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薬害肝炎検討会に6患者団体が緊急要望

 医薬品の用法の厳格化を求めるなどの第一次提言を出した厚労省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』に対して、ドラッグラグに悩む6つの患者団体が連名で緊急要望を出した。提言の内容や議論の進め方に異を唱えるものになっている。「適応外使用が認められなくなったら私たちはどうすればよいのか」との危機感からだという。(川口恭)

 6団体とは、キャンサーネットジャパン、細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会、パンキャンジャパン、PAHの会、ムコネットTwinkleDays、卵巣がん体験者の会スマイリー。要望の主な内容は以下の通り。

私たちのように必要な医薬品を求める患者会・患者支援団体の思いとはかなりのズレが生じており、薬害被害者の視点に偏ったものであるのではないかと感じずにいられません。

 また、ドラッグ・ワクチン「ラグ」の解消という視点が不十分なままで議論・検証が続けられることは、むしろ「ラグ」を拡大させる危険性をはらむものと、大いなる危機感を抱いております。例えばドラッグ・ワクチン「ラグ」を生じている大きな要因の一つである「適応外使用」についても、現在の適応外使用の実態や改善を要する点の十分な検証・議論がなされないまま第一次提言において一定の方向性を示すことは、拙速といっても過言ではありません。

 必要な医薬品を速やかに患者・国民のもとに届けることも、医薬品の副作用等による被害を防ぐことも、いずれも医薬品行政の果たすべき大きな責務です。そのいずれかの視点が欠けたままでは、真に国民の健康と安全に資する「医療現場における医薬品・医療機器の使用に係る問題等を含めた医薬品・医療機器行政全般にわたる検証と抜本的な改革の提案」は実現できないものと考えます。

 検討委員会の議論は、私たちドラッグ・ワクチン「ラグ」に苦しむ当事者の未来を大きく左右します。私たちは検討委員会がその目的を十分に果たすことを実現するために、下記について強く要望するものであります。

一、検討委員会にドラッグ・ワクチン「ラグ」に苦しんでいる患者が日本には存在するという現状をお知らせください。

一、できるだけ速やかに、一人でも多くのドラッグ・ワクチン「ラグ」当事者に対してヒヤリングを行うなど、ラグに苦しんでいる当事者の声を反映させてください。

一、適応外使用など多くの国民が関係するような事柄に関しては、委員もお薬に対して公平な立場の当事者、有識者が集まり検討する場を設けることをご検討ください。

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