コメディカルの確保が病院経営に大影響? コメント欄 |
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投稿者: 新井裕充 | 投稿日時: 2009年11月16日 04:05 |
管理栄養士、診療放射線技師、臨床工学技師などの「コメディカル」は決して「小メディカル」ではないのに、病院のヒエラルキーの下では医師、看護師、薬剤師らに次ぐ位置付けで扱われることが多いと聞く。しかし、来年度の診療報酬改定によって、コメディカルの確保が病院経営に大きな影響を及ぼす可能性が出てきた。(新井裕充)
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コメント
やっぱりチーム医療をわかっていない
コメディカルの重要性と、それぞれの職種が自分の能力を高めることと、チーム医療を円滑に行うこと、全ては別の次元ですが、混同していますね。
コメディカルが病院経営を圧迫しているわけではなく、国民が求める医療サービスの質が向上していることと、「医療」の本質が実は「医学」の上にあるのではなく「医学」は「医療」の一部でそれ以外の部分として「看護」や「介護」や「リハビリ」や「福祉」が重要であり、コメディカルが脚光を浴びているだけなのですが。病院経営を圧迫しているの「医療の本質」を理解していない「保険診療報酬制度」です。
それぞれの職種が自分の能力を高めるために自己投資していることは、一般社会通念からするとかなりおかしい話で、会社の中で経理を担当することになったら帳簿のつけ方は会社が教育します。自費で外部に習いに行くということは普通しません。これは税務署が勤務医師の自己研鑽に対して冷淡だったことが影響しており、それをあたりまえと考えた医師が他の職種に対しても同じように対応することを暗に求めている(病院経営者として積極的に自己研鑽を支援していない)からです。
チーム医療の本質は自己の確立と相手を認めることです。それぞれが自分の強みを認識し、生かそうとすることと、相手の強みを理解し、相手の意見を取り入れようとすることです。したがってチーム医療がうまくいっていたとしても、それぞれの職種が他の医療機関・研究機関の成果を学習し取り入れなければ時代遅れの仲良しグループになります。
チーム医療を重視することは良いことですが、カンファレンスの定義などどうでも良いことです。また人工呼吸器の管理を医師の仕事と思っているなら医師だけで24時間勤務を行いかってに疲れ果てればよいでしょう。
病院経営の於ける職員研修の欠如
企業では社員教育・研修に予算を割くのは当然の行為として行われています。
ところが、病院だけは自己研修に頼ってきた経緯があります。
医師は学会参加や研究会でなにがしかの勉強はしています。
ところが看護師にたいする教育がほとんどなされていないのでは? 端から予算がほとんど無いのですから。
社員教育をしない企業なんてないだろう・・といっても、「研修=遊び」ととらえていた議員が大部分なのでどうしようもありませんでした。
予算を決める立場の議員が「研修」という名で「遊び」をしていたから、緊縮予算となると研修出張費を真っ先に削ってきました。
診療報酬に反映されるのは歓迎ですが、研修費の予算を病院(あるいは議会)が認める必要があります。でないと診療報酬のために自費研修が増えるという事態になります。
結局のところ、勤務医、開業医対立と同じで
医師、Ns、コメ対立をあおっているだけということに何故気がつかない?
医師、Ns、コメ対立とは思っていません。
当院ではきわめて意思疎通・協力ができています(民間病院です)
またコメディカルの研修出張を積極的にさせています
(職権で毎年150-250万円の投入をしています。病床160の病院ですよ!)
