漢方をどうしたいか国民に問う 班会議が提言 コメント欄

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2010年02月25日 18:27

 厚生労働科学研究として設置されていた『漢方・鍼灸を活用した日本型医療医療のための調査研究』班会議(黒岩祐治班長=国際医療福祉大大学院教授)は25日、「国民の期待は大きいけれど実状は瀕死という漢方の実態をさらけ出して、どうしたいのか問いたい」(渡辺賢治・慶応義塾大漢方医療センター長)と5項目の提言をまとめ、長妻昭・厚生労働大臣あてに提出した。(川口恭)

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コメント

「不定愁訴」の患者さんの多くは身体表現性障害や心気症や鬱病やPTSDなどさまざまな心の問題を抱えておられます。こだわりを解きほぐすのに、何らかの「薬」を介入させるのが有効であることもあり、それは極論すればプラセーボでもよい場合もあるようです。プラセーボ論は非常に奥の深いものです。
癌の末期の患者さんが抱えている問題は、時間が限られているぶん、さらに深刻です。現代医学がもはや治癒は不可能とした「進行癌」から生還された患者さんは少数ながらおられ、何らかの免疫機序が推測されますが、もちろん、「奇跡」という以外には表現できないわけです。症例数は少ないですが、retrospective にでも研究が進めば、何が良かったのかが解明できる可能性はあります。漢方が「効いた」という方もおられるでしょうから、数を集めて、まずはしっかり検証していただきたいものです。
あくまでも、現代西洋医学の限界には謙虚でありたいと思いますが、漢方という特定のサプリメント、それも、成分に正確な再現性が期待できない漢方という処方に集中的に光を当て、さらには「医学教育」まで飛躍するのはいかがなものでしょう。国民の期待が大きいのはわかりますが、一方で、明らかに科学的有効性が明らかなワクチンには「副作用」を針小棒大に評価して及び腰な国民性であるだけに、慎重にお願いしたいところです。迎合でもなく、傲岸でもなく、きちんと対応づべきで、非医師が過半数の「国民代表」の会合で純粋に医学的な問題が検討されるのも非常に違和感があります。

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