薬害肝炎検討会 医薬行政監視の第三者機関設置にWG
厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第16回会合が30日開かれた。医薬行政を監視する第三者機関設置のため、検討会内に少人数のワーキンググループを作ることが決まり、長く第三者機関の必要性を主張し続けてきた水口真寿美委員(弁護士)が「私は名乗りを上げたい」と述べた。(川口恭)
この問題に関連するやりとりは以下の通り。
まず水口委員が自ら提出した資料について説明。少し別のやりとりを挟んだ後で
寺野
「水口委員の資料を踏み台に議論していただこうか」
大平
「今、踏み台にするという座長の発言だが、第三者機関を作ることは一応もう決定済み。多くの委員の賛同を得ているのだから。今後は、どう機能するものを作るのかに話の焦点が行くべき話だ。どのようにしたら、普通の市民が情報を訴えやすい、情報を得やすいものになるか。そういう具体的作業に入ってほしいというのが本音」
寺野
「私も基本的にはそう思っている。しかし、この全体の場でやってもなかなか進まない。小委とかワーキンググループを作って、そちらに検討を任せるか」
水口
「具体化のためのWGを作るのなら、私は名乗りを上げたい」
堀
「具体化する際に、水口委員の資料では構成の中に色々な集団の代表が入っているが、薬害の代表でないという意味での患者さんが入ってない。具体的にどの患者会がいいとかは分からないが、一般の患者さんの立場も入れるべきでないか」
森嶋
「第三者機関を作るとしても、調査をどうするのか、データをどうやって得るのか、肝炎だけならいいが、一般的にこれから起きるかもしれない薬害をという場合、PMDAのデータとのアクセスをどうするのか。委員10人というけれど、動き出す時には日ごろのデータや資料の収集はどうするのか詰めておかないと、期待は大きいけれど第三者的判断をどうやってするのか、きちっと判断できるためその基礎となるものをどうするのか。役人を委員に入れないというのはいいが、役所からの情報なりデータなり入らない状態で果たして実働できるのか、少し考えないと。パフォーマンスだけやっていてもできない。本当に働かせようと思うと大変だなという気がする。それも事故が起きてからどうするじゃなくて、起きないように行動しようというんだから。そのために何か考えはあるのか。予算を付けるとか」
水口
「事務局に常勤で調査能力を持つスタッフを置くことを想定している。その規模と能力の問題になるが、データベースにアクセスできるようにするとか、こういう視点から調査・報告してもらうとか色々、患者からの副作用報告制度とか工夫は必要だろう。しかし私は前回もお話したように、そんなに悲観していない。基本的システムは本体の方にある。ここがキチっとやるという前提だが、それだけだとダメだから第三者機関を作ろうということだ。その本体の情報を活用できる体制を作ることが大切だろう。私どものNGOのスタッフは調査能力はあると思うけれど、手足はないし、データを得るために情報公開請求のような迂遠なことをしている。ここにデータベースへのアクセスとスタッフを付けてもらったらどんなにいいだろうといつも思っているが、そういう状態でも色々と問題は見つけている。この点については、WGが立ち上げられたら、そのメンバーと考えたい」