しかし市町村の公立病院ではまず議会から予算の承認を得なければなりません。赤字垂れ流しの公立病院では研修費は削減対象の筆頭です。
(以前、勤務していた地方の中核病院)
コメディカルを大事にする医療機関はうまくいく
医師が頑張りすぎる医療機関では患者を含めて多くの人に忍耐が必要
全ての人は治癒力を持っていて、これを支援し、治癒を阻害する因子を除くことが医療の本質であるはず。医師が「治してあげる」と思った瞬間、おかしなことが始まる。
医師以外の医療職を尊重するか否かすら、医師が独断で決定できる現在の制度、慣行を改めるべき。
処方せんを発行するかどうかは医師が決定でき、院内では事務員でも調剤可能。院外の薬剤師や薬局の経営者の多くは、医師の顔色を常に窺い、薬物治療の問題点を指摘することも出来ません。医師の機嫌を損ねたせいで潰れた薬局は数知れず。患者から見た薬剤師のイメージが「医師に遠慮して自分の意見を言わない職種」「薬を袋に詰めて渡すだけの人」として定着するのも当然です。
これまで医師会が提案し、国が承認してきた日本の医療制度には、差別の追認と呼ぶべきものが沢山あります。制度を改めても差別の文化は長く残るでしょうが、各医療職に希望やプライドを取り戻すきっかけになると思います。
院外の薬剤師や薬局の経営者の多くは、医師の顔色を常に窺い、薬物治療の問題点を指摘することも出来ません。医師の機嫌を損ねたせいで潰れた薬局は数知れず。
本当ですか?調剤薬局一人勝ちという現実と合いませんが?
調剤薬局はほぼリスクのない経営をしていると思っていました。
(経営努力といえば、医師の顔色を常に窺う、ぐらい)
私の働いている地域では調剤薬局がコンサルタントとして開業支援までしてますけど。
医師の顔色を窺うという行為が唯一の経営努力と成り得る現在の制度や慣行に問題があるのではないでしょうか。
ないか様が仰っている調剤薬局というのは、開業支援や医療モールでの割安のテナント料の見返りに、開業の際には処方せんを発行してあげてもいいよという医師と、コンサルタント料や低額のテナント料の損益は調剤で回収できるとする企業が協働する『調剤薬局ビジネス』です。
これが経済的合理性をもって行動する訳ですから、優先順位の第1位は勿論処方医の満足度であり、患者利益が優先するはずがありません。
このビジネスモデルの前提となるルール(処方せん発行の有無は医師が決定、門前薬局でなければ事実上対応できない商品名指定など)は、強い医師会が作ったものです。各会員にとっては経済的、権威的に大きな財産ですが、患者にとってもこれが間違いではないことの説明は(情緒的ではない方法で)本来ならば必要でしょう。
調剤薬局一人勝ちという認識が、日医総研の発表した「医療費抑制政策下での医療費分析-調剤医療費の伸びについての一考察-」のような内容であれば、残念ながら見当違いです。
医科・歯科・調剤の医療費推移を分業率の向上を含めて比較すれば、分業が進んだ分調剤が上乗せされるのは当然です。
分業が進めば上記のルールにより大手調剤チェーンには順風が吹きますが、「ピッキングマシン」と称され、疑義照会の回答もまともに貰えない個々の薬剤師は「負け組」以外の何者でもありません。
処方医の満足度、と、患者利益が両立することはないでしょうか?
何を言いたいのかが、よくわかりません。
処方せん発行の有無は医師が決定、門前薬局でなければ事実上対応できない商品名指定
これは調剤薬局の側にとっても在庫管理の面からメリットではないのでしょうか?
強い医師会が作ったものかどうかは知りませんが、無限の在庫管理をできない以上、ルールは必要なのでは?
