一般病棟の2割が91日以上の入院-厚労省の一般病棟実態調査
厚生労働省が今年3月に一般病棟の5484床に実施した実態調査によると、91日以上入院している患者が約2割を占めていたことが分かった。15:1入院基本料を算定する3623床のうち8.1%が、13:1入院基本料を算定する1861床のうち4.8%が、それぞれ1年以上の入院だった。(熊田梨恵)
調査は厚労省が7月29日に開いた中医協の慢性期入院医療の包括評価調査分科会(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)に報告したもので、2010年度診療報酬改定の基礎データとして使われる。同省によると一般病棟の入院患者に関する入院期間や医療区分などの実態調査は初めて。
調査によると、15:1入院基本料の算定病床で「91日以上1年未満」の入院患者は14.3%、「31日以上90日以下」は30.5%、「30日以下」は47.1%。13:1入院基本料の算定病床もほぼ同様の傾向で、「91日以上1年未満」は13.1%、「31日以上90日以下」は26.3%、「30日以下」は55.8%だった。
同時期に医療療養病床7926床に実施した調査では、1年以上入院する患者が51.3%と過半数を占めており、猪口雄二委員(医療法人財団寿康会理事長、全日本病院協会副会長)は一般病棟について、「かなり急性期に近い医療をしながら、一部慢性化している人もいる。やはり性質の違う病院」と述べ、一般病棟と医療療養病床は違う役割を担っているとの見方を示した。
入院が90日以内だった3860人の医療区分を見ると、区分1が43.9%、区分2が35.4%、区分3が20.7%だった。91日以上入院していた1028人では、90日以内の入院患者と比べて重度化する傾向が見られ、区分1が26.8%、区分2が40.9%、区分3が32.3%となった。
医療療養病床の実態調査を見ると医療区分1は32.1%で、一般病棟の医療区分1の「90日以内」入院が医療療養病床を11.8ポイント上回った。また、医療区分3は19.7%で、一般病棟の医療区分3の「91日以上」入院が12.6ポイント上回っていた。