ワクチンフォーラム 行ってきました。

投稿者: | 投稿日時: 2011年10月01日 01:51

昨日、内幸町の日本記者クラブで、「ワクチン予防医療フォーラム」の第4回公演会が開かれました。ポリオ不活化ワクチン検討会に構成員として参加されている齋藤昭彦氏(新潟大小児科教授)が演者、演題は「小児科学会推奨の予防接種スケジュールから見えてくるもの」ということで、ポリオの話が出るかしら、と思って出かけていきました。

結論から言うと、今回はポリオの予防接種については少し触れられたのみでした。しかし、ちょっと気になる話がいくつか出てきたのでした。

まず、今回の趣旨は、

近年の新しいワクチンの開発・普及によってワクチンで予防できる疾患が増えたが、多くのワクチンを限られた乳幼児期に接種しなければならない。

それを可能にするには同時接種が必要。それをベースとした日本小児科学会の推奨するワクチンスケジュールを紹介。

といったところでした。その過程で、日本の現行の予防接種制度の課題が7つ上げられました。


●WHO推奨ワクチンにもかかわらず、定期接種でなく任意接種のものがある。
→予防接種法で葉規定されておらず、費用は原則実費。一部地方自治体が補助。
●同時接種は有効性や副反応の点でも問題はないが、普及が進まない。
●一般に、ワクチン後の有害事象(接種後のすべての事象)と副反応(ワクチン由来)の違いが徹底されていない。
●日本では予防接種法に基づく「救済制度」(ワクチン関連が否定できない場合に支払われる)があるが、定期接種のみで、費用負担が複雑。ちなみに欧米は「補償制度」(ワクチン関連のみ)で、ワクチン1本あたり75セントの積み立てから支払われる。
●欧米では筋肉注射が一般的だが、日本では避けられている(皮下注射)。
●ワクチン政策の決定機関が未整備・未成熟。
●市民教育ー集団防衛としての観点から、市民の義務という認識がたりていない。


これらに関連して、気になる話題がいくつか出てきましたので、これから少しずつ書いていきたいと思います。

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