医学生の会勉強会3(vs.日医) |
|
投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年12月19日 21:31 |
本日、年末進行の峠。
でも医学生さんたちが日本医師会の内田健夫常任理事と勉強会をするというので、若干遅刻したけれど覗いてきた。
非常に密度が濃く面白かった。
丁寧に書いた方がよいと分かってはいるが
余裕がないので、内田発言の中で特に記憶に残ったことを羅列する。
「ロビー活動は与党中心。政権が変わったら、その時はその時の与党。現状、泥船になっているが、最後までつき合うのが大事なスタンス」
意思決定はどうやっているのかと問われて
「(略)医療事故調問題は担当理事がよく打ち合わせをしないまま突っ走ってしまった」
なぜ日本医師会の会員が増えないのかと問われて
「毎年医師の自然増が3500人〜4000人あるのに、昨年医師会への新規入会が400人しかいなかった。非常にショック。医師会のこと、属するメリットを知らないのが、まず大きな原因。現実問題としては会費が高すぎるのもある。私の地区でも入会金が100万円。ただし、これからは公益法人になる。公益法人は会費を自分たちのために使うんじゃない公益のために使うんだということで理解を得られる部分もあるのでないか」
−−既得権益を守る団体と理解している。それは悪いことじゃない。でも公益のためと言われて、そのためにお金を払えと言われたらどうなんだろう。
「既得権益というよりも正当な報酬だと思う。それすら侵されつつある。公益を守ることで医師にもはね返る」
日本医師会の役員が多忙すぎて、特殊な医師しかなれないではないかと問われて
「郡市レベルでは医師会の会議は夜なので診療に差し障りはない。しかし行政の相手をするようになると昼の会議が増えて大変になる。私の場合は、午前8時から11時まで診療を行った後、医師会活動をしているが、それは東京近郊に拠点があって自宅から通えるから。医師会役員14人のうち5人しか自宅から通っている人はいない。他の役員は月曜日の午前中に診療した後、東京に出てきてホテル住まいしている」
医療を取り巻く諸問題について、どのように国民に周知するのかと問われて
「広報に関しては会員向けと国民向けとあるが、どちらも発展途上で不十分。マスメディアとの付き合いかたももっとうまくしないと、正確に伝えてもらえるような関係構築が必要だが不十分」
日医総研はどのように厚労省のカウンターパートとなり得るのかと問われて
「総研はスタッフ30人、厚労省は8000人。人数でも予算でも比較にならない。しかし我々は全国の医療の現場を押さえている。そこが拠って立つ基盤と思う」
−−勤務医の声を反映していないんだから現場の声を反映しているとは言えない。
「そういうシステムになっていないと皆さんが感じているのなら反省しないといけない。現場を反映してこそ存在価値がある。その意味で圧倒的に情報のやりとりが少ないことは間違いない。このような場で話をするのは、役員3年目で初めてだし、他の役員で1人でもこういう場で話をしたと聞いたことがない。今後は呼ばれればどこへでも行く」
集票力が落ちているのでないかと問われて
「弱体化していることは間違いなく、大きな課題。組織が大きくなって結集させることが難しくなったのと、結集できるような目標設定が機能してないということはある。ただし、大きな組織は皆同じ悩みを抱えている。組織で選挙をすること自体、時代遅れなのかもしれない」
学生のうちから会費無料にして会員に囲い込めばと提案されて
「やってもいい。広報に毎年何十億円も使っているけれど、インターネットで情報配信したり、意見もメールでもらうようにすれば無料でできる」
−−そうはいっても郡市は入会金がないと活動できないと思う。日本医師会単独で加入はできないのか。
「逆はできるが日本医師会だけというのはない」
−−郡市医師会の人は嫌がるかもしれないけれど勤務医は喜ぶと思う。
「検討する」
辞めてしまった女性医師の支援だけでなく、働きつづける女性医師の支援をしないのかと問われて
「医学部定員増員よりも大きな事業かもしれない。大切な事業としてやっていく」
駆け足で申し訳ない。
詳しくは、彼ら自身が議事録を公開すると思うので
それを御覧いただきたい。
<<前の記事:周産期・救急懇談会5(ハイライト) 臨床研修検討会4(2):次の記事>>
コメント
> 総研はスタッフ30人、厚労省は8000人。
使い物にならない8000人より、やる気のある30人の方がアテになると思いますが…。