ポリオ 来年度にも不活化ワクチン導入へ |
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投稿者: | 投稿日時: 2011年05月27日 12:15 |
皆様、ロハス・メディカル3月号をご覧頂いたでしょうか。
「ご存知ですか ポリオ生ワクチンの危険」(2011年3月号)
つい先日も、テレビ朝日報道ステーションで、ポリオ生ワクチンの危険性が取り上げられました。それから、まだ1週間ちょっと。それでも今日、以下のような報道がありました。
報道ステーションの反響もなかなかの大きさだったようで、不活化ワクチンの接種希望者もますます増えているようです。地道な活動がようやく形になってきたということではありますが・・・。
ただ、改めて、漠然と頭に浮かんでくる気がかりは3つ。
●今年度中の接種は、やはり生ワクチンのまま。それで被害者が出続けることになるのを黙認しているようなもの。不活化ワクチンへの切り替えは、生ワクチンの危険性を認めているに等しいのに、それを継続するというのはどういうこと?
●このような報道があれば、今年度中にあえて生ワクチンを接種したり、自分で高額な費用を払って不活化ワクチンを接種する必要はない、と判断する親御さんが続出するのでは?確かに野生種のポリオウイルスは見つかっていないので緊急性は低いとはいえ、空白の1年間となった場合、流行の可能性等の観点から、ほんとうに大丈夫なの?
●今年度までに毎年、ポリオワクチンから発症して麻痺を手足に負った人々の存在が、忘れられてはならない!軽症でいったん回復した人が、将来的にポストポリオ症候群(PPS)を発症することもありえる。その人たちは、発症時点で、数十年も前のワクチン接種との関連性を証明することも困難かもしれない(その頃には不活化ワクチンが当然で、ワクチンからの発症者はいなくなるので、専門の医師等もいなくなるだろう)。そうした人たちの存在がうやむやのまま、放置されてしまうのでは?
とにもかくにも、不活化ワクチン導入に関してはようやく一歩前進ということでしょうか。
しかし、実際にはそれまでまだ時間があります。このニュースで安心して、思考停止してしまってはいけない。そして以上に、「生ワクチン世代」として、その子をもつ親として、世間の関心が薄れていくこれからのほうが厳しい時代になるのかもしれないな、と、かえって身が引き締まる思いもするのでした。
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