救急医療と時間外診療は似て非なるもの
■ 「24時間対応体制の調査という認識だった」 ─ 厚労省
[小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
これ(問3)を見ると、「専従とは、各時間帯において救急医療のみに従事している職員」と書いてあるので、(相川)先生のご意向は、出てこないだろうか、これでは......。
[相川直樹委員(財団法人国際医学情報センター理事長)]
でも、(問3では)「平日準夜に(専従医が)何人いたか」を聞いている。ですから、例えば月曜日の昼間に一杯(救急患者が)入ってきて......、(小山)先生の病院もそうだと思うが。
昼間でも救急の専従医が随分出てくるし、指導医として臨床研修で救急を回っている時には、指導医が救急を指導している。それも、通常は昼間の時間。それが評価されていない。
[小山委員]
これ、(調査項目に)「平日(昼間)」を入れればいいんですよね?
[相川委員]
そうなんです!
「時間外診療と救急は似て非なるものだ」ということをぜひ理解していただかないと、これ(調査票)が回ると、救急をかなり一生懸命にやっている病院は、「まだ救急イコール時間外診療か」と思われてしまうのではないか。ま、(調査票が)出ちゃったんで......。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
はい、どうぞ、事務局(保険局医療課)。
[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
すみません、ちょっと言い訳がましくなってしまうが......。
もともと、これ(特別調査)は、(新たな)機能評価係数(の候補として)残っている(救急医療を評価する)項目の黒丸5番、「複数の診療科における24時間対応体制」についての調査という認識だった。
「24時間」というと、平日日中は普通は(救急を)しているだろうという感じになってしまって......。(相川委員、怒り顔)
あ、あの......、先生のおっしゃっることは分かります。で、どちらかと言うと、そうではない部分を主体にということで......、こうして......、こういう項目になってしまって......。そこは本当に申し訳ないが、むしろ、「平日日中」ではない部分を拾おうという観点になっちゃったという......、ま、そういうところです......、ええ。
[相川委員]
ちょっと繰り返しになるが、すみませんが。
確かに、宇都宮企画官のお話で......、その点は了解したが......、病院によっては、昼間は救急の専従医も看護師も置いていない。置いていないで各診療科が診療していて、救急車が来るとその診療科の医師が仕事を止めて救急処置室に出掛けて行くという病院が随分ある。
そうではなくて、専従の医師や看護師を昼間置いてやっている病院も随分ある。後者を評価するということを今後......、今後で結構なので、ぜひすべきだと思っている。
[西岡分科会長]
はい、どうぞ、小山委員。
[小山委員]
この調査は、あくまでも調査ですよね。そうすると、(新たな)機能評価係数にするときには、もう1回、そのための調査をやるのだろうか?
[宇都宮企画官]
それはケースバイケースで、とりあえずDPC対象病院の状況を把握する。その上で、「(新たな機能評価)係数になりそうだ」ということであれば調査することもあり得る。あるいは、「今回は難しいな」という場合には見送ることもある。
[小山委員]
実際に(新たな機能評価)係数にする場合には、「そのための調査はちゃんとやるよ」っていう......。(他の委員ら、「ちゃんと」と言いながら笑い)
[宇都宮企画官]
ですから、その時に......。まぁ、もちろんちゃんとやります、やると思いますが、ただ、(次期改定まで)時間の制限があるので、どの程度ちゃんと調査をできるか、短期間にできるかということとの兼ね合いがあるので、それはまさに状況次第ということ。
[相川委員]
時間的に間に合えば、2度目の調査もあり得るということ。
ただ、(今回の調査で)時間外診療のかなりの部分が把握できるなら、実際に係数に落とし込む場合などに関しては、各施設から「昼間には何人いる」という報告を受けて、それで係数に読み込むということはできるのではないかと思う。具体的に読み込むときには、調査ではなく報告で読み込めると思う。(中略)
▼ この後、調査票の個別項目に関する指摘が相次いだが、調査票は既に発送済みのため修正の余地なし。
[西岡分科会長]
今、(回答施設から)疑義照会が来たときにために、ということでいろいろなご意見を頂いた。このアンケートそのものは、このまま出させていただくということで、疑義照会のポイントは事務局(保険局医療課)でまとめて、対応できるようにしたいと思っている。
それでは、この特別調査については速やかに実施するということでやらせていただきたいと思う。よろしいだろうか?
(反対意見なく、了承)
ありがとうございます。では、本日は以上だが、事務局(保険局医療課)から何か。
[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
次回の開催については、追って連絡したい。
[西岡分科会長]
少し、予定よりも(約40分)早く終わってしまった。ご協力、ありがとうございました。それでは、「平成21年度第8回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を終了する。どうも、ありがとうございました。 (散会)
【目次】
P2 → 「平日の診療時間にどれだけ高度な機能を提供できるか」 ─ 相川委員
P3 → 「24時間対応体制の調査という認識だった」 ─ 厚労省