若手研究者のやる気を失わせた 鈴木寛・文科副大臣 コメント欄 |
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投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2009年10月23日 12:44 |
「プレーンの状態であれば通らない話であっても、いったん公表したものを覆すだけの盛り上がりに欠けた。若手研究者をディスカレッジしてしまったことは間違いないので、これを大いなる教訓にして、科学的に先端研究を支えていく仕組みを構築していきたい」。鈴木寛・文部科学副大臣は、いち早く疑問を表明していた最先端研究開発支援プログラムの選考やり直しに至らなかったことに無念さをにじませつつ、今後を見据えて必要な取り組みを列挙した。(川口恭)
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コメント
この鈴木副大臣のコメントが本当だとしたら、これは大変な人物ですね。
こんなに胸のすくコメントは、近年読んだことがない。
今回、この方が厚労行政に来なかったのが残念でなりません。
一方で、N妻さんにはしっかりして欲しいですね。筋のよいブレーンはいないのでしょうか?
鈴木副大臣のように、科学研究への理解と支援を精力的に行う政治家が多くいらっしゃれば、日本の将来も明るいと思いました。
以下は私見ですが、果たして賞を欲する研究者がいるのでしょうか?
高校生が数学オリンピックで金賞をとるのとは訳が違います。
その賞(ノーベル賞でもラスカー賞でもいいですが)をとらないことには、税金を使うことに国民は納得しないなんておかしな話です。
特に医学に関しては、研究が医療になって、国民に還元されることを国民は望んでいます。
論文を書くための研究が産業につながらないのと同じ理屈で、
賞をとるための研究は、ポスドク雇用対策にはなるかもしれませんが、新しい産業には結びつかないように思います。
賞をとれば研究費が取れるから研究をする、などというような研究者がいたとしたら、そしてそこに税金が使われるのなら、がっかりです。
今の日本に必要なのは、新しい産業創造につながる研究、患者の治療に直接つながる研究です。
日本は、大学ではいわゆる論文のための研究が盛んに行なわれていて、産業は企業が別に行なってきました。
企業だけで行なえる知的な産業は、日本ではすでに行き詰まり、いまこそ、産官学の知恵を結集して、新しい産業のための研究、患者の治療のための研究をすべきときなのです。
鈴木副大臣がご指摘のとおり、今回の最先端研究は、出口研究をうたっていたのに、従来の産業界や、旧体制の研究者が中心に選ばれてしまったことはとても残念でした。
日本は、安全問題に特に敏感なので、ライフサイエンスの分野は、安全性がすでに担保済みの既に臨床応用がされている研究から新しいテーマを探すことが一番現実的です。今の日本を立て直すには、ライフサイエンス分野では、iPS細胞の研究にお金を使うより、現実的に新しい産業や患者の治療に直結する、臨床からのテーマを大切にすべきです。
研究は、地道で大変な作業です。医学系の研究者がこういった大変な作業を続けているのは、賞をもらいたいからではなく、今まで治せず悔しい思いをしていた患者を治したいという悲壮な使命感です。こういった使命感をもつ研究者を少しでも、勇気付けるためにも臨床からの研究を大切にしてほしいと考えています。
鈴木先生のような深い思慮をもつ方が新しいリーダーになられたことで、今回の最先端研究の件がよい反省材料となって、科学技術立国日本の復活ができることを期待しています。
こういう言葉の一方で、若手Sが締め切り直前に突然公募停止となっています。仰っておられることは大変結構な内容ですが、それが施策には反映されていないようで残念です。
科学技術の人材の裾野を広げることは重要なことですが、そのために、40年以上も前から高校に理数科を設けたのではないでしょうか。そうした施策の評価をしっかり行ったうえで、どういう打ち手が必要か考えていくことが大切だと思います。
研究費に関しては、片手間の審査ではなく、専属のreveiwerをもっと増やして多面的な審査・評価を充実していくことも一案だと思います。ポスドクの進路の一つにもなるのではないでしょうか。