現在のように薬が増えてしまってはある程度の規模の調剤チェーンでないと在庫管理の面からはかなり厳しいことになると思いますが。
結局、『医師が独断で決定できる現在の制度、慣行を改め』てどういう制度にすればいいと考えているのかがさっぱりわかりません。
こうあって欲しい! 調剤薬局
一人の患者さんの処方を全て管理して欲しい。
全てとは、
その患者さんにかかわる全ての医療機関の処方箋のこと
あまたある異名同薬、ジェネリック、同作用起序薬、同効薬を理解してその相互作用に関する管理
処方に対する患者・家族の受け入れ
服用状況
副反応の発生状況
を言っています。
こういう事がなされていて初めて服薬指導でしょう。
「お酒と一緒に飲んでも良いですか?」
「お酒によって薬の作用が強く出たり弱く出たりすることがあります」
この会話は服薬指導とは呼べないでしょう。
薬剤師だけに厳しく言うつもりはありません。医師の栄養指導、運動指導なども、ひどいものをたまに見かけます。
医師も、看護師も、薬剤師も、多くの報酬をもらって何も悪くはありません。良い仕事をして、国民の健康に資するなら、お互いの給与を高めるように協力して行くべきです。
「薬価」と「検査費用=検査機器代金」は別です。これらの中で海外製のものを使えば、医療費が外国へ逃げて行きます。わが国の医療費はできるだけわが国の労働者の懐へ入れて欲しいものです。そして国産、外国産にかかわらず、これらのものは一般に毎年安くなります。アメリカが1年先に使えば、アメリカの医療費でわが国で使うものの値引きをしたことになります。1年遅らせればそれだけ有害事象のデータも増えます。少しでも早く最新の医療をという気持ちはわかりますが、より安全なより良い医療を求めるなら、最新医療は少し待ってからという選択肢が合理的です。イギリスはそういう決断をしました。フランスも公言はしていませんが基本的にそういうスタンスです。世界一たくさんのCT、今から見ればおもちゃのようなCTを日本中の医療機関が購入し、企業がどんどん性能改良し、価格を安くし、診断方法を開発し、世界中の人々がその恩恵を受けてCTを導入し始めました。これだけでも日本の貢献は十分でしょう。
少し脱線したようです。
医療者の給与は押しなべて低すぎる。上げるためにはパイの奪い合いではなく、人件費総額を上げるしかありません。その際医療費全体を上げる議論と、医療費の中の人件費比重を上げる議論と両面展開すべきです。
>医療者の給与は押しなべて低すぎる。上げるためには
>パイの奪い合いではなく、人件費総額を上げるしか
>ありません。その際医療費全体を上げる議論と、
>医療費の中の人件費比重を上げる議論と両面展開すべきです。
民主党政権になれば、医療費総額は変わらず、パイの奪い合いになる事がわかりきっていたにもかかわらず、民主党を支持した医師団体が存在することが不思議でなりません
なぜ、彼らは民主党政権を公然と支持したのでしょうか。
>医療費総額は変わらず、パイの奪い合いになる事がわかりきっていた
これは政権交代以前に自公政権下で現実に起こっていたことだから、医師の間でも政権交代要求が高まっただけのことですね。実際に政権交代してもその現実が変わらなかったのは、厚労省に政権交代に即しての人事交代がまったくなく旧態依然たる悪弊多き行政手法がそのまま温存されたためです。
"2008年の社会保障国民会議の発表によると、社会保障の5分野(年金、医療、介護、少子化対策、雇用対策)に対する国民の満足度は医療が最も高く、年金が最も低いという結果です。しかし、緊急に改革が必要な分野は「年金」が1位、「医療」が2位となっており、年金制度は「崩壊」、医療制度は「崖っぷち」にあると受け止められています。さらに、圧倒的多数が、社会保障制度の問題点として非効率性、無駄が深刻であることをあげています。"
http://www.dpj.or.jp/policy/koseirodou/index2009_medic.html
民主党の政策集を見る限りは、選挙前から、医療の非効率性、無駄が深刻であることを重要視していたように思います
結果論と言われたらそれまでですが。
ふじたん様の薬局へのご要望は仰るとおりだと思います。
〉「お酒と一緒に飲んでも良いですか?」
〉「お酒によって薬の作用が強く出たり弱く出たりすることがあります」
のような笑い話は実際にもあるようで、類似薬に変更になった患者から「前の薬とどう違うか」と尋ねられた際、構造式の側鎖が違うと説明した薬剤師がいたなどとも聞きます。
日本の薬剤師が医療の専門職ならば、ふじたん様が列記されているような基本的な業務すら遂行できていない現状は何が原因なのか受け止める必要があるでしょう。
人件費率が低いことに関しては、私も忸怩たる思いです。歪んだ経済大国から成熟国家へと方針転換してくれることを祈っています。
民主党を選んだ有権者の多くは、そのような「ニュアンス」で投票したのだと思うのですが・・・。