誰も削除しろと言ってない

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2016年12月10日 00:00

昨日からの続き。


中間まとめにあった第三者機関に対する「学会から独立した中立的な」の枕詞が、報告書で消えてしまったのは、なぜなのか。


時系列で追っていくと、2013年2月の検討会に示された報告書(素案)までは、その文言があり、しかし次の回である同3月の会に示された報告書(案)からは消えている。


ということは、2月の会でそれに関する議論が行われていないとおかしいのだが、議事録に見当たらない。


で、その文言変更について3月の会で事務方が何と説明しているかというと

専門医の認定機関についてです。専門医の認定は、第三者機関が学会との密接な連携の下で行うべきであり、そのような第三者機関を速やかに設立すべきである。このため、医療関係者や国民代表等からなる準備組織を設ける必要がある。これは、この部分の文章を追加しております。

と、文章追加の説明をしているだけで文言削除については、何も言ってない。おかしいなということで、その前後をもう少し読んでみると

現在の学会主導の専門医制度は患者の受診行動に必ずしも有用な制度になっていないため、質が担保された専門医を学会から独立した中立的な第三者機関で認定する新たな仕組みが必要である。これは、素案では「中立的な立場で」となっていたものを修正しております。

という発言があった。要するに、枕詞を別の位置に移したということらしい。以下の部分だ。

専門医の質の一層の向上について (1)基本的な考え方 ○ 専門医制度を持つ学会が乱立して、制度の統一性、専門医の質の担保に懸念を生じる専門医制度も出現するようになった結果、現在の学会主導の専門医制度は患者の受診行動に必ずしも有用な制度になっていないため、質が担保された専門医を学会から独立した中立的な第三者機関で認定する新たな仕組みが必要である。(強調筆者)


これ同じ効果だろうか?


第三者機関の設立にあたって、「医療関係者や国民代表からなる準備組織」設立が優先されて、「学会から独立した中立的な」が二の次になったということはないだろうか。
(つづく)

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