文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

中央社会保険医療協議会(中医協)―09年度第8回(7月8日)

■ 「入院時医学管理加算」の届け出施設
 
 今年6月1日現在、「入院時医学管理加算」を届け出ている医療機関は全国で172施設で、届け出が最も多かったのは大阪の19施設。次いで、福岡14施設、北海道10施設、神奈川9施設など。届け出をしている医療機関がないのは、秋田、茨城、山梨、和歌山の4県だった。  

 質疑では、同加算の算定要件を緩和するよう求める意見があった。主な発言は以下の通り。

[伊藤文郎委員(愛知県津島市長)]
 愛知県は8病院が届け出をしているが、こうした病院は愛知県でしっかりとした診療をしており、診療科を閉じたという話もない。入院時医学管理加算が勤務医の負担軽減や医師の確保につながっているかを考えると、こうした病院は確かに頑張っているので、それはそれでいい。

 本当はもう少し、その下で頑張っているところに行かないと、加算が支援になっていないのではないか。
 それは算定基準のハードルが高いとか、何かの算定の仕方が間違っているから。こうした立派な病院が立派な評価を受けることは間違いではないが、本来の入院時医学管理加算の支援の意味からすると、どうもちょっと首をかしげる問題があるのではないか。何か案件が違うのではないか。ハードルの高さが違うのではないかということを思う。それがどこにあるのか、ぜひ検討をお願いしたい。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 算定要件の在り方についてのご意見。平成22年度改定に向けた議論の中でまた議論していただきたい。(中略)

[藤原淳委員(日本医師会常任理事)]
 委員長が「方針」と、(診療報酬改定の基本方針の問題に)触れた。

 入院時医学管理加算は今回の改正の中で注目された項目の1つだと認識している。その中でも特に「外来縮小計画」や、「このハードルの高いから当初は算定しにくい」という意見が上がっていたところ。

 この基本的な考え方は、要するに「病院は入院、外来は診療所」と、そういった大きな方針の中で、こういったことが組まれたのか。(委員になって)1年少々なのでこれまでの流れは把握していないところもあるが、そういった流れなのか、あるいは単純に勤務医の負担軽減策として、「そこまで考えていないよ」ということなのか。大きなメッセージがあるのか、その辺のところについて、一番、「(基本)方針」ということになると思うが、ザックリしたお考えを教えていただきたい。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 平成20年度改定でこの加算をつくった時の基本的な考え方だが、これは今すぐお答えできるだろうか......。医療課長、お願いします。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 両方だと思う。両方だと認識している。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 「両方だ」ということ。病院の外来と入院とのバランスの問題と、もう1つは勤務医を助けるという2つの要因があったということ。

[藤原委員(日医)]
 「両方だ」ということであれば、大きく考えれば、やはりそういった方向で動きながら、当座は現状に対して対応していくということを言われたと受け止めていいのだろうか?

 (しばらく沈黙)

[遠藤委員長(中医協会長)]
 もう一度、そのご発言の(趣旨を)......。

[藤原委員(日医)]
 要するに、「両方だ」ということは、一番大きな方針は、やはり病院は入院だと。特殊外来は別にしても。そして診療所は外来だと。そういった大きな流れの中で、当面はこういった勤務医対策等があるから、そういったことを急激にやるのもなんだから、少しずつ絞りながらやっていこうよという考え方が2つあると言われたのか、そうじゃなくて、「そんなことまで考えていないよ」ということなのか。そこのところは煮詰められていないのかを確認したい。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 医療課長、お願いします。

[医療課・佐藤課長]
 医療課長からお答えするのがいいのかどうか分からないが、そこまで煮詰まってないんだろうと思う。ただ、細かな言葉遣いで言えば、「病院は入院だ」というのはやや乱暴かもしれないと思っている。

 病院の中でも「入院時医学管理加算を算定するような病院」は......、「入院時医学管理加算を算定するような病院は」という枕詞が付くのかもしれない。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 平成20年度改定の時、私は公益委員だったが、その時、中医協の中で病院は入院を中心にやり、外来よりも入院を中心にやるんだという、そういう合意は形成されたというふうには思えていないのだが、そういう理解で......。

 その時、平成20年度改定に参加された委員も多いと思うが、そういう見方でよろしいだろうか?

 (日医副会長の竹嶋康弘委員、全日本病院協会会長の西澤寛俊委員ら、うなずく)

 「合意は形成されていない」と。つまり確認すると、病院は入院を中心にやるべきであるというような形での合意の形成は必ずしもなかったと理解しているが、いかがだろうか? よろしいだろうか?

 (発言を求める委員なし。病院団体の西澤委員がここで発言するかと思ったが沈黙)

 逆に、それが明確なテーマにならなかったということ。つまり、合意が形成できなかったという状態にある。だから、藤原委員は参加されていらっしゃらなかったので、その時の状態をお話しした。ほかに何かあるだろうか?

 西澤委員、どうぞ。

[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 先ほどから出ているように、(入院時医学管理加算などの)要件の見直しをぜひやっていただきたいと思う。「2-1」の資料を見て、「どうしてあの病院が取れていないのかな」という病院がかなりある。

 そういうことで、できれば今回の改定前に入院時医学管理加算の(前回の改定で)要件が変わる前に取っていた病院のリストを出していただいて、それとの比較をさせていただくと、より何かが見えてくるのかなという気がする。この次にでも出していただきたい。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 いかがだろうか? 医療課長、どうぞ。

[医療課・佐藤課長]
 医療課長でございます。ご質問の趣旨は恐らく、前回は取れていたんだけども、平成20年4月の改定で取れなくなった病院ということで、病院に着目して取れた、取れなかったというのが分かるかどうかという質問だろうと思う。できるかどうか、検討させていただきたい。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 よろしくお願いします。(以下略)

 1  |  2  | 3 |  4 
  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
loading ...
月別インデックス