後発品ある先発品の「特例引き下げ」が重要課題
■ 医療用医薬品の流通、「大幅な改善が見られる」
[遠藤会長]
平成20年度薬価制度改革において引き続き検討を行うとされたいくつかの項目があるが、本部会ではこれまで、日本製薬団体連合会(日薬連)が提案している「特許期間中の新薬の薬価改定方式」について、また、「市場拡大再算定の在り方」について議論してきた。
本日は、これら以外の検討項目として、「後発品のある先発品の薬価改定等」について議題としたい。事務局(保険局医療課)からいくつか資料が提出されているので、説明をお願いしたい。
[医政局経済課・木下賢志課長]
中医協の資料「薬―6」(スライド1)をご覧いただきたい。医療用医薬品の「価格妥結状況調査結果概要」。これは、昨年12月17日の本部会で、卸売業者とユーザーである医療機関、調剤薬局等における価格の妥結がどんな状況かを報告した。
これはもともと、平成19年9月28日の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)の緊急提言の中で、特に、医療機関と調剤薬局との妥結が、かなりの時間をかけていると。
通常であれば1年、薬価の改定が行われた翌年の秋ぐらいにならないと妥結をしないという状況があって緊急提言がなされた。
その中で、「メーカーと卸売業者との取引」では仕切値の速やかな提示とか、あるいは「卸売業者と医療機関、薬局との取引」では経済合理性のある価格交渉の実施とか、総価取引の改善、未妥結・仮納入についても改善するという提言をいただき、平成19年の秋以降、流通改善を行ってきた。
その結果の直近のデータが、「薬―6」の1ページ。日本医薬品卸業連合会加盟の62社、これは医療用医薬品を扱う卸売業者で、ほぼ90%以上のカバー率。その卸売業者と、すべての医療機関、薬局との取引についての状況。
調査結果は、平成20年7月、10月、12月、平成21年1月と3月で、直近が3月。これを見ると、病院は94.5%妥結した。診療所は99.6%と、ほぼ100%に近い状態。チェーン薬局20店舗以上については、99.7%。全体で98.0%。
平成19年1月、約2年前の状況を見ると、病院では倍以上の妥結。特に、チェーン薬局は19.0%から99.7%。トータルで、61.1%から98.0%ということで、大幅な改善が見られる。
従来から、医療用医薬品全体で取引をしていたケースが多々見られた。これについても是正をするということ。特に、個別の薬価が付いているにもかかわらず、全体で契約するというのは適切でないということ。
これについても流通改善の結果、200床以上の病院の「単品契約」の売上高に占める割合を見ると、平成19年度では46.4%が平成20年度に60.6%に改善。逆に、総価契約は53.6%から39.4%と低下している。
調剤薬局チェーンも同様の傾向で、「単品契約」が0.9%から18.1%。総価契約は99.1%から81.9%と減少傾向にある。
いずれにしても流通改善は継続して、今年の秋の薬価調査に向けて、引き続き改善努力をしていただくことになろう。
3ページ(流改懇への流通改善状況報告[H20.11.5]後の国の取組)は、昨年の報告以降、特に妥結が進んでいない医療機関について、特にチェーン医療機関を中心に要請したり、日本医薬品卸業連合会の地区会議で改善についての指導や要請をしたという、これまでの経緯が載っている。以上。
[遠藤会長]
ありがとうございます。引き続いて、(説明を)お願いしたい。