しないといけないと思います。


毎度おなじみCBニュースに出てくる
梅村参院議員、橋本代議士の言葉こそが本質だと思います。


つまり役所に要望しても大きな流れは変えられないということ。
変えたければ無関心層も含めて国民の過半数を取るつもりでないと。
これは別に今回だけに限らず
業界だけ固めて勝った気になっている全ての方に言えることです。

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コメント

上記で引用したCBニュース
最初から会員でないと読めない設定のようですが
大変重要なことだと思うので該当部だけ転載させてもらいます。

■どうやって世間にアプローチするか 梅村議員 阪大の第二内科にいて、今年7月の参院選で大阪選挙区で当選した。患者と医療職の溝を埋めるということで、地元でさまざまな活動をしている。わたしの秘書は、芸能人のやしきたかじんさんの元マネジャーだった。兵庫県尼崎市で医療シンポジウムをやった。地元で働くドクターと対談し、脳外科のドクターが2人しか夜中の手術ができないなど、救急の現状についての悲痛の叫びだった。参加者は700人来て、わたしたちや医師会、医療職の間では大成功だったという評価。しかし、わたしの秘書はこの話を聞いて、「この集会の何が面白いのか」と言った。わたしたちが大成功だと思った集会や訴えが、一般の目から見て、「何が面白かった」と言われ、とてもショックだった。きょうの会も満足度が高いし、大切なポイントが多い。だが、医療職や政治家という立場の当事者が発する言葉は、一般の社会との共通言語ではない可能性が非常に高い。この会に提案したい。全国でもいろんなシンポジウムがある。ではこれを世間にどうプロデュースするか。極端に言えば、芸能人やスポーツ選手、博報堂や電通を使ってもいい。これをどうやって次、こちらから世間にアプローチさせていくのか。殻を破って出て行くのか。これを一緒に考えていくことだと思う。 ■無関心層にどう訴えるか 橋本議員 医療問題がいわれ、産科の立て直しが必要というのはそうだと思う。制度改正をするには予算の裏付けが必要で、どこかから取ってくる。無駄を削るのが大事だが、ある人は「無駄」と思っても、ある人は思っていないので、どう説得するかになる。大きなお金が掛かるということになると、最終的には納税するかどうかを納税者、国民に聞くことになる。当事者間の溝は、努力すればどうにかなる。だが一番大事なことは、無関心な人がたくさんいるということをどうにかしないといけないということ。その人が有権者であり納税者であり、保険料を払っている。どうやって関心のない人に関心を持ってもらうかということを考えないといけない。

【ネットで薬が買えない】
ネット規制は法改正以前から議論、薬害が起こってからでは遅い
厚生労働省 医薬食品局 総務課 厚生労働技官 関野 秀人 氏
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_30918_468119_185

 いつものことながら、患者さんの立場に限っても、その病気によってネット販売で買おうというクスリは違います。買うという行為は同じでも、その背後の状況も大きく異なります。

 互いに念頭に置いている状況が違う中では、本来であれば場合分けによる妥協が可能ですが、それには直接のコミュニケーションによる相互理解が必要です。力を合わせて過半数というのは難しいだろうと思います。

 その場が提供されて然るべきであると思います。

梅村議員は今まで存じ上げませんでしたがかなり「切れる」方のようですね。柔軟な考え方の出来る方であると感じました。メディアを積極的に利用しなければならないと主張されているのは「分かってるなー」と思います。

医師ブログの中には「医師は充分に現状に対する警告を行ってきたのに、それを真剣に受け止めなかったマスコミ、国民に責任がある」と言う論調のものがしばしば見受けられますが、メッセージとはその内容が正しくても伝え方まで考えなければ伝わらないと言うことが理解できていないと感じます。まず自分達のことが充分に客観視できていないと思います。例えば医師と言うのは基本的に「上には逆らわない」ことが行動原理に刷り込まれているために、ネットでは自由に発言できても現実世界で行動を起こすのは相当難しいという事実すら、非医療者に向けて説明しているブログは殆どありません。この事が背景として分かっていないと医療をめぐる現状に関して非医療者の理解を得ることはかなり難しいと思います。梅村議員の秘書の方から見ると、医療シンポジウムで交わされた言葉には医療業界の外に届くだけの強さがないと感じられたのでしょう。

逆にマスコミ人は、医師である私から言わせると社会に対する責任というものをもう少し真剣に考えて頂きたいのですが、本当に社会に対しメッセージを伝えるのにどれだけの労力と技術が必要かということは熟知している方々だと感じます。医師がそのような労力を払ったり、技術を学んでいる暇などないことを考えると、好むと好まざるとに関わらずマスコミに自分達の声を乗せるのが最も有効な方法の一つであるのは否定できないと思います。

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