健診

投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2009年07月24日 15:08

今年は、3月に術前検査で全身のチェックをしたもらったので、
恒例の健康診断はパスしていいかなと勝手に思っていました。

ところが、敬愛崇拝するリウマチ主治医に
「ちゃんと毎年受診したほうがいいですよ」
と言われ、素直に従いました。

12回目となり、お馴染みの健診施設ですが、印象に残ったこと。

受付で「お名前で呼びますか?番号でお呼びしますか?」との問いに、
番号で”と希望する人が2~3割だったこと。

「よく採血してますね。同じところから採りますけどいいですか」
と検査技師さんに聞かれたことも驚きました。
素人では採血針の穴なんてわかりませんが、さすがプロだなあと。
それなら、腕より私のお腹は注射針の穴だらけなんだけど、それも一目瞭然なのかな?
血管だからわかるのでしょうか?


最後に名誉センター長という先生との面談で、

「リウマチですかァ?それは大変だ」

「原因がわからないからねぇ。大変だ」

「いつから?」

(足掛け14年と答えると)

「・・・・そんなに長く?ふう~ん、そりゃ、大変だ」

と度々、同情(なのかな?)してくださいました。

思わず

『別に・・・』

と言いそうになりました。

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コメント

真木魔愛さま

注射跡
たぶん、血管壁が堅かったのだろうと思います。穴が残ることはありません。

「リウマチですかァ?それは大変だ」
「別に」とはっきり言った方がよいでしょう。上から目線で、このような方に診てもらう必要はないでしょう。

健診は毎年受けるべきか
少なくとも全身麻酔用の検査を受けたのなら、項目的には健診を受ける必要はありません。がん検診なら受けた方がよいでしょう。毎日100g単位で体重を量ることはもっとも簡単な健診です。

日本では、予防医療は財政上別建てになっており、医療保険を使ってはいけないことになっています。「ついでに検診もやっときましたよ」などという医師は査定や指導を受けるはずです。それに、検診って、そんなに気易くできるものではありませんし。
検診の重要性はいくら強調してもしすぎることはありません。【予防は治療に勝る】
のです。
(ただし、検診がもっとも効率よく健康維持に貢献するのは乳幼児・中高年以上の場合で、普通の健康な若年者はあまり御利益はないとされています。)
  中高年以上の検診項目は非常に多岐にわたりますが、
*栄養指導(適正体重の維持)
*定期的運動の奨励
*禁煙指導(肺機能検査で肺気腫をチェック、肺炎球菌ワクチン)
*適量飲酒指導(メタノール20g=ビールなら700ml、日本酒なら2合、ワインならグラス2杯。女性はその半分。)
*シートベルト着用指導
などの、あたりまえの生活指導が実はもっとも重要であり、力を入れるべきことなのです。
どこか悪いところがないかを見つけるには、検査をしまくるよりも問診が大事で、
*ROS(Review of Systems)
といって、 全身臓器ごとの網羅的な質問表に記入してもらうのが効率的です。

おなじみ生活習慣病などを早期発見するための諸検査
*血球数(CBC)
*脂質プロフィール(LDL・HDL・TG)
*糖尿病スクリーニング(空腹時血糖・HbA1c)
*肝酵素
*腎機能(検尿・BUN・クレアチニン・GFR)
*甲状腺機能(TSH)
*心電図
*胸部X線
*肺機能

エビデンスに基づいたがん検診
*大腸癌(便潜血または大腸内視鏡)
*子宮頚癌(膣細胞診)
*乳癌(マンモグラフィー)
*前立腺癌(希望者に血中腫瘍マーカーPSA)
ちなみに、血液検査で癌の早期発見ができる?と大人気の腫瘍マーカーですが、スクリーニングとして有用性があるのは前立腺癌のマーカーPSA(しかしこれでさえ議論があり、患者とよく話し合ってから検査するように推奨されています。高齢者の場合は特に、前立腺癌が見つかったとしても寿命とは無関係というデータが多いため)と、B型C型慢性肝炎患者のAFPの二つだけとされています。
よく、人間ドックで腫瘍マーカーが異常で要精査、という患者さんをみかけますが、困りますね。検査しっぱなしで、そのあとの説明や精査はほかにまわす施設が多いのが問題ですね。
*胃癌?・・・日本人は胃癌が多いので胃透視がさかんに検診として実施されていますが、質の高い証拠はあまりありません。今後、ピロリ菌の胃癌への関与が明らかになるにつれて、検診が変わっていくでしょう。少なくとも、一度何らかの異常があった方は、以後は胃透視ではなく内視鏡検査を受けるほうが放射線被曝を減らす意味で望ましいでしょう。
*肺癌  残念ながら早期発見の方法は確立されていません。CTが有望視されましたが、有効性は今後明らかになっていくでしょう。喫煙者は即刻禁煙してください、肺癌のほかにも多くの癌がタバコがらみですので。過去に喫煙歴があり、ご心配な向きは、今後、CTで早期発見できるかの研究結果にご注目ください。
更年期以降の女性や、ステロイド治療などで骨がもろくなっている方なら、
*骨密度
も、将来の転倒→骨折によるADL低下予防のために必須ですね。良い薬ができて、実際に骨量を増やすことができるようになったからです。
最後にワクチンですが、
*B型肝炎ワクチン(C型肝炎患者や肝臓病の人はもちろん透析患者も受けるべきですし、家族にB型肝炎患者がいる人も当然受けるべきです。日本はWHOから汚染地域に指定されていて本来国民全員が赤ちゃんの定期予防接種を受けるべきなのに厚労省が重い腰をあげないのは???)、
*肺炎球菌ワクチン(喫煙者・喘息・肺気腫などのCOPD・糖尿病・高齢者など免疫力低下のある人)
も適応どおり実施しましょう。日本は予防接種後進国なので、自腹を切ってでも、WHOやCDC推奨のワクチンはぜひうけておきましょう。くりかえしになりますが、

≪予防は治療にまさる≫

(腫瘍マーカー以外にも、不安に乗じての不必要な検診は数々ありますが、今回は触れません・・・)

間違いました、メタノールではなく、エタノールです、メタノールをのむと失明してしまいますので、飲んではいけません。

念のため

健診と検診は違うものです。

健診を保険診療で行う事は全く不可能です。健診事業としてやらなければならないので、混同されることはあり得ないでしょう。

ただ、保険診療の中で行われた診察や検査の中で健診や検診の項目を結果として包含していることがあります。とくに健診は総括的なので入院などのイベントがあると多くの項目がカバーされていることが多くなります。ただその結果をもとに保健指導を受けられるかというと、それは難しい事が多いでしょう。健診は臓器別専門診療では扱わない一つの専門知識ですから。

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