ここで話します

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年12月13日 07:45

皆様に多くのご意見を頂戴しておりますメディア論のようなもの
(ありがとうございます)
早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成講座 集中公開講座in名古屋大学
お話をさせていただきます。


頂戴したご意見によって
お蔭様で最初に考えていたよりも幅の広い問題提起をできそうです。


ちょっと定員が少ないのですが
ご近所で
こういう分野に興味のございます方はお越しいただけると幸いです。

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コメント

川口様、私は長年医者をやっているためマスコミのことがわかりません。ずれていることをお伺いするかもしれませんが、教えていただけませんでしょうか。

この前キャリアブレインから新生児医療の特集が出ていたのを読んで度肝を抜かれ、絶句しました。新生児科、周産期医療の抱える問題が事実やデータを元に抉り出すように書かれています。しかも大変分かりやすく、ここまで書いてもらえるのかと驚きました。これです。もう読まれていたらすみません。(登録制なので5回目のリンクを貼ります)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19640.html

私は以前NICUで働いたことがありました。まさしくここに書かれている通りで、40時間勤務なんて当たり前で、でも、ひたすら助かった赤ちゃんたちの今後の生活が少しでも良くなればと思ってがんばってきました。でも私の場合はもう体力と精神力の限界を感じて、NICUを去ってしまいました。今回の特集を読んで、あのころよりさらにひどくなっている現状の中でがんばっておられる先生がいることに涙が出ました。

だけど、あのころはマスコミは医療のことなんてちっとも書いてくれませんでした。今も「たらい回し」が騒がれたせいで報道は多くなっていて、少しずつ好意的な報道もあるようになってきたとは思います。

川口さんのブログを読んで、少しはマスコミ側の論理というものもわかってきたような感じがします。でも、今回の特集を読むと、やっぱりマスコミ側の取材に対する姿勢というものがあるのではないかと思います。キャリアブレインの報道は以前からほかのマスコミとは違って秀逸なものが多いと思っていました。しかし、キャリアブレインの中でも内容に差がありすぎます。僻地の産科医さんも言ってましたが、この特集を書いた熊田記者さんは以前からほかのマスコミを吹き飛ばすようなすごい記事を書いていると思います(すみません、誹謗中傷ではなく、ご本人も書名で記事を書いておられるので名前を出させていただきます)。

やっぱり、記者個人の資質や、取材に対する姿勢もあるのではないですか?ほかの記者が同じ内容を取材して、同じものが出てくるのですか?医療とマスコミが相性が良くないというのはなんとなく分かるような気がしますが、こんなとてつもない記事が出せるのならば、マスコミもがんばればできるのではないかと思います。なぜ出せないのかがどうしても分かりません。

今回の特集には本当に勇気付けられ、励まされました。こうした記事を期待したいのですが、マスコミ全体に期待するのはやっぱり難しいのでしょうか。それとも、熊田さんみたいな人にがんばってもらうしかないのでしょうか。

どうやったら医療側の事情を丁寧にマスコミに書いてもらえるのかがやっぱり分かりません。こちらも知ってもらいと思いながらも、現場に疲弊し、こうやって僕のように最前線から離れてしまった人間が多くいます。どうすればいいのか、教えてください。

>小児科医先生
コメントありがとうございます。
まず、私もあの記事にど肝を抜かれました。
素晴らしい仕事だと思います。

そのうえで申し上げますと
1)多くの医療者が区別ついてないと思うのですが
CBはマスメディアではなく業界メディアです。
何の利害関係もない人を共通につなぐことのできるのがマスメディアです。
(私も現在はマスメディアの人間ではありません。元マスメディアです)
2)しかも、あのようによい記事が出たことでCBに何か正のフィードバックが
かかるかというと決してそんなことはありません。
もし正のフィードバックをかけたいと思うのならば
熊田記者の記事が素晴らしかったからと明記して、CBの会員になるべきです。

おそらく何を言っているか分からないと思います。
この辺りを医療者にも分かるように説明するのが
当面の私の仕事かなと思っています。

川口さん

>もし正のフィードバックをかけたいと思うのならば
熊田記者の記事が素晴らしかったからと明記して、CBの会員になるべきです。

私も、新聞記事や番組やさまざまな取り組みに対して、間違いに抗議や修正を求めるのも大切ですが、同じくらい良いものには、よかった!、すばらしかった!という感想を送ることも大切ではないかと考えています
医療者の方々だって、患者から感謝の言葉や良かったという感想があれば、うれしいのではないでしょうか
新聞も番組も、「受ける」という手ごたえがあればもっとそういうものを増やそうとおもうかもしれません。記者や製作者個人ではなく、会社あてに送ることが肝心だとおもいます。

>源氏星様
コメントありがとうございます。
趣旨としては、まったく仰る通りです。
一点だけ付け加えると、CBにしてもm3にしてもメディアが本業ではなく
本業の人材紹介やMR支援その営業を支援するための看板として
メディアを持っているのが特徴です。
報じる内容ではなく
どれだけ営業に貢献したかで社内的には評価される構造になっていること
ぜひ医療者の皆さんには知っていただきたいと思います。
つまり、皆さんがもっとCBやm3に頑張ってほしいと思うなら
皆さん自身が彼らの営業に協力してあげないといけません。

川口様、ありがとうございます。結局我々がいいと思う報道内容でも、私たちが転職して、彼らへの営業成績としてかえってこなければ意味がないということでしょうか。どんなに記者さんがいい記事を書いても、個人に対する直接のインセンティブにならないのですね。
ですが、直接のインセンティブがない中で良い記事が出てくるということは、個人の考え方や力量の差もあるのではないですか?そこを頑張っていただきたいと思うのですが。

>小児科医先生
ありがとうございます。
インセンティブの問題ではありません。構造の問題です。
やはりお分かりいただけてないようなので
改めてエントリーに書きます。

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