ワクチン犠牲者は出続けています

投稿者: | 投稿日時: 2011年06月03日 13:18

震災の後、自粛ムードながらも各自が思い思いにゴールデンウィークそして子供の日を過ごしていた頃、残念な出来事がまた起きていたようです。

東京都感染症週報によると、

第19週 5月9日~15日
〈二類感染症〉
急性灰白髄炎 1件 患者で、ワクチン由来株(ポリオウイルス3型)が検出された。年齢は5歳未満、推定感染地は国内、推定感染経路は経口感染であった。

とのこと。

報道ステーションでポリオの予防接種禍についての特集を作成したジャーナリストの真々田氏が東京都の感染症対策課に問い合わせたところによると、この患者は0歳の男の子。やはり、ポリオ生ワクチン定期接種後の発症だったそうです。近親者、周囲への感染は見られないといいますが・・・。

国が来年度の不活化ワクチン切り替え方針を固めたところで、こうした現状は放置されたままです。この男の子の一生に関わる問題。誰が責任をとってくれるのでしょうか。お金のことだけで済まされる問題ではありません。男の子の生き方、歩む道、人生の選択肢を大きく狭めました。(となるとやはり補償だって、ただ生活できるだけの額があれば、それで補償できたと言い切れるのか。失われた可能性を考えれば、補償しきれるものではないのです。)身体に癒えない大きな傷を残したという意味だけでなく、様々な観点において、大きな人権侵害ですよね。少なくとも確率は相当程度に低いとはいえゼロではないことが明らかで、それを回避する手段を取ることがさほど困難ではない状況にあるのですから。

国を信用して、“予防”のために、わが子のためを思ってしっかりスケジュールを組んで接種を受けさせた親御さんの無念を思うと、本当にやるせない気持ちでいっぱいです。

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コメント

些細なことですが、タイトルの「ワクチン犠牲者」は、丁寧に「ポリオ生ワクチン犠牲者」とワクチンを特定していただけると有難いです。
内容は同感です。

このような問題が平気で放置されていることに毎回情けなくなりますが、これが日本という国の基本的な姿勢であることはある意味一貫しています。サリドマイド薬害の時から、実は変わっていないのだと考えると理解しやすいと思います。

その後、世に広く知られたものやそうでないもの、未だ表面化していない問題も多数ありますが、このような危険から身を守るのが、結局患者本人でしかないことは(個人的には)大問題だと思っています。

今回中医協メンバーとなった花井氏は、この日本の医療が成熟するためにはあと100年は必要であると発言していますが、私も同感です。
十数年前には、今後薬剤師は成熟した医療の実現に寄与するものと思っていましたが、この国は薬剤師を必要とは判断しなかったのでしょう。今となっては病院横の小屋で説明書を読みながら薬を渡す人という役割が定着したようです。


以前は講演などの機会があれば、信頼できる薬剤師を見つけるよう毎回のように言ってきましたが、そのような薬剤師はほぼ絶滅してしまったように思います。

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