「救児の人々」感想⑦

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2010年09月21日 12:25

今日は、建設業界で働いておられる市瀬理紀さん(24歳)から頂戴した感想をご紹介いたします。

市瀬さんは、私が先日「救児の人々」について話させていただいた社会人の勉強会に、ご来場されました。
普段は医療について考えることはあまりなかったという市瀬さん。
異業種が参加する勉強会で、様々な事に見聞を深めたいという思いから、私の話す会にもご参加されたとの事でした。

当日のテーマは、「記者として医療・福祉を見つめること」。
医療のことを一般の方に分かりやすく伝えることは本当に難しく、着地点をどうするかも私にとっては課題でした。
会のメンバーの方とも相談しながら色々悩んだ末、NICUや新生児医療などの言葉は一般の方には分かりにくい事や、解説形式のような語りでは興味を持ちにくいと考えたことなどから、私が本を出すまでの経過を取材録などを交えてお伝えしていくという形を取りました。
墨東病院事件から、NICU、在宅医療の問題、「医療にどこまで求めるのか」という問題提起・・・。

市瀬さんは私が話している間にも熱心に耳を傾けてくださり、終了後は本も購入して下さいました。
その後、懇親会に向かう道すがら市瀬さんとお話をさせて頂きましたが、とても柔軟なお考えをお持ちで、私が伝えたかったことを真剣に考えて下さった事が良く分かりました。
私は、「救児の人々」を普段医療についてあまり考える事のない一般の方に知って頂きたいと思ってきました。
当たり前のように医療を受ける事ができると思っている(思わされている)方にこそ、読んで頂きたいと。

市瀬さんは普段から、他の勉強会などにも積極的に参加されていて、日ごろから社会問題などを知ることについてアクティブに動かれている方でした。
そんな方にこの本について知っていただけたことはとても有り難かったですし、私自身とても勇気づけられました。
これからも、できるだけ多くの方に知って頂けるよう、活動を続けていきたいと思います。

市瀬さんから後日メールで感想を頂きました。
私が伝えたいと思った事を読み取って下さったんだなと、とても嬉しい思いになりました。


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熊田様


こんにちは。
先日サンラボでお会いした市瀬理紀です。
熊田さんの著書「救児の人々」を読ませていただいたので、感想を送りたいと思います。
一読しただけなので、まだ深く読み込めていないのが申し訳ないのですが、もしよければ読んでみてください。


本というものは読み手と書き手で受け取り方が異なると思うのですが、著書の中でも判断は読者にゆだねるということが書かれているので、僕なりの感想を述べたいと思います。

僕自身、最近は早産の未熟児でも救うことができるということは聞いていたので、日本の新生児医療の発展はすばらしいとも考えてました。ところが、著書にあるように、NICUの受け入れ体制、人員の問題、そして救命後の問題など実際は陰の部分があるということは今回初めて知りました。

本書に書いてあるとおりとすれば、日本の新生児医療は技術的には成熟していても受け入れ態勢は劣悪で、これは医療だけに限らず、日本人の障害者に対する接し方、当事者以外の認識不足など社会的な面で問題があるからだということになります。本書はそれらの問題点をただ列挙するだけでなく、何人かの当時者の生の声を取材形式で並べているので、現実の深みといいますか、重いものを感じることができたと思います。

僕の今の住まいは産婦人科病院の隣にあるので、妊婦さんや出産間もない赤ちゃんは日常的に目にします。それらを見ているととても幸せそうで、気分が明るくなります。ただ、その陰で何割かの人は困難を抱えているということもこれからは意識の上に入ってくると思います。普段の生活でどのように障害を持った人たちと関わっていくか、それらを考えながら行動していこうと思います。


普段このような文章を書かないせいか、とてもまとまりのない感想文となってしまい、申し訳ありません。さらに認識違いもあるかもしれません。ただ、熊田さんの本を読んだことで自分の中で医療問題に対する意識や関心が芽生えるきっかけになったと思います。まだ言いたいこともあったのですが、文章にまとまらないので、このあたりで断念します。


熊田さんのご活躍で、これらの医療問題がよりたくさんの人々に知られればすばらしいと思います。僕も読書会で紹介しようと思います。これからも取材がんばってください!応援してます!

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市瀬さん、素晴らしいご感想をありがとうございました!

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