夏野菜は冷房病の敵? |
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投稿者: | 投稿日時: 2009年07月17日 10:52 |
昨日は、保健機能食品について調べてみたわけですが、「健康食品」というものが出回るずっと前から、「医食同源」という中国由来の言葉がありますよね。なかでも私が気になっているのが、「体を冷やす食べ物」「体を温める食べ物」という言い方。時々耳にしたりしませんか?先日、夏バテに関連して冷房病にも触れましたが、冷房の中で一日中過ごすOLを中心に、「体を温める」といわれる生姜を使った食品が流行っているそうです。
それにしても、体を「冷やす」「温める」食べ物って、どういうことなのでしょうか?
それを知るために、いくつか東洋医学に関連したサイト等を調べてみました。それらによると、東洋医学では食べ物の性質を大きく「熱」「温」「平」「涼」「寒」の5つのタイプに分けているようです。「熱」に属する食材がもっとも「体を温める」作用が強く、逆に「寒」は「体を冷やす」作用が強い、そして「平」はそのどちらでもないとのこと。
具体的には以下のような例がいろいろなサイトで挙げられています。しかし一部、曖昧なものや説が異なるものもあるようです・・・。それについては後述しますね。
【 熱 】
調味料:唐辛子、胡椒、山椒
【 温 】
野菜:ねぎ、ピーマン、玉ねぎ、にんじん、パセリ、しそ、ブロッコリー、れんこん、しょうが、にんにく、ニラ、らっきょう、かぼちゃ、かぶ、しそ、
穀類、いも類、豆類:もち米、じゃがいも、いんげん豆
肉類:鶏肉、羊肉、鹿肉
魚介類:アジ、フグ、ウナギ、エビ、サバ、カツオ、イワシ、マグロ、サンマ、なまこ、エビ果物類:ナツメ、クルミ、桃、栗、あんず、プルーン、さくらんぼ、ライチ
調味料:わさび、和からし、黒砂糖、水飴
【 平 】
野菜:白菜、加熱した大根、キャベツ、にんじん
穀類、いも類、豆類:白米、とうもろこし、さつまいも、空豆、落花生、大豆、えんどう豆、あずき、山芋、長芋
肉類:牛肉
魚介類:イカ、アナゴ、アサリ、アワビ、サザエ、コイ、カレイ、ウナギ、
果物類:梅、ぶどう、いちご、いちじく、ザクロ、パイナップル
【 涼 】
野菜:生の大根、セリ、ホウレン草、レンコン、きゅうり、セロリ
穀類、豆類:小麦・大麦・ハトムギ、ソバ、緑豆
肉類:豚肉、馬肉、鴨肉
果物類:梨、バナナ、伊予柑、みかん、ビワ
その他:緑茶
【 寒 】
野菜:たけのこ、トマト、茄子、レタス、アスパラガス、冬瓜、白菜
穀類、豆類:玄米、豆腐、納豆、里芋
肉類:豚肉、馬肉
魚介類:カニ、カキ、シジミ
果物類:梨、柿、バナナ、スイカ
調味料:味噌、醤油
その他:海藻
こうしてみると、寒いところでよく食べられているものは体を温め、暖かい地方や季節に取れる食べ物は、体を冷やすものが多そうですね。
普段から食べていて実感できるものもあります。唐辛子などはたくさん食べると汗が噴き出しますよね。生姜やねぎも昔から、風邪の時によく用いられてきました。イメージの問題かもしれませんが、においの強い野菜等は体を温めるものが多いように見えますね。一方、夏に採れるスイカやきゅうり、トマトなど食べると涼しく感じます。野菜のところを見ても、水分の多いものに体を冷やすものが多いようです。バナナなどを見てもそうですが、カリウムが多く含まれるものは体を冷やすのでしょうか。カリウムには利尿作用もありますから、排尿とともに熱が逃げるんでしょうかね? ちなみに、よく言われる「秋茄子は嫁に食わせるな」というのは、ナスが体を冷やして体に障るからなんだそうです。
ただ、先にも少し触れたように、上で列挙した例に反する説や疑問もかなりあります。例えば・・・
●ジャガイモもカリウムを多く含む食品。となると体を冷やすとも考えられるのでは?
●一般に血行をよくするような食べ物は体を温めると考えられますが、たんぱく質や鉄分は血を作るもとになり、体を温めることにつながります。しかし肉類の一部や鉄分を多く含むほうれん草は「涼」に属しているのはどういう理由でしょうか・・・?
●にんにくは滋養強壮によいとも言われますし、体を温めるというのはそれほど意外ではありません。しかしカリウムも多く、生では刺激が強すぎて胃を悪くして消化・栄養吸収を妨げるなど、逆効果にも。加熱調理がよいようです。
●唐辛子にはカプサイシンという成分が含まれ、体を温めることで有名です。しかし同時にカリウムも多いようですし、カレーなどを食べた後に汗をかいて体温が下がることを思うと、本当に「体を温める」のか、という疑問がわいてきます。
実は、こうした特定の食べ物が体を冷やす・温めるとされている根拠について、いろいろ調べてみましたが、東洋医学というのはいわば経験知である部分も大きいので、一部を除いていまいちよくわからなかったです。もちろん、含まれる成分等を調べればそれなりに説明がついたりするのでしょうが・・・。(先述のようにカリウムがよく引き合いに出されていますが、それだけでは説明がつかないものも多いのです。)
それでも、先にあげた生姜やねぎ、夏野菜など、経験からすでに自分たちでも効果を感じているものもありますよね。暑さからの夏バテには夏野菜を取り入れ、逆に冷房病ぎみならば体を温める食事をとるとよさそうです。それに、旬のものにはビタミンやミネラルなどの栄養が時期はずれよりも多く含まれているとのこと。冷房病など考えられなかった昔、夏バテは暑さによるものでしたから、そうした時期に夏野菜を食べることはいろいろな意味で理にかなっていたのですね。いずれにしても食欲の出ない時期だからこそ、口当たりの良さ等だけでなく、そうしたことを考えて、健康管理の一環としてバランスのよい献立を自分で考えていく必要があるんですね。
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