「再診料等に関する公益委員の提案」 ─ 遠藤会長の説明 コメント欄 |
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投稿者: 新井裕充 | 投稿日時: 2010年02月10日 21:57 |
「重点課題への対応、および外来管理加算の見直しに伴う費用増の予測困難性を鑑みれば、限られた財政枠の下では、診療所の再診料は一定程度下げざるを得ないと判断した。具体的な水準については財政影響を考慮しつつ、69点とする」─。診療所と病院の再診料をめぐる議論は、国民を代表する立場の公益委員の裁定で決着した。(新井裕充)
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コメント
再診はどれも同じか
支払い側の意見を容認できないことはもちろんですが、そもそも再診はどこでやっても同じという誤った論理に反論できない診療側代表には代表たる資格などないでしょう。
フリーアクセス制で、患者が不安を覚えればいつでも高額医療設備を備えた医療機関を受診できるわが国において、診療所に代表されるプライマリ・ケアを実践する医師たちが行う再診は、「細心」の注意を持って経過を見守り確定診断に至ろうとする非常に質の高い医療です。社会の中の患者、家族の中の患者、一人の人間としての患者を尊重した医療は、狭い領域の高度専門医療とはまた違った専門医療です。高額医療機器を使わないから安価な医療を提供できるだろうという意味ではなく、また日本の医療費を抑制しなければならないという意味だけではなく、豊かな経験と細心の注意を持って社会の中の人間として患者をとらえて医療を提供するということの素晴らしさを、堂々と述べられないというのは医師会代表として非常に情けない思いがします。
これで生産性の低い診療所は市場から撤退を迫られることとなるでしょう。
わかりやすく言えば、診療所が減ります。設備投資をしているところが中心です。どの程度減るのかは分かりません。中医協でも議論になっていないようです。
患者さんは他の診療所と病院外来に移ることを強いられます。病院外来に患者さんが移動するということは、そのまま病院勤務医の負担が増え、入院機能の低下することを覚悟する必要があります。病院収支は多少改善するでしょうが、医師不足で危機的状況にある病院は、もう持たないでしょう。
支払い側委員の全員と公益委員は、今後の事態の推移に多少なりとも責任を感じていただきたいものです。
また、もう中医協は要らないでしょう。廃止に向かって議論の始まることを期待します。