外から見ればひとつなのに。 |
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投稿者: | 投稿日時: 2009年04月27日 17:10 |
「要は名誉棄損に名を借りた口封じであり、ボランティア組織に対する明白な敵対行為だ」
骨髄バンクを支援するボランティア団体「公的骨髄バンクを支援する東京の会」が昨年、厚生省出身の元骨髄バンク役員から名誉毀損で訴えられ、会を応援する会合が25日午後、東京・銀座で開かれたそうです。(昨日のニュース「骨髄バンクは天下りを拒否せよ-『東京の会裁判』を支援する集い」)
【「骨髄バンクも今でこそ70人くらい職員がいるけれど、最初は5人位で人もカネもなかった。だから支援しないとどうにもならんということでボランティアが支えてきた。」――そもそもはバンク設立を求める草の根の運動が結集して民間主導で成立した組織であることと、期待に反して今ひとつピリっとしない財団の活動を多くのボランティアが支えてきた経緯があるため、今回の訴訟で、全国のボランティアたちの怒りは爆発寸前になっているようだ。】(記事より抜粋)
なんだかとても悲しいですね。
そんなことがおきているなんて、全然知りませんでした。先日も臍帯血バンク経由の移植が5000人、骨髄バンク経由の移植が1万人に達したのを記念して、全国で植樹が行われていることを知って、組織運営等も順調に行われているものと思っていたのに、ショックです。
今回の件は、要は骨髄バンクに厚労省からの天下りでおさまった元役員が、骨髄バンクを当初からずっと支えてきた「公的骨髄バンクを支援する東京の会」の会報の内容を「名誉毀損だ」として訴えたものといいます。
会合当日のパネルディスカッションでのやり取りから、「公的骨髄バンクを支援する東京の会」が、なぜそのような内容の会報を配信するに至ったのか、その経緯が見えてきます。気になったところをまた、いくつか抜粋してみます。
東井「今回の問題に関して思うのは、財団の理事長、副理事長がだらしなさすぎる。厚労省から来ているキャリアの処遇に気を遣いすぎだ。常に自分たちのディフェンスが先に立つというか、自分の立場や厚労省との関係ばかり考えているのでないか」
若林「財団は、(天下りを押し込むために無理やりつくったものではなく)ボランティアから出来上がってきたものなのだから、天下りは要らないけど補助金はもらうよ、という交渉を理事長はすべきだし、皆さんもそう要求したらどうか」
野村「たしかに20年間、期待通りに働いてくれた天下りは1人もいなかった」
若林「国との連絡に必要だと言うなら、その日だけお願いして、日当3万円も払えば十分」
医療の制度的な側面の話になると、意図していなくても、なぜか頻繁に厚労官僚の天下りのことが出てきてしまいます。いろいろな角度から見れば、天下りそのものが一概に悪いとは言い切れないのかもしれませんが、もし天下り先の確保がまず先にありきの行政になっていたり、結果的にそれが本来の業務の合理的な推進を妨げていたりするなら、やっぱりどこかで何かを見直す必要があるんでしょうね。そうでないと、ごく普通に生活している一般国民としても、なんだか膨大な額の税金を“無駄にくれてやっている”という気分になってしまって、とても腹立たしいです。
とくに今回の骨髄バンクは、「天下り先の確保のためという目的が先にあってできた財団でないにも関わらず、結局は当初の本来の目的を十分に果たせていない」と、ずっと当事者として活動してきた支援ボランティアの人たちは感じているようです。支援ボランティアの人たちがこれまで骨髄バンクに提言を行ったり、苦言を呈してきたのも、「骨髄・造血幹細胞移植を発展させたい」という一心からです。それを真摯に受け止められず、自らの行いを省みず、むしろ名誉毀損の訴えというカタチで体面を取り繕うことばかりしているのだとしたら、訴えを起こされた側だって憤るのも無理はないだろうと思います。
骨髄バンクと支援ボランティアの関係がこんなことになってしまっている(一部なのかもしれませんが)ことなど、多くの国民は知る由もないですよね。そもそも、骨髄バンクとそれを支えるボランティア団体をきちんと区別して考えている人たちもどれだけいるでしょうか。「医療志民の会」の共同発起人の大谷貴子さんも支援ボランティアのお一人ですが、彼女をはじめとしてこれだけボランティアの人が活躍していれば、外からみれば、皆が「骨髄(あるいは造血幹細胞)移植の推進」という旗印の下に一致団結していると考えて当然です。
実際、これまで多くのことがそうして持ちつ持たれつの関係で成し遂げられてきたのだろうと想像します。それでも今なお、骨髄バンクを通じて骨髄移植を受けられるのは希望者の5~6割という現状を考えるなら、そんなふうに“内輪”でもめているような場合ではないはずです!支援ボランティアの方々の言い分がおかしいようには思えませんから、となれば骨髄バンクという組織の体制そして体質には再考の余地があるということなのでしょう。
最後に、パネルディスカッションでも触れられていた「ノーブレスオブリージュ」の自覚、そうした気概のある真のトップの出現が望まれるのは、骨髄バンクに限ったことでなく、もっともっとずっと国の上のほうの話でも同じなのかもしれないなあ、とぼんやり思ったのでした。(ただし、そのリーダーが良しと信じて、結果的に国をとんでもない方向に導いてしまうことも多々あるのですが。)
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コメント
公共広告機構で、亡き夏目雅子さんや本田美奈子さんの映像を用いたCMを目にするたび悲しみを新たにしながらも、彼女たちの死をきっかけに骨髄バンク登録者がものすごく増えたということを知り、少しでもこのような悲しいことがなくなればいいという希望を抱いていました。
本田さんが亡くなったとき、どれほど泣いたことか。夏目さんも大好きでした。
彼女たちの死をどう思っているのでしょうか。
紀子妃殿下も、悠仁殿下を出産されたとき、臍帯血を提供されたと聞きました。人の上に立たれる方が進んでこういう活動に取り組んでいることをうれしく思い、きっと妃殿下に倣って、臍帯血提供をする人が増えるだろうとも思いました。
こういった善意を踏みにじるようなことはやめていただきたいです。
ぽんぽこやまさま
コメントをありがとうございます。バタバタしていていてお返事が遅れました。すみません!
そもそも本当に善意で骨髄バンクの活動に参加している多くの人々がいるなかで、一部の人がその善意を自分の思惑のために流用している感じ、本当に許せないですね。しかも自分が動かなくて文句を言われ、それに対して名誉毀損に打って出るなんて、本来協力関係にあるべきところを、本当に何をやっているんだろうと悲しくなりますね。