デマ製造装置としてのクラウドアウトソース

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2017年01月31日 00:00

「世界が絶賛する日本!」みたいな自国礼賛サイトはこうやって作られていたというブログを読んだ。書いてあることは、いちいちごもっともで、本当に日本人は自国の現状を正しく認識しなきゃいかんよと思ったわけだが、このブログを紹介したくなったのは、もう一つ理由がある。


外注先をネットで探せる(クラウド・アウトソーシングと言うらしい)「ランサーズ」というサイトに、【翻訳ライター様募集】日本の素晴らしさが認識できる事例と海外の声 - 2017/01/23という募集が出ていたと書いてある。リンクをクリックしてみたら本当に募集していた(過去形)。


WELQが、いい加減な健康系記事の作成を依頼していたのも、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドアウトソーシングサービスを通じてだったようだ。


「アクセスの稼げる文章をできるだけ安く作りたい」というニーズにドンピシャで合ってるんだろう。


フェイクだろうが何だろうが、アクセスを稼げたら換金できちゃうというweb世界のお作法によって、粗雑なものが濫造され、しかもその構造を利用してピンハネしている仲介業者がいる。正しい情報流通で食べていけたらいいなあと思っている身としては、ドヨーンとした気分にならざるを得ない。

<<前の記事:「国と特に密接な関係がある」公益法人    ワセダクロニクル:次の記事>>